「去年は本当にお客さんの来ない、最悪の1年と言われていたけれど、
今年はさらに悪い。」とは、白馬で泊まったペンションのご主人。
「1977年から白馬でペンションをしている。
最初のころはペンションブームもあって、一日に30人以上のお客さんが来たこともある。
そんな日は、人を頼んで手伝ってもらっていた。」
「オリンピックのころ、白馬には250軒のペンションがあった。ブームでたくさんのペンションが建った。
でも、今はたったの50軒。」
「息子は東京の大学を卒業し、東京で就職した。
このペンションを継ぐ気持ちはないようだ。」
「だから、自分と家内ができるところまでペンションを続け、
もう無理、というところで廃業するつもりだ。」
「今は部屋も5部屋、多くても1日4組しかお客さんを取らない。
それが夫婦ふたりでペンションを経営して行く限界。」
「大規模なペンションはみなつぶれてしまった。
クローズしているペンション、廃業してそのままほったらかしにしているペンションが
ここには山ほどある。」
と、訥々と語ってくれるオーナー。
飾らず、さりげないもてなしがとっても気に入りました。
食事はボリュームたっぷりの信州牛のステーキと北海道産のほたて。
こんなにおいしい料理は久しぶりでした。
デザートは甘さ控え目の手作り。
どんな業界にも不景気の波が押し寄せています。
それでも、こんなに感じのいいペンションは続けてほしいな~、って思うのです。