かなしみは しづかに たまつてくる
しみじみと そして なみなみと
たまりたまつてくる わたしの かなしみは
ひそかに だが つよく 透きとほつて ゆく
こうして わたしは 痴人のごとく
さいげんもなく かなしみを たべてゐる
いづくへとても ゆくところもないゆえ
のこりなく かなしみは はらへたまつてゆく
***
おばちゃんたちの理解者であり
おばちゃんHの大切な友人Mちゃん先生が
以前、おばちゃんHに送ってくれた八木重吉の詩である
幾度も頭に浮かび
おなかの底のほうで効いてきている
おばちゃんたちのたからもの
エイズなじぃさん猫だいちゃん 永眠
毎日よくがんばったね
いっぱい、いっぱい、楽しかったね
ひとりで逝くなよ、て約束
ちゃんと守ってくれて
いつものおばちゃんHの抱っこ中
ずっとおばちゃんの顔を見上げたまま
呼吸も心拍もゆっくり静かに小さくなっていったよ
はいよ、だいちゃん
大丈夫、
だいちゃんの言いたいことはわかっているよ
ありがとう
きっとまた、会おうね