buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

靴職人の勉強方法

2009年07月26日 | 授業
人はどれくらいで熟練した仕事ができるのでしょうか?
私の夫は靴職人です。
ドイツのゲゼレ(職人)という資格を持っています。
このドイツ整形外科靴職人(ゲゼレ)になるには、ドイツ国内で見習い職人として3年以上の修行をし
(整形外科靴マイスターの下で靴作りの下働き)仕事の基本を学びます。
靴だけでなく、ハムやソーセージ、大工さん、鞄職人など、ドイツのデュアルシステムは伝統と改善の中で
しっかりと確立されてきました。

それでは3年が過ぎれば、靴職人としての技術が熟練するか、というとそうではないようです。
3年目が始まり、という言い方をした方が逆にいいのかもしれません。

主人は今でも週に1回、日本人の70代の靴職人(親方)のところに靴の作り方を習いに行っています。
親方の靴工房で、指導を受けながら自分で靴を作ります。
親方の指導の方法は2つ。

1)しっかりと説明してから、自由に作らせる場合 と
2)難しいところや覚えなければいけない技術を実際に見せて示す場合

聴いて、見て、学ぶ、、、職人の世界はやはり「自律・自立」が基本のようです。

語学の学習も『職人』の世界に共通しているようなところがあるかもしれません。
1)きっちり教えてモデルを示し、2)主体的(自立・自律)に学習(応用)させる、、、。
教室の環境によって異なるかもしれませんが、私の属す学校の外国人学生には
意外に「職人型」が合っているような気がします。


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3 コメント

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Unknown (ya)
2009-07-26 14:37:07
たびたび登場で恐縮です。。。
語学の学習のとらえ方,apprenticeshipと主体的な応用,私もそうだと思うのです。しかししかし,私の非常勤をしている小さな日本語学校では学習者がそう思っていません。試験問題を解けること=学習と思っています。モデルを見習うことも,そこから主体的に応用することも不要だと思っている場合,じっくりモデルを見せたり考えさせたりすることは単に効率が悪い・遅いということになるようで。。。ということで,このような場合,学習者と「闘う」ことになるんでしょうか。。。
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『闘う』と疲れる (buriburineko)
2009-07-26 22:37:47
確かに、、。私の属する学校でも一番最初の頃はそうでした。いえ、実は今でも試験問題を解くことや高い点数をとることを学習の目的にしている人がいます。ただ、多くの学生が日本企業への就職を目指しており、徐々に日本で働くためには何をすればよいのか、ということを意識し始めるようです。学習する側の意識を変えられれば、と教師側もいろいろな工夫をしています。『闘う』というより、時間をかけてじっくりわかってもらう、、それでダメだったらしばし距離を置く(時間をあける)ようにしています。個人的には『闘う』と疲れちゃうような気がします。また無理して『対立』構造を作らなくてもいいかな、と思うのですが。
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補足です (buriburineko)
2009-07-26 22:41:23
以前、『介入』(おせっかい)や『闘い』をして、思いっきり失敗したことがあります。けっこう痛い失敗でした。それから熱すぎず、冷たすぎず、距離は近すぎず、遠すぎず、で学生に接するようにしているんですが、それがよいかどうか、、、?もうちょっと結論出すまでは時間がかかりそうです。
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