先日、親戚に不幸があった。
碧音は、親戚とは疎遠にしている。
碧音の両親と同じく、親戚も、
何でも言うことを聞く子供の頃の
碧音と同じように軽く扱う人が
多いからだ。
このことに気付くまでに、
何十年もかかった。
そして、今回、初めて、
親戚に反抗することになる。
つまり、参列しないという
意思表示をしたのだ。
ちなみに、今、親戚で碧音の
連絡先を知っているのは、
実家を継いだ叔父だけである。
妹を含め、それ以外の叔母たちは、
一切、連絡先を教えていない。
妹には一つだけメアドを教えてある。
電話番号は教えていない。
これだけでも楽になった。
実家を継いだ叔父に教えておけば、
他の家に嫁いだ叔母たちに文句は
言えないだろうと考えたからだ。
つまり、叔父を味方にした。
だからと言って、仲がいい
わけではない。
叔母たちに比べると、若干、話が
通じる程度の違いしかない。
男尊女卑の考えが強めなのは
全く変わらない。
そして、今回の修羅場は、
ここから始まる。
今回亡くなった義理の叔父家族は、
かなりの田舎に住んでいる。
葬儀の食事などは、その地域の
女性たちが作るのだ。
つまり、参列する場合、参列者と
して振舞われるのではなく、
手伝いで使われる立場である。
精神的に不安定になっている
状態で、そんなことができる
とは思えない。
ただ、叔父の圧がすごいのだ。
恐らく、叔母から碧音が来ない
ことを責められたのかもしれない。
だが、碧音の両親の葬儀の時、
従兄妹たちはお香典を現金書留で
送ってきただけだ。
それと同じように、うちも、
お香典を送るだけにすると意向を
伝えたが、人手がいるのか、
叔父は食い下がる。
仕方ないので、うちとは、元々、
必要最低限のお付き合いで、
冠婚葬祭以外で顔を合わせる
こともなかったこと(従兄妹達の
結婚式も両親のみ)、両親のときも
お香典を送っただけの従兄妹達と
同じようにお香典だけ送りますと、
こちらの意向を、改めて、伝えた。
親戚にすると、初めて、自分たちの
思い通りに、碧音を動かせなかった。
今まで、困った風を装えば、碧音は、
渋々でも手伝っていたからだ。
それでも、しつこくされたが、
他の従兄妹たちは参列しなかったのに、
なぜ、うちは参列して手伝いに参加
しなければならないのか説明を
求めたが、家族だからの繰り返しだ。
というか… 碧音は家族ではない。
個人からすれば、ただの義理の姪だ。
そこまでの不義理ではないと思うが、
これまでの行動が、このようなことを
招いてしまった。
この年からでも、きちんと境界線を
引かないといけないと感じた一件だ。