森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

きみのこえ

2006年06月04日 | Daily
久しぶりに、靴擦れをした。

のんびり屋のわたしは、人と待ち合わせをすると
たいてい、気がつくと走っている。

昨日も、目の前がチカチカするほど走ることになり
お気に入りのサンダルは、おしゃれに歩くように作られたデザインで
薬指に、見事な水泡を二つ、作ってくれた。

ところで、そのサンダルは昨年、銀座で雨宿りに入ったデパートで
一目惚れをして、つい手に入れてしまったものだ。

靴の出会いは、こういうことが多い。
靴であれ物であれ、例えば、人であっても、そういうときは"呼ばれたなぁ"と、思う。
たくさんのものがあふれていても、それだけに、呼ばれたと感じるときがある。

どんなに流行のものでも、おしゃれなものでも
自分の求めているcolorでなければ、魅かれることはないし
逆にどんなに魅かれても、何かひとつタイミングが違えば、手に入ることはない。

縁なんて、そういうものなんだろう。

今日も懲りずに、そのサンダルで出かけていたのだが
あまりに足が痛くなり、近道をした地下道で
昨年と同じお店を見つけて、ふらりと入ってみると
左奥に、同じような生地と色使いのサンダルを見つけた。

大きな違いは、歩く時に楽なようになっているデザインだったこと。
これには、また、"呼ばれた"気がした。

"これ、履いて行っていいですか"

丁寧に防水スプレーをかけてもらったサンダルを履いて
水泡を作ってくれたサンダルを箱に詰めてもらい
帰りの電車まで、歩くことにした。

今年の夏の絆創膏は、必要ないかもしれない。

けれど…
靴擦れをしてしまった薬指を消毒しながら
一日をぼんやり振り返る、あの気分が、なんとなく好きだから。

やっぱりまた、あの
ちょっと窮屈なサンダルを選ぶ日も多そうだ。