バカでも、役に立つ時もある。
例えば、
彼の眉間のシワが、
少しでも緩むことができたなら。
大根なんて、
咥えてみても美味しくなかった。
皮は剥いたけど、
ざらついていて、ゴツゴツで、
匂いも味も、
不快。
それを舐めて、
気持ちいい顔になんて、ならない。
なのに、私は、一生懸命に舐めまくった。
その大きさや形は、
男の人のアレに似てた。
きっとまた、バカなことをして。
って笑われる。
けれども、それでいい。
私のその姿を見て、感じてもらおうなんて、
恐れ多い。
ただ、少しでも、
現実を忘れる時間を作ってあげたかった。
その瞬間だけは、きっと、眉間のシワは、
緩んでくれると思うから。
その時だけは、どうか、
仕事のことも、家族のことも、
忘れてほしいと思うから。