かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

絡まった糸

2012年03月23日 | 好きなもの
子供のころ、糸電話を作って弟と遊んだことがある。
部屋を隔てて電話できるように、糸をめちゃくちゃ長くしたら、遊んでいるうちに、どうしようもなく糸が絡まってしまった。

その毛玉のように絡まった糸を、夕食時に父がほどいてくれた。

家族一同、父のその根気強さに感嘆し、賞賛した日のことは、今でも忘れない。


何か、没頭できる手仕事がしたくなって、手ぬぐいに刺し子をして、台所の布巾を作ってみることにした。

幾何学模様の図案を正確にきれいに描くのは苦手。
でも、下書きがすでにしてある刺し子キットというものが手芸店にあって、それを購入。

刺し子用の糸は、ブルーとグリーンがグラデーションになっているものを選んだ。


ところが、仕付け糸とか刺繍糸とかもそうだけれど、1本が束になった状態で売っていて、自分で糸巻き状になおそうとすると、とんでもないことになる。

母の裁縫箱には、毛玉状態の刺繍糸がいくつもあった。


慎重に糸をほぐしながら、父が糸電話の糸と格闘していた日のことを思い出していた。
アタシにだってできるはず。
やはり、子というものは、親を見て育っていくのかもしれない。


人間関係は、こんなふうに複雑にからまって、ほぐしがきかないような状況になるのは避けたいものだ・・・などと考えながら、小一時間かかってようやく、(糸もアタシも)途中で切れることなく、無事巻きなおした。


実は、こういう束状の糸は、こんな苦労をせずとも、上手に使えるようにする方法がある。
端布で糸をくるんで留めて、束の一箇所をパツンと切ると、適当な長さの1本がすっと取れるようにできるのだ。
帯教室では最初に、仕付け糸をそのようにしてもらった。

先生に、もう一度ちゃんとやり方を教えてもらっておこう。

さて、今晩は当直なので、ぽつぽつと縫っていってみようかな。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 同級生 | トップ | 怪獣のいた夜 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

好きなもの」カテゴリの最新記事