森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

Wayfarer

2009年05月25日 | Movie
「おくりびと」は、評価通りだという印象。
過保護な映画だったなぁ、いい意味で。

チェロは人の声に最も近い音色をしている、などと言われるけれども
その形もまた、人、それも女性のからだの曲線に似ている。

主人公が、人の生のぬくもりを求めて妻の手を取るのも
ひとりチェロを演奏するのも、
どちらも印象深いシーンだ。(DVDチャプター8・9がいいのよ~)

そして日本人のツボを知り尽くしたような、
久石譲氏のあのテーマ曲は何なんだろう(苦笑)
絶妙なタイミングで振動を与えられ
自分でもコントロールできない種類の感情に、涙腺を刺激される。

本木氏の静かで確かな情熱と
それをわかりやすく、それでいて
程よくオブラートに包み描く、過保護な作品。

ニクイを通り越してズルイとさえ思うような演出にしろ
久石氏の音楽にしろ
ここまでわかりやすく狙われているのがわかるのに
この、観終えた後のすがすがしさは何なんだろう。

それにしても、
やっぱり、チェロの音はいいものだなぁ。 <結局それ(笑)

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*テーマ曲は楽譜が映るシーンで『Wayfarer』と。


スパイス

2009年05月06日 | Daily
『もし明日地球がなくなるとしたら、一番の心残りはこれだな』と、

ずっと思い続けていたことがあるのだけれども
ひょんなことからうっかり(?)実現してしまい
逆に拍子抜けしているというか、
さみしいような気もしている。不思議なものだ。

もちろんそれが全てではないけれど、なにか、ひとつでも
『叶わないけれど、実現すれば素敵なこと』があるというのは
感性を磨く、最良のスパイスだと思う。

あぁなったら、こうだったら、そうなるためには、あれがあれば…と
想像したり、憧れたりする気持ちがあるから
自分を成長させたり改善するために磨いたりできるものでしょう?

だから、さみしい、というか
叶うはうがないと油断していたぶん、
驚きの後、ちょっと腑抜けな毎日を送っている(苦笑)。
燃え尽き症候群に似た状態なのかもしれない。
目標というか、よりどころがあったはずの心の大切な場所に
ぽっかり穴があいているような…。

…なんて、とても抽象的な話だけれども。
嬉しくないわけではないのだけれども、複雑なのです、
勝手なイキモノだなぁ、人間って(苦笑)。

連休も終わって、リアルな波の押し寄せる日常がまた始まる。
木々のみずみずしい緑が気持ちいい季節、大好きな季節
このいい季節にのんびりしてられないし
スイッチ切り替えてまた頑張らないと。

もうすぐ、蛍も飛びはじめる。
落ち着いたら、今年は観に出かけてみようかなぁ。
ひとつひとつの小さい楽しみも、
それはそれで、素敵なスパイス、だし。

二度あること

2009年05月02日 | Daily
親友に、ものすごい剣幕で叱られた。
これで、二度目。
それも、同じ事で叱られた。
しかも、前回よりももっと叱られた。

5年前の夏にも、
やっぱり、こぼれるような大きな目でじっと見つめられ、
同じように真剣に叱られたんだった。


叱ってくれるのは、分かっていた。
叱って欲しかったから、会いたくなったのかも。


大人になると、叱られる事は少ない。
ハッと気付く、あのドキリとする感覚はもう昔のものになってしまう。
冷静に心から想ってくれる親友の存在は、本当にありがたいものだなぁ…。

なかなか一番大切な部分を変えることができないでいる自分に
自分でも嫌気がさしていたのだと思う。

そして
その通りだ、馬鹿だ大馬鹿だ、それは間違っている、と、
まっすぐこちらを見て彼女に言ってもらいたかったのだと、思う。

わかっちゃいるのだけれど。
わかっちゃいるなら
三度目はないように…と、思うのだけれど(^^;