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Retro-gaming and so on

Dancing Star

あんま音楽の話はしないようにしてる。
っつーか、ごめん、ハッキリ言うとかなり「煩いタイプ」だ。
しかも他の人が「いい」って言う音楽がピンと来ない体質なんで尚更困るのだ。
小室哲也なんぞ、ちっとも良い、って思った事がないし、

「わたしの〜おはかの〜まえでぇぇなかないでくださいぃぃぃ♪」

なんてテレビから流れてくるとテレビを蹴倒したくなってしまう。

幸いな事に、あれが良い、とかこれが良い、とか言う前に、ここ20年くらい、「この曲が良い!」って思うものがあまりなくって助かっている。
「良いと思うモノが殆どない」と言う事は殊更「悪いものをあげつらう」必要性もない、って事だ。殆どの曲は「どーでもよい」って範疇に押し込める事が可能となる。
必然的に音楽に無関心、ってフリが出来るので、このテの音楽関係の発言をせんで済む事になる。助かる。
事実、アニソンなんかその殆どをクソだ、とか思ってたが、こないだ書いた通り、「その着せ替え人形は恋をする」のEDとか、マジメな話、かなり久々に自分の中でのヒットだ。放送前には音楽には全く期待してなかったんだが(スクエニだし・笑)、良い意味で裏切られた。
ああ言うカンジで、かなりアレンジが高度じゃないと既に納得出来なくなってるのだ。
病気である。

こう、一般的に「いい」って言われるモノに共感する場合もあるけど、かなりの確率でズレてるんだよなぁ。何でだろ。
まぁ、性質的にはしょーがないんだろ。Lispなんてプログラミング言語を選んでやっちまう辺りどうしても業な気がしてる。別に「人と違う事がやりたい」わけじゃなくって、どうしてもそういうマイナーなモノを選んでしまうのだ。
往年の日本のPCだったらSHARPのX68000買っちまうタイプだし、アメリカのPCならCommodore Amigaを買っちまうタイプなのだ。そういう気質が治らんのだ。死んでも治らんのだ。どうしようもねぇのだ。バカボンのパパなのだ。これでいいのだ。

とまぁワケの分からん愚痴を言っておいて(笑)。
唐突に「うる星やつら」の話をする。
どうも世の中、「うる星やつら」と言うと「ラムのラブソング」をすぐ連想するらしい。
でも僕自身は大して「ラムのラブソング」を評価してねぇんだよな。
いや、悪い曲だ、って言ってるワケじゃない。ただ、「代表曲なのか?」とかなり不思議なのだ。
何か取り立てて特徴もねぇような・・・・・・。
うん、「うる星やつら」放映当時、から暫く経っても、女性陣が「あの曲好きだった〜」とか言うのを聞いて「あ、そうなの」とかテキトーに話を合わせていた程度である。僕自身の「音楽的評価」ってのは実の事を言うと大して高くなかった。そして、そもそも女性陣の「審美眼」とか信頼した事は一度もない(笑)。
んで、歌詞が正直言うとかなり厭なタイプの歌詞なんだよな。

「ああ〜、おとこのひとぉってて〜なんにん〜すきなひとがほしいのォ♪」

とか歌われた日にゃ「演歌じゃん!」とか思ってしまう(笑)。僕の中ではダサダサで、内なる「淡谷のり子」スイッチがどうしても入ってしまうのだ(笑)。

きてはもらえぬゥセ〜エタァをぉ〜、どうして編むの!

っつーアレである(爆)。
そうなの、僕にとっては「ラムのラブソング」の歌詞もド演歌で、要するにダッセぇと思うスイッチがどうしても入ってしまうのだ。
対比的に言うと、「魔女っ子メグちゃん」の曲の歌詞の方がカッコイイだろ?ってそういう対極性がどうしてもムクムク起き上がってくるのである。
いや、ラムって演歌な女だよな?って言われりゃあその通りなんだろうけどね(※1)。

さて、実は初期、っつーか前半のスタジオぴえろ制作の「うる星やつら」のOP曲とED曲は基本作曲者は同じである(※2)。小林泉美って人だ。
この人、知ってる人は知ってるだろうが、一時期、フュージョンバンドである「THE SQUARE」(現T-SQUARE)でサポートメンバーとしてキーボードを弾いてた人である。
元々、フュージョンバンドでサポートメンバーが出来るような人なんでテクニシャンではあるんだろうな(ヘタクソだとフュージョンはプレイ出来ない)。そして性質的にはどっちかと言うとスタジオ・ミュージシャンに近い、と思う。
そんな彼女なんだけど、自分でヴォーカルを取ってないのが、「ラムのラブソング」と「宇宙は大ヘンだ!」、そして「心細いな」の3曲である。この時点では「裏方」だったのだ。
しかし、映画版「オンリーユー」で彼女ははじめてヴォーカリストとして登場する。主題曲「I, I, You & 愛」で完全に小林泉美名義で歌うのだ。
そして、この時点で編曲を徐々にうる星やつらの劇伴を担当してた安西史孝のカラーに寄せていく。その辺がまた「職人技」なんだよな。技術者だ。上手い。
そしてこのあと、はじめてテレビのOP/EPをヴォーカリストとして担当する。
要するに個人的な意見では、「うる星やつら」の(劇伴的な)世界観に合わせた、一番脂の乗り切った「主題歌」は作曲/編曲者本人がヴォーカリストとして登板したDancing Starなんじゃないか、って思ってるんだ(※3)。
僕が好きなのは、いずれにせよ、こっちの方だ。


なお、小林泉美氏のインタビューが面白い。「うる星やつら」で一世を風靡したけど、「謎の作曲家」っぽかった氏の軌跡はなかなか興味深いモノである。

※1: 実は原作者の高橋留美子は「ラムって女性は良く分からない。描いてて感情移入が出来ませんでした。」と言うような発言をしてたらしい。

※2: 例外は多分、あがた森魚率いる「ヴァージンVS」の「星空サイクリング」くらいだろう。
しかも、この曲は「うる星やつら」の為に書かれたわけではなく、「コズミックサイクラー」の名前で元々存在してた曲で、映画「オンリーユー」に使用された関係上、TV版のEDに宣伝も兼ねてタイトルを変え、楽曲を多少改変したバージョンとして使われた。
本人達の再録ではあるが、要するに「コズミックサイクラー」と「星空サイクリング」の関係は、「夢の途中」と「セーラー服と機関銃」の関係のようなモンである(謎

※3: 実はこの曲も「うる星やつら」のために書かれた曲ではない。小林泉美のソロの曲からの流用である。


インタビューを鑑みると分かるが、この人、ホンマ、実はラテン系の曲が大好きみたいで、「ラムのラブソング」なんかもデモ版を聴くと、実はもっとラテンノリが強い。
また、「幻の主題歌」になった「ラメ色ドリーム」(映画「ビューティフル・ドリーマー」で微かに劇伴として用いられている)はもっとラテン色が強くなっている。
しかし、それはテレビのOPに使われる事がなく、ビューティフル・ドリーマー公開後、うる星やつらのスタッフは総入れ替えになり、黄金期は終わるのである。
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