どうも個人的にはコーエーのゲームと日本ファルコムのゲームは肌に合わない。
「あれ、ゲーマーのクセに?」
と言われるかもしれないけど、残念ながら僕はゲーマーじゃない。
ゲーマーと自称するにはあまりにゲームがヘタクソなんだ(笑)。
だから「ヘタの横好き」の意見には全く耳を貸さなくてイイと思ってる。
言っちゃえば、ズブの素人の話なんざマジメに聞く価値はねぇからだ。自戒してるぞ?
いや、スーファミとかの時代だとな。「PCで有名なコーエーや日本ファルコムのゲームに憧れた」って事はあったよ?やっぱ有名なメーカーのブツって気になるじゃん。
特に、日本ファルコムは当時、セガと組んで「セガ・ファルコム」なる合弁会社を作った。当時の日本ファルコムは「家庭用(ファミコン)に参入しない」有名PCゲームメーカーの体をなしてたので(※1)、
「あの日本ファルコムがセガと組んだのか!」
とメガドラを羨ましがったくらいだ(まだメガドラを購入してなかった・※2)。
そう、あんまり家庭用ゲーム機に向けてゲームを出さなかったコーエーと日本ファルコムは、垂涎の的だったんだ。僕自身はゲームをマイコンやPCからスタートしたわけじゃなかったんで、殆ど「名前は聞くけど実態が分からん」ゲームを出す会社だったんだよな。
ところが、あとになってコーエーや日本ファルコムのゲームをやってみると
「大して面白くない・・・・・・。」
ってのが率直な感想だった。・・・いや、多分個人的な「趣味」に合わなかったんだよ。万人が面白い、と言うとすると、恐らく1万分の1くらいの確率で「面白くない」って感じる人間が、たまたま僕だったんだよな。AKB48やNMB48がどんなに人気だろうが、大してハマらない人間もたまにはいる。俺だ。
例えばコーエーのゲーム。僕が考える「シミュレーションゲーム」ってぇのは、どんなテーマでさえ「自由にプレイが出来る」プレイグラウンドを提供する事、だと思うんだ。
ところが、コーエーのゲームって恣意的なんだよな。何らかのタイミング、っつーのは歴史的な某、とかなんだけど、イベントが入る。「自由にプレイする、ゲームと言う前提」だとそういうイベントが「邪魔」だと思うんだわ。ある特定の「シナリオの流れ」を強制するなら「ゲーム」じゃなくて「映画」だろ、とか思うんだよな。スクエアのゲームに感じるアレだ。
例えば、マトモにプレイした事はないんだけど、ウィニングポストなんかもそんな感じだ、って話じゃん?「現実の世界で起きた競馬のイベント」に沿ってて、とか言う。その歴史を「強制ループ」する、とか。このアプローチはダービースタリオンとは大違いだよな。ダビスタには「実際に活躍した名馬」は登場するけど、あくまで「自由なプレイグラウンド」なんで、現実に「起こった」某を追体験する必要はない。だから僕はダビスタ派だ。
あと、「馬」に関しても、ダビスタの場合、開発者の薗部さんでさえ「何が起こるか分からん」ように作ってる、っつー話なんだけど、ウィニングポストの場合は「スーパーホース」っつー特殊パラメータがある、って話じゃん。そう、コーエーのゲームの「恣意性」ってのはこれなんだよ。「ゲームでどんなに努力しようと」あるシナリオに存在する「恣意性」があれば全部ひっくり返っちまう、っちゅう(笑)。
いや、だから、シムシティとかにドハマりしてた経験から言うと、コーエーのゲームは体裁はシミュレーションなんだけど、「全く違うナニカ」をプレイするカンジがするわけ。別のトコで書いたけど、「結果が一意に収束する」ってのに僕はあまり魅力を感じないんだ。
うん、別にコーエーのゲームのファンがどーの、って話はしていない。単にその辺の「コーエーの指針」ってのが僕には「合わん」ってそれだけの話なんだ。他の大勢の人が「楽しんでる」って事実は一人だけに存在する「違和感」でひっくり返るわけがない。ホント、「僕が」合わんだけだ。
日本ファルコムの場合はもっと単純だろう。言っちゃえばそもそも僕はアクションRPGに魅力を感じてない、ってだけの話(笑)。そう、日本ファルコムと言えばアクションRPG。そして僕はアクションゲームが苦手なだけ、なんだって(笑)。
なんだろうね、そもそも「アクション」が持つ生理的快感とか?ぶっちゃけ、マリオシリーズとかゼルダ的な「完成度」が無いと納得せんと思うんだよ。いや、アクション得意な人ってのは「全てのアクションを極めたる!」的なまた違った決意が生じるんだろうけど。でも「生理的快感を追求してる」って意味ではどの会社の製品だろうと任天堂のブツには敵わないんじゃないか、って気がするわけ。プログラム的に言うと「アクションの生理的快感を高める」ノウハウってのはそうそう簡単に得られないだろう、と言う。作りきれないだろう、っつーか。アクションゲームは作るのが元々色々とムズいんだよ。
そもそも往年の「動作処理がキツイ」パソコンでのアクション追求ってのに限界があるだろう、的な。つまり、「パソコンで何とか頑張った」ノウハウでも「より優れたグラフィック性能がある」家庭用ゲーム機だと特にアドバンテージにならんだろ、ってのがあったのね。PC上だと優れた技術でも家庭用に持ってくればそれほどでもなくなるだろ、みたいな。そうなるとネームバリューに反して、結局「ワンオブゼム」にならざるを得ない(※2)。
要は、スクロールガタガタで、アニメーションもガタガタなPC上で「褒められた」ゲームを家庭用に持ってきても「素晴らしい!」にはならんだろ、と言う。むしろ明らかに「劣った」ゲームになっちゃうだろ、って話だよな。往年の日本ファルコムが家庭用に進出するのを渋ったのはその辺実はよく分かってたんじゃないのかしらん。
まぁ、と言うのが「アクションRPGと言えば日本ファルコム」の僕の感想なんだけど。でも、「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」とか。要は「アクションRPGの日本ファルコムがフツーのRPGを作ってみました!」のゲームにも僕はハマらなかったんだよなぁ・・・途中で飽きちゃった。何だろね。
英雄伝説とか、人に拠っては「日本ファルコムのドラクエ」とか呼んでるみたいだけど・・・それほどかいな?分からん。
何だろ、これもセンスの問題なんだけど・・・。結局、シナリオとか色々と、僕の中だとダサい。なーんか、ハマらなかったんだよね・・・・・・。
と言うわけで、基本、僕は「日本ファルコム」って名前を聞くと敬遠する。どーもダメなんだ。
そんな中でプレイしてみたDINOSAUR(ダイナソア)。日本ファルコム製品とは距離を取ってた僕なんだけど、どーゆーわけかこれだけは面白かった。オススメ。日本4大PC用RPGに入れてもイイかもしんない。つまり、ソードワールドPC、エメラルドドラゴン、黒の剣、そしてダイナソア、と。
ダイナソアは良く「日本ファルコムとしては珍しいウィザードリィタイプの3D RPGだ」とか言って紹介されるんだけど、そもそも日本ファルコムってRPG自体をあんまり出さんだろ?最近は知らんが、往年だとそれこそ英雄伝説くらいしか無かったんちゃうの?ARPGをRPGに含める、ってのは間違ってると思うんだ。何度も書いてるけど、その辺は「TRPGを知らんヤツの妄言だ」と思ってる。
事実は違って、「日本ファルコムとしては珍しい(唯一の?)本格派RPGだ」ってのが正しいと思う。しかも面白い。うん、単に面白いんだ。
実際は、ウィザードリィと言うより(まぁ、「認知度」で、ウィザードリィの名前を出した方が分かりやすい、って事なんだろうけど)フィールドも3Dなんで、どっちかっつーと、規模は小さくてもマイト&マジックなんかの方に近いだろう。
グラフィックは当時の国産PCゲーム(1990年)としては美麗な方だろう。こういう辺りは「さすが日本ファルコム」と言える。っつーか、当時のPCの性能限界により「PCゲーのグラフィックは汚くて」フツー、って感じだったんで、描き込まれたキレイな絵を表示する事を工夫すれば、評価は上がったわけだよな(笑)。
ダイナソアは傑作ゲームと言って良い出来だとは思うんだけど、1作だけ、でシリーズ化しなかった辺り、ひょっとしたら「日本ファルコムのファン」にそっぽを向かれたのかもしんない。結果「知る人ぞ知る名作」の括りになっちまった(※4)。
あと、このゲームの特徴は、敵も味方もトランプのような「カード」的なモノで演出されてる、と良く言われてるが、その辺も個人的にはどーでも良い、と思ってる(笑)。そうじゃなくって、ダークでシリアスなストーリーってのがこのゲームの筆頭と言える特徴だろう。言っちゃえばソードワールドPCやエメラルドドラゴンより「黒の剣」の方に雰囲気は近い。
あと、このゲームは同年米国で発売されたWizardry BCFと同様に、冒険の途中でキャンプして回復する事が出来る。宿屋に泊まらんでエエんだ。
このキャンプでの回復、ってのがEnterキー長押しで、この回復途中で敵にエンカウントする事もある、ってのもBCFと同じ。いや、真似ってワケじゃないし、それこそそういうシステムはAD&Dで1988年に紹介されてたわけで、言い換えると割に新しい米国産のCRPGの流行や、TRPGを良く研究したんじゃないのかな、と思う。
また、「xをすればyが起こる」と言うフラグの立て方も見事だ。ボーッと3D迷路を歩いててもしょーがなく、ある程度ハッキリとした指針を持って行動せな詰まる可能性も高い。その辺のシナリオ構成っつーか、プログラミングもひょっとしたらBCFなんかより高度かもしんない。
とことんプレイヤーを楽しませよう、と言う挑戦的な姿勢がいい。
ダイナソアは現在、ProjectEGGにて公開中。超オススメ。
※1: 実際は単に資金力が無かっただけ、だろう。任天堂のライセンシーになるには、多額の契約料を払わなアカンかったから、だ。
※2: ちなみに、この「セガ・ファルコム」と言う企画(合弁会社)はあっと言う間に失墜して消失する。原因は恐らく日本ファルコム側にはなくセガ側だろう。何故ならセガなら必ずやらかすから、だ。
アホか。
※3: 実際、よく考えてみると、パソコンで評判を取った「伝説のゲーム」が家庭用に移植されてダントツで売れた、って例はあんまない、だろう。だからパソコンでの「リーディングカンパニー」は家庭用に来ると大したメーカーにはならない。
逆に、特に往年のスクエアが顕著だったんだけど、「パソコン市場でトップメーカーとは捉えられなかった」メーカーの方が家庭用に来ての成功例がある、って事の方が、若干にせよ、多い。もちろん、家庭用に来て「消えちゃったメーカー」の方がもっと遥かに多いんだが。
※4: 実は生粋の日本ファルコムの血筋のゲームじゃない。ゲームデザイン/プログラミングは富一成って人でクソゲーRPG「夢幻の心臓」を作った人だ。さすがに数年経ったら「ドラクエのお陰で」RPGの作り方が分かったらしく(笑)、本作は(エンカウントのバランスが悪い、と言う評価もあるが)前例があるにせよ、TRPGで流行ってた「スキル制システム」を組み合わせた「どこからも文句が出ようのない」本格RPGとなっている。
この人は日本ファルコムに合流する前には「夢幻の心臓」を制作・販売した「クリスタルソフト」にいたみたいで、このゲームは結果として「クリスタルソフトの血が流れた」日本ファルコムの製品となった。その辺がひょっとしたら「生粋のファルコムファン」とはウマが合わなかったのかも。
なお、この2年後に出たRPG、ゲームアーツの「Lunar」(メガCD用ゲーム)もこの人が中心になって制作されている。僕が日本製のコンシューマ用RPGで一番好きな作品が、メガCDのLunar及び続編のLunar Eternal Blueなんだけど、アレだけ腐した「クソゲー」夢幻の心臓の製作者が作ったRPGがマイフェイバリットになってんだから、我ながら面白い(笑)。