この年になって、今までに全く経験したことのないことを体験したり、見たことのない世界を見られるというのは、大変嬉しく、エキサイティングなことだ。
職業柄、これまで医療ドラマはほとんど見ないようになった。
日本のテレビドラマだと、いい加減なところについ目がいってしまうし、海外ものだとリアルすぎて、一緒に仕事をしている気になってしまって疲れるし、やたらと職場恋愛が多すぎてバカらしくなることもあるからだ(笑)。
なにより、現実逃避できる映画やドラマの世界にまで、日常の現場を思い出させられたくないという気持ちもある。
そんな医療ドラマに、出演した。
もちろん、エキストラとしてである。
まだ撮影は始まったばかりで、口外禁止令が出ているので、詳しいことは書けないが、ドラマの撮影現場というものを目のあたりにして驚くことがたくさんあった。
まず、リアルさの追求。
撮影場所は実際の病院であるので、当然ながら医療機器などは本物を使っているのであるけれど、電子カルテはもちろん、そんな細かいところ見えへんやろと思われる医局の壁の貼り紙一枚に至るまで、ドラマ用に作られたものを使っているのだ。
カンファレンス風景などでは、実際にはどんな感じに行われているかなどについて、意見を求められた。
また、全く医療知識のない俳優さんたちに、撮影の合間にプチレクチャーをしたり、受動喫煙の危険さや、最近のがん治療の進歩などについてもお話できて楽しかった。
感心したのは、本当に数多くのスタッフが撮影には関わっており、細かく仕事が分担され、それぞれが自分は何をすべきかを理解し、またそれを統括する人もいるわけで、お互いを尊重し合ったうえで成り立っている組織力という点では非常に見習うべきものがあると感じた。
そのなかで、俳優という仕事も組織のなかの歯車に過ぎないのだということも納得した。
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