一人目の馬鹿
前からちょっと危ないと思っていた小さい交差点があった。今日、僕の車がその交差点にさしかかった時いやな予感がした。こういう時はその予感が当たるものだ。派手なペイントをしたワンボックスが出てきた。僕が走っている道路が優先でワンボックスは一時停止しなければならない。しかし、その車ははっきりした一時停止をせずずるずると出てきた。交差点の半分ほどのところで僕の車を視認し止まった。
僕は抗議するためその運転手の顔に向かって指を差した。大きなマスクをかけた女性ドライバーは僕を見てからそっぽを向いた。そのワンボックスのボディーには○○KIDSと書かれた幼稚園の車だった。
二人目の馬鹿
駅に向かう坂道を歩いていた。遠くから歩道を飛ばして来る自転車があった。ハンドルがぐらつき安定していない。そばに来てわかったことだが、その女は携帯を耳と肩ではさみ、話しながら運転していた。おまけに後ろに子供を乗せていた。
三人目の馬鹿
旅行社へ行った。意外と込み合っていた。そうか、卒業旅行なのか若い人がカウンターに座っていた。出直そうかと店員の方を見ると「どうぞ奥へ」というのでいちばん奥のカウンターへ行こうとすると、その手前のカウンターの椅子を3つも使い足を投げ出して座っているヤツがいた。顔を見るとちょっと掘りが深く中近東の国の人に見えたが、部品がバタ臭いれっきとした日本人だ。それが証拠に隣りの友人らしき人とひどい日本語で話していた。
僕はその投げ出した足をじっと見て、ゆっくりとその視線を膝、股、腹、そして最後に顔へと移した。その時の僕の顔がよっぽど怖かったのだろう、僕と目が合うと彼は「スイマセン」と言い足を引っ込め、普通に座り直した。
係の店員とのやり取りから、彼らはどうもハワイへ行くようだ。しかし、その足投げ出し野郎は、その旅行をよく理解していないらしく店員に
「あのー!、僕はどの島へ行くんですか?」
少しは勉強して来い、この馬鹿野郎。
(毎度ながら、写真と記事の内容は関係ありません)