森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

No.2

2006年09月09日 | Music
兵庫県立芸術文化センター管弦楽団の、第3回定期演奏会に行った。
佐渡氏の指揮は、第1回目の定期演奏会に続き二回目だ。

シューマン「交響曲第2番 ハ長調作品61」
ブラームス「交響曲第2番 ニ長調作品73」

第1回定期演奏会は"運命""英雄"とパワフルな選曲だったけれど
今回は、ドイツ・ロマン派の組み合わせのプログラム。

…あぁん。好み!(笑)
ブラームスの2番はチェロとコントラバスの大活躍、
ホルンやオーボエものどかで、フルートは軽やか
暖かく穏やかで、とてもとても居心地がいい。(=眠い 笑)

それにしても、"2番"の二曲を選曲されたプログラムはおもしろい。

『数字の持つもののイメージというのがある。
 1番は「若さ」や「意気込み」、世界一日本一のようなイメージ
 それにひきかえると2番というのは見た目にも丸さがあり
 安定したイメージ。
 作品的にも1番より成熟している。』

佐渡氏は、自ら率いる若いオーケストラとの2度目の共演で、

『今回は、オケと僕が音楽と言うものに対して向かい合いたいと思った。
 誰もが持っている心のひだを動かすことができるように
 また、耳を傾けたくなるような音を届けたいと思った』

とのこと。
前回のパワフルプログラムに引き続き、
暖かいハートが、佐渡さんらしい。

わたしの持つ"2"のイメージは、"あたたかな素数"。
偶数だからだろうか、ぽつんとしておらず、寄り添うイメージ。

兵庫県立芸術文化センター管弦楽団が西宮の街に寄り添い
これからどんどん成長し、熟成した音楽を発信してくれることを願う。

それにしても。
若い若い、ブラームスの2番。ラストはぞぞぞっと鳥肌だった。
佐渡さんのびよんびょんと飛び跳ねる指揮にもよく合っていて
みんな、これに、パワーをもらうんだなぁ。



菊の節句

2006年09月09日 | Picture
兵庫県立芸術センターからは車で5分くらいなので
コンサート開演の前にアートテラスギャラリーに寄ってきた。

相変わらず、マイペースなおだやか店長と、
にこにこ明るく、気配りの、ママ。
閉店までもう間もないんだなぁ…。 (絵画館にリニューアルのため)

オープン当初のギャラリーのお写真を見せてもらって
お庭の木がどれだけ太くなったか、なんて話していると
そうか、ここも改装されるんだなってウルウルとしそうになったけれど
10年分のエピソードをふりかえるだけでわかる
どんなに充実した時間が、そこに流れていたか。
きっと春から、また、そんな時間が流れる場所になるんだろう。

ところで。

ママさんが出してくださった、お茶菓子。
菊の形をしているのだけど、9月9日にいただくお菓子なのだそうだ。
(二つなのは、食いしん坊だからじゃないですよっ!?(*`ε´*)ノ_彡☆)

  

『9』と言う数字は、日本では忌み嫌われているけれども
中国では奇数は縁起がよい"陽"の数とされていて
その一番大きな数の9は、おめでたい数なのだという。

その数が重なる9月9日は『重陽』といって
古くは詩を詠んだり菊花酒を飲んだりしてけがれを祓い長寿を願う
菊の節句の行事もあったらしい。

アジアでは、永遠という意味があったり
日本でも、結婚式に好まれる数字だったり
9という数字は、ラッキーナンバーでもあるようだ。

思いがけず、興味深い話もでき
さみしい気持ちも、帰る頃には薄らいできた。

それにしてもさすが、天然夫婦のトークマジック(笑)
気がついたら大笑いばかりしていた1時間と少し。

『しばらくご不自由かけるけど。
 春からはもっとゆっくりしてもらえるから~
 来てくれてほんとに嬉しかった(^^)v』

見えなくなるまで、手を振って見送ってくれるお二人に
じんわり温かいものが、胸の中に流れる。

こんな風な帰り道が好きで、ついついお顔が見たくなるのだけれど。
これからも変わらずお付き合いして行かれたらなぁ、と、思う。

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菊の節句のお菓子「着世綿」
http://www.taneya.co.jp/new/05/siga_shinbun/2.html