■歴史ある美術館の最後の展覧会。
鶴岡八幡宮の平家池から見えるこの建物、ご存知ですか?
1951年につくられた、日本初の公立近代美術館です。
この歴史ある美術館で、“最後の展覧会”が開催されています。
「鎌倉からはじまった PART3 :1951-1965 「カマキン」最後の展覧会」。
閉館を惜しむたくさんの方々で、チケット売り場には長蛇の列ができていました。
(大谷石でつくられた1階部分。)
今回の閉館は、今年で鶴岡八幡宮と神奈川県の土地貸借契約が切れること、また建物の老朽化がすすむ一方で鶴岡八幡宮境内では史跡にそぐうもの以外の現状変更が認められず改修不能であるためなのだそうです。残念ですね。
■美しい建築 ーテラス・中庭
印象的なこの建物は、ル・コルビュジェに師事した故・坂倉準三氏によるもの。(パリ万博日本館や、岡本太郎記念館、小田急百貨店本店なども設計されています。)
なんといっても美しいのが、このテラス!
時間帯によって変化する、池からの反射がとても美しいです。(時間を忘れて見入ってしまいます…)
私はこの日は昼ごろに伺いましたが、天井いっぱいに水面の反射光が映り込んでとても美しい時間帯でした。
テラスには、李禹煥や内藤礼らの作品も展示されています。
一方、中庭にはイサム・ノグチによる彫刻なども展示されています。
(「こけし」/ イサム・ノグチ)
中庭の陽だまりにぴったりな可愛らしい「こけし」は大人気。絶え間なく多くの方が一緒に記念撮影をされていました。
(こけしの横で、ル・コルビュジェ&坂倉準三と同じ位置で撮影ができる撮影スポットも!)
中庭の壁にあるレンズ状のガラスからも美しい光が入り込みます。
開館当初は展示室にも天窓があり、天井から取り入れた自然光で絵画作品を見ていたのだそうです。(当時の建築模型や写真は、今回の展覧会の中でもみることができました。 )
かつての学芸員室にあたる中三階も、今回の展示で初めて公開されています。
たっぷりと日差しが入り込み、カフェも見渡せる素敵な空間です。
■これからどうなる…?
さて、こんな素敵な建築の美術館ですが、これからどうなるのでしょう?
まず、今回閉館となるこちらの”鎌倉館”は、取り壊し予定でしたが、惜しむ声が多く、建物自体は残されるということです。
一方で、耐震性の問題で2007年から展示を中止している”別館”については、取り壊し予定とのこと。
この本館から少し歩いた所にある”鎌倉・別館”は、今後も”常設展”の美術館として利用されるそうです。
(神奈川近代美術館・鎌倉別館)
これからの”企画展”は、葉山にある”葉山館”が引き継いで行くそうです。
(葉山館。こちらも海がよく見え、大変美しい美術館です。)
これまでに足を運ばれている方も、初めて知った!という方も、とても素敵な場所なので、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
展覧会は1/31(日)までです。
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■DATA■
■鎌倉からはじまった。PART3「カマキン」最後の展覧会 @神奈川県立近代美術館
会期:2015年10月17日(土)〜2016年1月31日(日)
休館日:月曜日(ただし11月23日、 1月11日は開館)、12月29日(火曜)~1月3日(日曜)
時間:午前9時30分~午後5時
観覧料:一般1,000円
無料開館日:11月3日(火曜・祝日)
「鎌倉近代美術館(略称:カマキン)」として長く愛されてきました鎌倉館での最後の展覧会となるPART3では、1951年の美術館誕生から1965 年までの15 年を取り上げます。
佐伯祐三、萬鉄五郎、古賀春江、松本竣介など
今まで非公開だった、中3階の元学芸員室にも入れます。
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