アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

ディック短編傑作選 忘れてました

2015-05-19 21:46:22 | フィリップ・K・ディック
「小さな黒い箱」と「人間以前」

新しく刊行されている早川書房のディックシリーズ
短編集を2冊アップするのを忘れていました


「小さな黒い箱-ディック短篇傑作選」 (ハヤカワ文庫 SF) 大森望編 2014年発行





「小さな黒い箱」“The Little Black Box”浅倉久志訳
「輪廻の車」“he Turning Wheel”浅倉久志訳
「ラウタヴァーラ事件」“Rautavaara's Case”大森望訳
「待機員」“Stand-By”大森望訳
「ラグランド・パークをどうする?」“What'll We Do With Ragland Park?”大森望訳
「聖なる争い」“Holy Quarrel”浅倉久志訳
「運のないゲーム」“A Game Of Unchance”浅倉久志訳
「傍観者」“The Chromium Fence”浅倉久志訳
「ジェイムズ・P・クロウ」“James P. Crow”浅倉久志訳
「水蜘蛛計画」“Waterspider”浅倉久志訳
「時間飛行士へのささやかな贈物」“A Little Something For Us Tempunauts”浅倉久志訳


「人間以前-ディック短篇傑作選」 (ハヤカワ文庫 SF) 大森望編 2014年発行





「地図にない街」“The Commuter”大森望訳
「妖精の王」“The King Of The Elves”浅倉久志訳
「この卑しい地上に」“Upon The Dull Earth”浅倉久志訳
「欠陥ビーバー」“Cadbury, The Beaver Who Lacked”浅倉久志訳
「不法侵入者」“The Cosmic Poachers”大森望訳
「宇宙の死者」“What The Dead Man Say”浅倉久志訳
「父さんもどき」“The Father-Thing”浅倉久志訳
「新世代」“Progeny”浅倉久志訳
「ナニー」“Nanny”浅倉久志訳
「フォスター、お前はもう死んでるぞ」“Foster, You're Dead”若島正訳
「人間以前」“The Pre-Persons”若島正訳
「シビュラの目」“The Eye Of The Sibyl”浅倉久志訳
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

超一級のB級作品

2015-03-23 23:38:35 | フィリップ・K・ディック
ザップ・ガン



「ザップ・ガン」(ハヤカワ文庫 SF)大森望訳 2015年発行

これは新訳ではなく創元推理文庫から1989年に出版されたもの
PKD総選挙では総合16位、長編小説では12位になっている
先に紹介したブログに「わけがわからん」と書いている
それこそがPKDへの賞賛なのだろう

次はヴァリス三部作の「ティモシー・アーチャーの転生」(新訳版)
近刊予定となっている
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖なる侵入「新訳版」

2015-03-23 23:06:17 | フィリップ・K・ディック
この期に及んで代表作に「新訳版」が出る作家



聖なる侵入〔新訳版〕(ハヤカワ文庫 SF)山形浩生訳 2015年発行

「ヴァリス」に続き三部作その二にあたる「聖なる侵入」も新訳版が出された
こうしたことが他のSF作家でも良くあることなのか

手を変え品を変え短編集が出される
原作とする映画も没後30年を経て封切られる
「総選挙」に値する作家なのだろうと改めて思う

帯には「『ザップ・ガン』3月刊」とある
本棚にもうスペースはないが
まだまだ続きそうだ

(ぐずぐずしていたので、この時点でもう
ザップ・ガン刊行されています)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電子書籍だけで読める これも本邦初訳!

2014-11-14 22:30:15 | フィリップ・K・ディック
ヴァルカンズ・ハマー kindle版


ヴァルカンズ・ハマー “Vulcan's Hammer” kindle版 荒川水路訳 2014年

これも本邦初訳だそうです
2013年書籍版となっていますが
これはどこから出ているのか調べていません

プロの翻訳家ではない?
ディック好きが高じて未訳の作品を翻訳されたのか

まだ日本に紹介されていない作品が
日本酒の醪を最後の一滴まで絞り出すようにして
(それが美味いかどうか別にして)
出てくるのはディックの個性にも由来しているのでしょうか
面白いとか秀逸とか関係なく
ディック風味のガジェットを
集めつくしたいという
作品の中に自分自身が囚われて行くような
独特な作家なんだと思いを新たにします

ディックなのに気楽に気軽に読めて
面白いSF小説でした・・
ん?ただ、最初に監督官が暴徒に襲われるシーンは結構リアルで
こういうシーンは他の作品にはあまりなかったような
スペオペ的な戦闘シーンとかも
充分ディックらしく
かつ、オーソドックスなSF小説のように
きちんとしたプロットがあって
結末に安心してたどり着ける
面白い小説でした(再掲)


ブックリーダーが役に立って良かった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガニメデ支配 ガジェットのデパート

2014-11-12 23:04:07 | フィリップ・K・ディック
まだ本邦初訳がある!


ガニメデ支配 (創元SF文庫)  P.K.ディック&レイ・ネルスン共著 佐藤 龍雄訳 2014年発行

本が出たのは6月
今頃アップです

共著という場合
どうやって書いているのだろうと
読む前に余計な「思念」が邪魔をする
全体を通してディックが着想し主導しているとのこと
ところどころディックより整いすぎた感じのする部分があって
それはレイ・ネルソンが仕上げたからなのかと
思う部分もある
幻視現象兵器が作動しめくるめく幻覚が押し寄せてくる
その描写はとてもカラフルで輪郭がはっきりしている
(ガールスカウトの軍勢が、焼きすぎて石のように固くなった・・
・・シルクのイブニングドレスを着たおかまたちが・・
サディスティックな孔雀の軍団・・という描写部分など)
ディックはもっとありきたりのものが非現実となるような
渾然一体という境目のない混乱に陥れる
そういう過大評価をしてしまう

アルタードステイツのタンクを想像させる
感覚後退プール
この装置により崩壊(解放)させられた人格が
唯一兵器に対抗することが可能だという
ちゃんと起承転結を付けるための
展開があるところなどはディックらしからぬ気がしないでもないが

ガニメデ人はジャバ・ザ・ハットのイメージか
ジャバ・ザ・ハットにはちゃんと手があったような

翻訳が遅れたものはさすがに駄作(作品として未完成?)なんだろう
という思いを裏切って
なかなか面白く読むことができた


駄作こそが傑作!じゃなかったのか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PKD総選挙?!

2014-10-13 22:22:04 | フィリップ・K・ディック
1位がユービックというのは意外でもあり納得もする

いい加減なP.K.ディックファンなので
こんな企画があったと後で知りました

久しぶりに書店に出かけ
ハヤカワSF文庫のチェックをしていたら
「ユービック」にこんな帯がかかっていた

こちらが「神7」だそうである


投票結果が載ったSFマガジン2014年10月号


投票締め切りに間に合っていたら何を投票したろう
「ユービック」に5ポイント
「ヴァリス」に3ポイント
「ティモシー・アーチャーの転生」に1ポイント
残る1ポイントは
「火星のタイムスリップ」「銀河の壺直し」「時は乱れて」「高い城の男」・・
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」はどうする
チームMの「ブレードランナー」に1ポイントというのもあり
10作品選んで全部1ポイントでも良いか
いずれにしても気づいたのが遅すぎた
いや気づくのが遅すぎた人がいっぱいいたかもしれない
1位が379ポイントとは
でもハヤカワのHPでバックナンバーが在庫切れになっており
雑誌はそれなりに売れたようだ

PKDならではの企画かも知れない
多作で種々雑多玉石混交の作品があり
自分の好き嫌いを主張したくなる
そしてそれにはそれなりの講釈がある
いわゆる「○○推し」というのに
なじむ作家であると思う

PKD推しの私としては
文明、人間、社会を鋭い感性、直感で再構築し
追い求めれば逃げていく
誰一人として語りえない
「真理」により肉迫しているという点で
村○春○氏よりノーベル賞に値する作家だと
そう思います
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ディック最大の問題作」ということは

2014-05-25 22:45:53 | フィリップ・K・ディック
ヴァリス「新訳版」



ヴァリス〔新訳版〕(ハヤカワ文庫 SF)山形浩生訳 2014年発行

「最大の」ということは
基本的にディックの作品は問題作が多く
その中で一番ということになるのか

問題の多い作家ディックの代表作
ということでも良いか

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と
この作品が代表作としてまず紹介されるのは
大方の認めるところだと思う

ディックの香りが充満している
ヴァリス三部作と言われている
「聖なる侵入」「ティモシー・アーチャーの転生」
も新訳が出るらしい

すでに短編集が後2冊予定されている
ディック侮りがたし

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ディックはなぜSF作家となったのか

2014-03-26 00:16:36 | フィリップ・K・ディック
市に虎声あらん!



「市に虎声あらん!」阿部重夫訳 平凡社 2013年発行

この作品を読んで何かを得ることがあるとしたら
ディックファンがその薀蓄を深めるということ以外に
想像することが難しい

訳がいささか大時代的な感じが否めないが
「市(まち)に虎声(こせい)あらん」
というタイトルからして
大上段に構えないと出版には至らなかった
そういう小説であった

書き(描き)過ぎている・・
もっと隠喩として・・SF的に書けば
そういうことなのだろう

帯に「山形浩生氏激賞」とある
ヴァリス〔新訳版〕の翻訳者だ
激賞するか・・

自分自身の世界観、価値観も老獪化している
混乱を新鮮に受け止められた時代も過ぎ
人間の営みから読み取ることができる
意義の少なさにも慣れてきている

この本への共感が得られないのは
もっぱら自らの精神の貧困のせいか

ファンとしてはディックが書いたということが
まずは評価の9割を占める
ディックだからいいのだと


ディック好きでも疲れる?!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変種第二号 ディック短編傑作選4

2014-03-21 23:30:47 | フィリップ・K・ディック
新短編集 その4


変種第二号―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF) 大森望編 2014年発行

本邦初訳の「戦利船」を収載


傑作短編集はあと2冊今年中に出るらしい


「たそがれの朝食」 “Breakfast at twilight” 浅倉久志訳
「ゴールデン・マン」 “The Golden Man” 若島正訳
「安定社会」 “Stability” 浅倉久志訳
「戦利船」 “Prize Ship” 大森望訳 本邦初訳
「火星潜入」 “The Crystal Crypt” 浅倉久志訳
「歴戦の勇士」 “War Veteran” 浅倉久志訳
「奉仕するもの」 “To Serve the Master” 浅倉久志訳
「ジョンの世界」 “Jhon's World” 浅倉久志訳
「変種第二号」“Second Variety” 若島正訳

玉石混交
短編傑作選というより普通に短編集としても良いのではないか
(傑作かどうかは怪しいものも含むので)
サンリオの「ザ・ベスト・オブ・P.K.D」にならって
傑作集でなければならないのか

ディックには駄作がない
駄作こそ傑作だから!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

復刊フェア2013!

2014-03-19 22:36:50 | フィリップ・K・ディック
タイタンのゲーム・プレーヤー



「タイタンのゲーム・プレーヤー」“The Game Players Of Titan ”
1963年作品 大森望訳 創元SF文庫 2013年第5版


これは再刊というより 復刊によるカバー変更ということになる
2013年9月13日5版とある 訳者あとがきも解説も1990年3月の初版を引き継いでいる
違うのはカバーだけだ

入手困難だったのはそうだろう
名作であれば増刷、再版されていたに違いない
売らんかなという感じは否めないが
先に復刊すべき本があるだろう
これがディックだという本をまず出してほしいものだ

この本もまた
ある意味ではとてもディック的だけれど
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする