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『国産カメラ図鑑』を開く

2020年05月16日 | 折々の読書
 
『リッチレイカメラの思い出』は、COVID-19の影響で図書館等の資料が利用できないため後日改めて調査し直す予定なのですが、5月14日付で緊急事態宣言が部分的に解除されたものの東京をはじめとする特定区域についてはまだ先が見えない状況です。例え、解除されたとしても段階的でしょうし、高齢者ですからより慎重にならざるを得ません。しかし、自分のカメラの素性を早く知りたいという気持ちは日ごとに強くなるばかりです。

そこで、一大決心をしました。必要な資料は買って読む。
2016年に「日本航空機工業松戸製作所」について書いた時もそうだったように、特に高価でない限り手元に集めようと決断しました。あまりのんびりはしていられません。
まず最初に買ったのがこの本です。この中にリッチレイ・カメラがあれば大変参考になるはずです。


この本は驚異の本です。日本で生産された幕末から1980年代前半頃までのカメラが収録されています。すべて同一アングルから撮られた実機のモノクロ写真と簡単な説明が入ります。クラシックな箱型のカメラから近代的なカメラのパレードは壮観です。オモチャのカメラからレントゲンカメラ、軍用の偵察用カメラ、ガンカメラまで収録されています。これらの写真機が日本で生産され、海外にまで広がっていった壮大な物語を見るようです。
そのような図鑑をまとめ上げるには並大抵の努力、労力ではできるものではないでしょう。まさしく、労作であり大作です。編者の熱意と努力には脱帽する他はありません。

ただし、私が持っているリッチレイカメラについては、スタートカメラなども含めて何点か収録されていますが、同一のものはありませんでした。無数と言ってもよいほど町工場で生産(あるいはコピー)され、一世を風靡し海も渡りましたが、その後は見向きもされなくなった豆カメラですから当然かも知れません。粗悪品も含めて、大量に作られ捨てられていったようです。私のカメラは傍流のまた傍流なのでしょう。
まあ、収載されていないという事実からそういう存在であることがあぶり出されるのも、こうした図鑑があればこそです。このような網羅的作業のお陰で単なる想像が歴史になっていくことができると言えば大袈裟でしょうか。


とは言うものの、今は曝書を兼ねてページをめくりながら紙上の写真機を愛でています。
私の書棚にまた重量級レファレンス・ツールが加わって、ますます棚板が撓みそうですが(笑)、この本で、見直し作業がいちだんと進みそうです。

すぎやまこういち、直井浩明、ジョン・R.ブロック編『国産カメラ図鑑』ザ・クォータープランニング(発売:朝日ソノラマ)、1985年1月、A4横版、313p. 〔書名は奥付及び箱の背文字による。表紙、箱の書名は、THE COLLECTOR'S GUIDE TO JAPANESE CAMERAS.〕


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