その日ボクはランニングがてらに自転車メンテ用のパーツを探すために自転車屋を巡っていたんだ。欲しかったのはブレーキ・シフトのインナーケーブルとブラケットフードだ。インナーケーブルはアウターと合わせて赤にしたいと考えていたので、それを扱ってる店を探していた。
そうして自転車屋巡りをしていた中で、以前から気になっていたお店に入ることにした。外観は本格ロード扱ってますといった店だ。
店内はそれほど広くないものの、スペースに余裕のあるディスプレイでそこらへんの安っぽい店とは違うよという雰囲気を醸し出している。パーツ類もあるがそれほど種類はなく、基本的なものしか置いていない。自転車自体も数が少ないので、注文とって取り寄せるってのが基本スタイルなのだろう。
そんな感じなのでオレが欲しているカラーケーブルは見あたらない。一応近くにいたジョン・C・ライリー似の店員さん聞いてみる。
ボク 「赤のブレーキ・シフトのインナーケーブルはありませんか?」
ジョン「アウターじゃなくてインナーですか?」
ボク 「そう、インナーケーブルです」
ジョン「インナーケーブルの赤はないですね」
まぁ、置いてないのなら仕方ない。ここでの購入は諦めてあとは店を出るだけという、まさにその時、その店員からまさかの一言が飛び出た。
ジョン「アウターじゃなくてインナーですか?」
そう、彼は疑っているのだ。ランニング途中の、明らかに自転車乗りとは思えないボクの姿を見て、彼はボクが間違っているのじゃないかと思っているのだ。
ボク 「そうです。アウターじゃなくてインナーケーブルです。」
ジョン「インナーですか……色つきの?アウターじゃなくて?」
ボク 「あるんです、カラーのインナーが。見たこともあります。」
ジョン「インナーですか?キャップじゃなくて?」
気心知れた友人同士の会話ならそういった切り返しも良いだろう。しかし、初対面の店員と客という立場でこういう事を言う神経が信じられない。彼がカラー・インナーケーブルの存在を知らない事は構わない。自転車用品だって次から次へと膨大な量が出てくるのだから知らない商品があって当然だ。問題なのは彼の中でカラー・インナーケーブルなど知らない=そんな商品は存在しないという結論になっていることだ。
ボクが見たことがあると言ったからか、コイツの勘違いは直らないなと感じたのかは知らないが、ジョンは引き下がり、さも「うちのような本格ロードでやっている店は、そんなカラー・インナーケーブルなんてナンパな商品は置かないよ」という口調で「カラーのインナーケーブルとかはやってないですね」と言いやがった。
だ・か・ら・最初からそう言えよ!!自分の無知を自覚せず、会話の中で執拗に相手の間違いにしようとする……残念だが少なからずこの手の店員は存在する。
専門店などに主に生息する人種で、自分の信じる価値観以外は頑なに認めない連中だ。彼らに共通しているのは接客業をしているという自覚の無さと知識の量=正義といった独自の宗教観だ。
言いたいことは山ほどあるが、思い出すだけでムカムカしてくるのでやめた。
結局この店ではインナーケーブルもブラケットカバーも購入することが出来なかった。店を出たときにボクはとても悲しい気持ちになった。店に入るまでは結構な期待をしていただけに、その分だけ裏切られた気がしたからだ。そしてボクは自分自身に誓った…
今後二度とLIFE...#2に行かないということを……
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