「め組の大吾」、「昴」、最近だと「capeta」の作者と言えば分かるだろうか?
上記の作品に共通するのは常に「天才」を描き続けているということだろう。物語の流れとしてはどれも同じで、主人公が見せるテーマ(「シャカリキ」なら自転車、「昴」ならバレエ)への異常なまでの執着、集中力を執拗なまでに掘り下げている。どれも同じという事は最初の長編作品である「シャカリキ」でそのスタイルは既に完成していたといって良いだろう。そしてその後の作品を見ても「シャカリキ」を超えた作品は無いとオレは思う。「capeta」なんかはまるっきり焼き直しだしね。
そんな中で最近自転車乗りに注目の漫画が出て来た。それが少年マガジン連載の「Over Drive」だ。
噂には聞いていたが一見して絵が受け付けないため敬遠していた。まぁ読まず嫌いもいかんだろうと思い読んでみたがこれが中々熱い話じゃないの。
自転車に乗ったこともない少年が自転車部に入り、その眠れる才能を開花して活躍してゆくというスポーツ漫画の王道なのだがそれだけにおもしろい。「シャカリキ」も基本路線は同じなのだが、前者が読者が共感出来る同じ目線の主人公を据えたのに対し、後者は読者を徹底的に突き放す孤独な天才を主人公としている。
好みの問題となるだろうが「Over Drive」のほうが読者に受け入れられやすいのは想像に難くない。
まぁ、レースシーン以外での日常のコメディ部分など気に入らないところもあるが週刊の少年誌で自転車漫画が連載されていること自体が快挙だろう。「スラムダンク」を読んでバスケを始めた小中学生がいるように「Over Drive」を読んでロードレースを始める子供が増えると良いね。
そして田臥がそうだったように日本人によるツール・ド・フランス出場が見たいって話だよ。
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