buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

さよならいつか 原作と映画

2010年01月23日 | 本・映画・音楽・美術のページ
辻仁成の小説『サヨナライツカ』を以前読んで、かなり心を動かされました。

それで、今日から始まった映画を見に行ってみました。
映画館は(この映画館にはよく行くのですが)満席!
老若男女、かつてないほどの盛況でした、、、

映画の方はといえば、まあまあかな~、、、。
強いて言えば、原作を描き切れていなかったような気がします。
特に
主人公たちの熱いエネルギーいっぱいの若かりし時代と
ほぼ私と同年代を描いた25年後の現在を
役者さんたちが演じ切れていなかったように思えるのです。
もしかしたらミスキャストかも。
主役の中山美穂は20代の妖艶で個性の強い女性『沓子』を演じるには円熟味がまし過ぎていて
『好青年』を演じた西島秀俊は50代半ばの男性を演じるには若過ぎるし、線も細すぎる感じ。
どちらも中途半端でした。

ただ
『人間は死ぬとき愛したこと、と愛されたこと、どちらを思い出しますか?』
の一節と↑(質問されたらなんて答えるのかな~?)
『サヨナライツカ』という題名には何か惹かれるものがありますが、、、。

サヨナライツカ

原作と映画、という授業を通年で担当していますが、
原作のよさを10倍引き出す映画、映画の方が何だかずっといい感じに描かれているものもあれば、
映画化は絶対に失敗だよね~、というものもあります。

少し前にブログに載せた「博士の愛した数式」
この映画を昨日クラスで鑑賞しましたが、
『博士の愛した数式』は絶対に小説を読んでから見た方がいい映画です。

学生たちからは「1年間で一番よかった映画」『感動した!』と、みなほのぼのとした笑顔で
観賞後話していました。
ただ、非常勤の先生で映画だけ見た人は
「え~、、、何で、なんか普通の映画って感じで、印象が薄い~」と言っていました。

さて、来週からは授業で伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』を取り扱います。
鑑賞は再来週。
実は映画をもう見ました。
扱っているテーマも重いのですが、家族というものを考えるにはとてもいい映画だと思います。
小説はさらに深く読めるかも、、、楽しみです。

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2 コメント

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Unknown (玉響)
2010-01-24 00:43:00
辻仁成さんの作品は、『冷静と情熱のあいだ』くらいしか読んでないのですが・・・
『サヨナライツカ』、今度読んでみたいです。

『重力ピエロ』なら読んだし観ました!
あの兄弟を、わが家の息子二人と重ね合わせて読んでしまって…考えることが多かったです。
伊坂さんの作品はどれも好きですが、中でもかなり好きな方です。
(て、全作品を読んでるわけではないですが、汗)

私は原作を先に読む派です。
文章や行間から、想像を膨らませる時間が楽しいです。
なので、観たい映画があると、急いで原作を読む…これが結構忙しいです(苦笑)
映画は映画で、視覚・聴覚フルに使っての感動が得られるという、また違う楽しみがありますね。

原作と映画を扱う授業なんて、楽しそうです。
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重力ピエロ (buriburineko)
2010-01-24 08:58:11
玉響さん、私も伊坂幸太郎は大好きです。「重力ピエロ」は玉響さんと同じように、我が家の息子たちを頭のどこかに置いて読みました。その上次男は偶然にも(春に生まれたので)『ハル』という名です。本のハルとは違いイケメンじゃないけれど、、深く重い、でも何か自分へのチャレンジになる本でした。
『原作と映画』の授業には本好き、映画好きが集まってきて、私よりもずっと若い人たちだけれど、彼らの意見はとてもいいのです。観察力があるし、何より多彩です。若い学生から刺激を受けています。『サヨナライツカ」もぜひ、読んでみてくださいね。
『冷静と情熱のあいだ』は女性の立場から描いた江國香織さんの方が印象に残っています。
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