或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

出産のこと 3

2007年03月11日 | ハンガリー(妊娠・出産)
妊娠がわかって最初の診察から始まるのは英語のやりとり。
そうでなくても病院というところでは余計な質問をして良いのか
と気を回し、タイミングを逃してしまうもの。

しかし、ここは外国。
聞かなきゃ、言わなきゃと肝に命じました。

この本の実用的且つ豊富な英文質問例から引用したり、参考にして
単語を入れ替えて作文し、ノートに纏めました。

毎回、診察に入るとすぐそれを見てもらいました。(英文は次の検診日
までに準備すればいいので、日本人の得意な読み書きが活かせます。)

これは英語は分かるけれど、その場でポンポン聞いたり、話したり
するのは苦手なのだと相手に伝わって良かったと思います。

日本的な以心伝心を期待せず、「もうすこしユックリ話してください」
「なんとおっしゃったか分からなかったので、書いてもらえますか?」
と勇気を出して頼みました。

毎回、電子手帳を持っていき、ちょっとした単語のつまずきなら
待ってもらえるので、その場で検索したりしました。

ちょっとしつこいかしら?という質問をしたいとき。
その場に居ない主人に悪者になってもらえば角が立たないので、
「夫が聞けと」「帰ったら夫に説明したいから」「これはしないですね」
「これは○○の検査ですね?」などと曖昧な点を残さないようにしました。

こうした努力は、ごく当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが
案外と気力を要します。今振り返っても、検診前は予約から緊張して
いたものでした。

でも、海外出産は自分の一存で決めたこと。せめて「ハンガリーで
産んだからこうなったと言わない」、「考えられることは全部やった
のよとbabyにいえるように」、「日本でしても後悔する人はする」と
考えるようにしました。

空気を読む、行間を読む、というのが習慣化している日本人にとって
「分かっていることもあえて言葉にして確認を怠らない」ほどの
積極的なコミュニケーション姿勢を保つのは容易ではありません。

それでも、おなかにいる赤ちゃんを思うと段々「母は強しだ、
私にもできるはず」と強くなっていけました。^-^

また、今の時代、日本の本やインターネットを通じて、日本と海外で
異なる妊娠中の診察過程も有る程度確かめておけたので、助かりました。

そして、医師や助産士さんの側から見ても「(言語の違いで)あやふや
な理解のまま出産に臨むひと」よりは「自分でも調べてくるひと」
「ゆっくりで地道でも意思疎通しようと積み重ねるひと」が歓迎される
のだなと感じました。

出産までの何度も有る検診の間に、先生と助産士さんが私のつたない
英語のクセを知り、何を不安に思い、どういうことを心配するかを知り、
私という人間に慣れていきました。

そして私もまた、先生や助産士さんの英語やお人柄に慣れる・・・。
それは、互いの信頼が蓄えられた過程といえました。

不安な出産の瞬間を支えたものは、あの信頼感だったと今も思います。


コメント (2)
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