4月7日 土曜日 京都
そういうわけで、京都月光荘大花見大会の当日になった。この日をもって愛一朗が月光荘を卒業する、というので全国から数百人が集まるらしい。何だか決戦の日みたいだ。
そういう日なんだが、私は今日は別にやることがあり、午後3時に病院にお見舞いに行く予定になっている。酒を飲んでいくわけにはいかないので、それまでは単独行動で。
まず郵便局へ行って野暮用をすませ、その近くの玄武神社や紫式部の墓を回る。
(ここが紫式部のお墓だそうです)
そのまま堀川通りを下がっていく。一週間前に咲いていなかった桜が、そろそろ咲き始めている。
水火天満宮で、しだれ桜を愛でる。
戯れに御所へと歩く。いろいろな桜が咲いている。
なんだか人出が多いと思ったら、春の一般公開をやっていた。ほう。行ってみるか。
ちょうど春興殿の前では舞が披露されていた。
出町柳まで歩き、〈ふたば〉の豆餅は列が長いのであきらめ、〈餃子の王将〉出町店でお昼を食べ、餃子をおみやげにして賀茂川沿いを北上する。
出雲路橋南のいつもの場所には、なんとコタツが20台も並べられていた。各種屋台にビール、泡盛、餅つき。移動する祭りを極めたらこんなカタチになるんだろうな。
いろいろ挨拶しつつ、そそくさと抜けて、病院へ。大学時代の先輩を、かつての同級生と見舞う。その後、木屋町の変貌に驚きながらお好み焼きで一献かわす。
夜も更けたが、賀茂川の月光荘大花見に顔を出す。花冷えというにはあまりにも凍える天気だが、泡盛満タンプランで飲む。というか、飲まないと寒くてやってられない。アルコールはそのまま体を温めるエネルギーに変わるみたいで、まったく酔わない。
暗いこともあり、知っている人も知らない人も関係なく、明るく騒ぐ。「キミの心のダイナモは熱く動いているか?」なんて、しらふでは言えない台詞を口走ってみたり。
やがて履物は行方不明になり、コタツもいくつか破壊され、何人かは倒れて眠り、何人かはエンジンがかかっていく。空気は澄み渡り、賀茂川の向こうに、満月に照らされて東山の稜線が浮かび上がっている。
歌がはじまった。
と、宴は夜を徹してつづくのだが、ひとり帰って船岡温泉へ。すぐにはお湯に触れないほどカラダが冷えきっていた。いやはや。