そもそも、タバコを吸ったときの感覚を、「おいしい」と、味覚に置き換えて表現した最初の人は誰なのだろうか?
考えるに、おそらく、広告会社の人間ではないだろうか?
「その薬を飲むと、タバコだけじゃなくて、食べ物もおいしくなくなるんですか?」
禁煙講話で、聴講者から禁煙補助薬チャンピックスについて質問されて、ふと考えてみたのだ。
美味しいとか不味いとかいう味覚は五感(他は、嗅覚・視覚・聴覚・触覚)のひとつ。
味には基本の五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)というのがあって、主に舌に分布している味蕾に化学的刺激がおこって、それが脳へ神経伝達されている。
タバコを吸ったときの感覚は、正確に言えば、この味覚という感覚によるものではない。
喫煙者(ニコチンに依存している人)は、煙(加熱式タバコの場合はエアロゾル)に含まれるニコチンが、脳内の受容体に結合し、ドパミンが放出されたときに、「快感」を感じている。
その「快感」を、人はそれぞれ、「スッキリ」「ホッとする」「落ち着く」「ガツンとくる」「気力がわく」「シャッキリする」等々、表現しているのである。
このように、タバコを吸ったときの感覚を、精神的な変化として着目、表現すると、「薬物」としてのイメージが強くなる。
初めてトライするには、少し躊躇するかもしれない。
でも、いったん「味」という言葉で表現してしまえば、だれでも気軽に「ちょっと味見」しやすい。
実際に子どもたちは「どんな味がするのだろう?」と興味を持っている。
嗚呼、なるほど、そういうことか!
最初に考えついた奴、スゴイなっ!
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