かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

そんな言い方、もうやめましょう。

2011年10月04日 | お医者さんの一言
そうか…タバコが値上がりされてから、もう一年たつのか。

去年の今頃は、禁煙する人が全国的に爆発的に増えて、禁煙補助薬のチャンピックスの供給が追いつかなくなったなんて騒動があったんだっけ。

小宮山大臣がタバコ増税推進派だとか、フィリップモリスの社長が値上げOKと発言したりだとか、最近またネット上でも禁煙の話題が目立つ。


けれど、どうしても気になって仕方がないのが、「愛煙家」や「嫌煙家」という言葉使い。

これは、どうしても無くしたい名称だ。
マスコミには、こんな言い方してもらいたくない。


喫煙はニコチンによる薬物依存症という「脳の病気」であることは、だいぶ人々の知るところとなった。
毒ガスそのものであるタバコ煙を「かぐわしい」と認識させてしまうのが、依存症という脳の病気なのである。

だから、依存症でない人(非喫煙者)であれば皆、毒ガスは不快で危険なものと認識されるはずで、「嫌煙」して当たり前なのである。

生まれつきタバコが好きな人などいないし、この世の中に、特別タバコが嫌いな人がいるわけでもない。



喫煙者が禁煙に成功したかどうか、つまり、ニコチン依存症という病気が完治したかどうかの判断は、タバコ煙を不快に思うようになったかどうかで判断できる。

たとえ、何ヵ月も、何年もタバコを吸っていないとしても、タバコの香りがかぐわしいと感じる人は、喫煙を脳の病気としてとらえるならば、完治していないかもしれない、といえる。


「人が吸うタバコの匂いは臭いと感じます」という人は、依存度が低いのかもしれない。

依存度が低い人では、直接喫煙したときは、ニコチンが速やかに、かつ強烈に快感中枢を刺激するが、漂ってきたタバコ煙では快感中枢への刺激が不十分で、正常な認知ができるので、非喫煙者と同じように、タバコを臭いと感じるのだ。
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