私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



彼の存在

2023-02-09 07:32:00 | 日記

友達にも、

職場の人にも、

近所の人にも、

ましてや、

親、兄弟、

そして、子供たちにも。



誰にも言えないことがある。

私の気持ち。

それを言えば、

自分が否定される気がするから。

その夫を選んだ自分を。 



それを言えば、

軽蔑される気がするから。

SNSで親しくなった彼がいる自分を。







私は、夫が怖い。

ひとたび、気に触るようなことがあれば、

攻撃的な口調で、私を粉々にする。



犬も、スタスタと遠ざかる。

娘は、

自分の部屋にこもって泣き出す。

私は、

自分から抜け出す。

この時彼女は、しきりにまな板の上の野菜を切っていた。





とても嫌な朝だった。

私は、彼に、今朝あったことをLINEで伝えた。

ここになら、書ける。

彼になら、聞いてもらえる。

そのうち、

だんだんと、気が楽になって、

LINEを送った後は、

もう、過去のことに変わっていた。







星がとても綺麗な夜だった。

夜の犬の散歩の時間を半分以上過ぎた頃、

諦めかけていた彼からのLINEが来た。

散歩にでたよ。
話そ。

そうあった。

それは、いつもと違う表現だった。

それで全てがわかる。

彼は、今朝のLINEのことを今も気に掛けてくれていて、

話せるよ。(どうする)

と、私に主導権があるような言い方をせずに、

話そ。

と言ってくれたんだ。




私には、そう言ってくれる人がいる。

何も辛くなんてないんだ。



彼に、電話をかけたら、

いつもの優しい声がして、

私を包み込んでくれた。

寄り添ってくれた。



そして、いつの間にか、私は、彼の今日あった話を

とても興味深く聞いていた。

その光景が、目の前に広がって、
私も一緒にそこにいたみたいに見える。

同じ時を過ごしていたかのような妄想をする。




そんな時間は、一瞬で、

買い物に行った帰りの夫からの電話で、
私と犬を拾ってもらうことになった。




彼もきっと、奥さんに迎えに来てもらって帰るのだろう。




お互い、パートナーに引き戻される。

私と彼は、これからもずっと、そう。

だけど、それでもいい。

私は、彼に感謝する。





本能のままに

2023-02-05 09:15:00 | 日記



朝、目が覚めたのは、

LINEの着信音のせいだった。

彼が、おはようと言う。

日曜日の朝なのに、大丈夫なのかと、逆に心配になった。

でも彼が、そうするなら、今は大丈夫ってことなのか。

私は、ゆうべ、やらしい動画を撮ったの。

送ってもいい?

きっと驚くに違いなかった。

全裸でベッドに横たわり、

自分で慰めながら、

全力で登り詰め、

最後は、力尽きて誰かの温もりを求めながら、

ひとりを感じる動画。

彼は、それを見て、綺麗な肌だと言ってくれた。

爪が綺麗だと褒めてくれた。


その後すぐに、

彼からも画像が送られてきた。

いつ以来だろうか。

鏡にうつる全裸の彼の姿。

偶然にも、私が求めていたものが、そこに現れた。

そう、私は、きっと、

この胸の中で、安心したかったんだ。

裸の男と女は、

交わることはない。

けれど、

そうやって満たされる。

自分の身体を

ありのままの姿を

そのまま見てもらうんだ。

もしかしたら、これは、本能なのかもしれない。

私達は、もう若くないから、

残しておきたいんだと思う。

相手の中に。

自分が生きた証を。

歩んできた歳月を。




私は、彼を刻む。

私は、彼に刻まれる。



日曜の朝。

彼はすぐに、ここからいなくなった。

私も、起きて、

犬の散歩に行こうと立ち上がった。






つまりは何?

2023-02-02 09:54:00 | 日記

座敷に、ワイヤレス充電機がある。

夫と寝る夜は、そこにスマホを置いて寝室に行く。

座敷に入ったら、

何かの音を感じた。

よく聞いてみると、

2階の寝室のエアコンの室外機の音。

それだけで、私は、全てがわかる。

つまりは、そういうこと。

夫が寝室に入って、どれだけ時間が経っただろう?

よく考えてみる。

1時間近くになる。

もしかしたら、寝てしまってるかもしれない。

それならセーフ。

起きていたら、今夜は念入りなんだろうな…。







今何時だろう?

3時半。

彼は、今日も、この時間に起きて仕事に行くのだろうか?

そんなことを考えて、下着をつけて、パジャマを着た。

全裸なのに、全身に汗をかいていた。


それから、私は、トイレに行って、念入りに洗った。



つまりは、私は、夫のメス。









歳をとること

2023-02-01 00:47:00 | 日記

今夜は、月が明るい。

灯のないグランドの片隅で、

犬を連れた私は、

しゃがんで彼を待っていた。

さっきは、

手が凍えてLINEの文字がまともに打てなかったのだけど、

彼が、痛めた足首を固定させてから、散歩に出ると言うから、

そんな寒さでも、

いつまでも待てる。

しばらくすると、

電車の音が、聞こえてきて、

することがない犬は、電車が通り過ぎるのをただ、見ていた。

そんな時、

いきなり携帯の着信音が鳴った。



いつもの違う彼の行動に、戸惑いながら、

私は電話に出た。





仕事で痛めた足の話をした。

もう、完治することはないかもしれない。

こらからずっと、上手く付き合うしかないのかもしれない。

それなら、私は、その身体も愛せるよ。

彼の持病も、

彼の身体の変化も、

痛めた足も、

全て。

私は、彼の遺伝子が欲しかったのだけど、

それが不可能でも構わない。

そうやって、年をとろう。

一緒に。






彼は、家族を守るため、必死に頑張る。

こらからも。

私は、その姿をずっと見守る。



それが私のこれから。