風のたより #146 千葉甫 2020-01-20 13:55:17 | 短歌 遠退いて行くサイレンの聞こえなくなるまで耳で追う闇の中 雑談の最中にふっと零れ出た言葉で彼女の年齢を知る 三ヶ月先のことなどどうなるか判らぬからと慰めてみる
風のたより #145 千葉甫 2020-01-18 13:56:38 | 短歌 長く名を馴染んだ人らの訃の記事の続いて今日も陽ざしが寒い 口にする者なく過ぎた誕生日それでも一つ齢の重なる 会話の間延びて手をやる顎の先ざらつく髭を剃り忘れたか
風のたより #144 千葉甫 2020-01-16 13:56:22 | 短歌 元日に今年も届いた年賀状もう会えないかも知れぬ人より 購ってきた博多雑煮を温めていささかなりともおふくろの味 初夢は何か楽しいものだったような余韻がある目覚めれば
風のたより #143 千葉甫 2020-01-14 13:58:51 | 短歌 伸びすぎてしまった足の指の爪切って今年も残るは三日 カレンダー掛け替えて聞く新しい年へと進む秒針の音 元日のまだ昼前に早々と今年最初の失策をする
風のたより #142 千葉甫 2020-01-12 14:02:24 | 短歌 駐車場に点る灯りとわが窓の間に暫し佇んだ影 訪れて来るだけだったつきあいのいつか途切れて春夏秋冬 顔冷えて覚める真夜中過ぎの刻(とき)電気毛布の目盛りを上げる