この著者の本は初めて読んだ。私にとって身近な房総が舞台というのも手に取った理由だ。
なぜ、房総なのか。私は、学生時代に房総半島をクルマで一周分はしている。さらにオートバイで横断と半周程度はしていると思うが、あまり印象に残っていない。だから、読んでみたいと思った。だが、昔の房総のイメージしかない私には、しっくりくるのは冒頭の海女の物語である「イン・ザ・ムーンライト」くらいで、他の短編の、翳った人生や、男女の機微、リゾートっぽい風景がイメージと合致せず悩んだ。だが、房総をずっと背景に遠ざけると、物語に入っていけた。(どういう境地だ、これは(笑))
13の短編からなる作品だが、ほとんどカタカナのタイトル。登場するのは、すこし陰のある男女で、地元の人間であったり、都会から来た者であったりする。海と丘陵地が舞台の房総に吸い寄せられるようにしてやってきた人間の機微、男女の綾と言ったらまとめ過ぎだろうか。
家計のためヌードモデルになる女性の健気さ、別れるために海辺のホテルに来る男女、落ちぶれたジャズピアニストの恋、薄幸の婦人の庭作り、夫と決別する女など、テーマは現代的である。脇にも、様々な人生を背負った人物が現れる。どの作品も流れるように展開し、繊細である。洒落たイメージと人間臭さが適度に混ざり合って物語を紡ぐのは、やはり、独特の土地のなせる業だろうか。多様な人生模様、男の、そして女の性(さが)が、海辺の町に、時に妖しく織られていく様子が哀感をともなって迫るものがあった。
ここのところ、忙しく乾いた毎日、家に帰ればPCと向き合いっぱなしの生活で、久しぶりに物語りの楽しさを味わった気がした。
なぜ、房総なのか。私は、学生時代に房総半島をクルマで一周分はしている。さらにオートバイで横断と半周程度はしていると思うが、あまり印象に残っていない。だから、読んでみたいと思った。だが、昔の房総のイメージしかない私には、しっくりくるのは冒頭の海女の物語である「イン・ザ・ムーンライト」くらいで、他の短編の、翳った人生や、男女の機微、リゾートっぽい風景がイメージと合致せず悩んだ。だが、房総をずっと背景に遠ざけると、物語に入っていけた。(どういう境地だ、これは(笑))
13の短編からなる作品だが、ほとんどカタカナのタイトル。登場するのは、すこし陰のある男女で、地元の人間であったり、都会から来た者であったりする。海と丘陵地が舞台の房総に吸い寄せられるようにしてやってきた人間の機微、男女の綾と言ったらまとめ過ぎだろうか。
家計のためヌードモデルになる女性の健気さ、別れるために海辺のホテルに来る男女、落ちぶれたジャズピアニストの恋、薄幸の婦人の庭作り、夫と決別する女など、テーマは現代的である。脇にも、様々な人生を背負った人物が現れる。どの作品も流れるように展開し、繊細である。洒落たイメージと人間臭さが適度に混ざり合って物語を紡ぐのは、やはり、独特の土地のなせる業だろうか。多様な人生模様、男の、そして女の性(さが)が、海辺の町に、時に妖しく織られていく様子が哀感をともなって迫るものがあった。
ここのところ、忙しく乾いた毎日、家に帰ればPCと向き合いっぱなしの生活で、久しぶりに物語りの楽しさを味わった気がした。
乙川優三郎著『トワイライト・シャッフル』新潮社、2014年6月刊.★★★☆
今年1月にチェロを弾き始めて、今に至っています。
若いころ楽器を触ったことがない無い身であるため、無謀とは思いましたが、貴ブログを拝見して知った言葉「Never too late!」を信じて練習を続けております。
チェロ初心者の参考になるようなノウハウを記事の中で披露して下さると幸甚です。
ご愛読ありがとうございます。
若い頃楽器に触れたことがなくても無謀とは思えません。誰でも、いつ、どこで始めてもよろしいのかと。
音楽との関わり方もひとそれぞれ。誰もが「チャイコフスキー・コンクール」を目指すわけでも、目指さなくてはいけないわけでもないので、私としては、現状で十分です(笑)。
始めようと思ったその時が好機です。恐らく、現在も楽しく進められていることと思います。技術を覚えていく、馴染んでいくのが楽しければそれがいいと思います。それがチェロだった、ということですね。決して、進歩の速い子供や若い人を羨んではいけません(笑)。
私は気が多い方で(笑)、チェロ以外のことにも多種(笑)首を突っ込んでおります。また、長年の初心者状態も飽和状態に達し、技術的なことは書け(書か)なくなってしまいました(笑)。万年初心者がお教えできるようなことは何もありませんが、悪例はいくつもあるので、その都度、お披露目できれば多少なりともお役にたてるのではと。
最後になりますが、先生についていらっしゃるのでしょうか?適切な教師につくのも、楽しみを増す方法だと思います。
これからも、どうぞお楽しみください。