今日は一日雨で野鳥観察もひと休み。そこで今日はちょっとした笑い話をひとつ紹介します。
数日前の事ですが夜遅く帰宅した妻が、帰るなりいきなり私の部屋に入って来て、「今日は絵本を持って来たので読んで見たらどうですか」と言いながら一冊の絵本を私に差し出しました。
幼い孫でもあるまいし、60を過ぎた私に真面目な顔をして、突然絵本を読めと差し出すから、私は驚きを通りこして妻の頭がおかしくなったのではないかと思うほどびっくりしました。
そんな訳で私は一瞬、なにがなんだか訳がわからないまま唖然としてましたが、後で考えてみると私をバカにしてるように思えて、「大の大人に絵本を読めとはどういうことはなんなんだ?」と少々怒りを込めて妻に言いました。しかし妻は私の怒りなどお構いなしに、「あなたが野鳥が好きだから、野鳥の絵本を図書館で見つけたので借りてきて上げたのよ」と言い返しながら台所へさっさと消えた行ってしまいました。
私はいくら考えても絵本を読めという妻のことが理解できず、段々腹が立ってきて、本の中身を見ることもなく、隣の台所にいる妻に向かって「私をバカにしてるのか」とつい大声で怒鳴ってしまいしました。
それでも妻は私の怒りなど感知せず「子供が読む絵本もあるけど、大人が読める絵本もあるんですよ」と言いながら、「文句ばかり言わないで、一度本の中身を読んで見たら」と言うのでした。私は妻のあまりにも堂々とした言葉に少し戸惑いながら、絵本のことで妻と本気で喧嘩するのもなんなので、仕方なく妻が持って来た絵本を手にして読んでみることにしました。
絵本のタイトルは「ゆかいな聞き耳ずきん」で、サブタイトルには「クロツグミの鳴き声の謎をとく」となっていました。そんなタイトルの絵本でしたが、内容は可愛い挿絵を添えて、著者の石塚徹さんが数年間クロツグミの鳴き声を研究してきた実話を分かりやすい言葉で書き綴った絵本でした。
本を読み終えて私は、はじめて「なるほど」と、妻がこの絵本を持って来た訳を理解することができました。確かに絵本の中身は大人が読んでも参考になるいい本でした。
結局この日は、妻の突然の「絵本」の差し入れで、ちょっとした夫婦のいさかいが起きてしまいましたが、最後はその「絵本」のおかげで妻の私に対する心遣いが伝わり、笑顔になることができました。