スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
(当ブログに掲載している文章や画像など、無断転載することはご遠慮ください)

スロバキア議会選挙

2016-03-07 | スロバキア2016
この週末、スロバキアでは議会選挙が行われました。
我が家を含め、ニュースを見ていても今回の選挙は国民の関心が特に高かったように思いますので、少し書いておこうと思います。ただし、私は専門家ではないので、偏った知識、間違った記載等あるかと思いますがご了承ください。(ご意見、歓迎いたします)

こういうことを軽い気持ちでやり過ごさないマルツェルは新聞や各政党からのパンフレット、テレビ討論等しっかり吟味し、ここ数週間悩みに悩み、(マイナー政党を支持しても議席が取れなければ自分の一票が無駄になると)家族や友人、知人がどの政党に投票するか探りまで入れ、そして「もしもこの党(極右)が5パーセント以上の票を獲得したら(5パーセント=議席獲得を意味します)スロバキア国外に出る」とまで言い臨みました。

結果は色々なサプライズを含みつつ、与党が第一党の座を守ったという(私たちには)残念な結果になりました。
難民問題への対応、そしてやはりスロバキア北部、東部の支持率が高いことを見る限り、低所得者の支持を多く集めたのでしょうね。

スロバキアの現与党は社会民主主義、左派です。2年前の大統領選でチェコとスロバキアの分離独立以来初の共産党とは無縁の大統領が誕生しました。(過去の記事はこちら①スロバキア大統領選挙②スロバキア新大統領)彼の存在は大きく、スロバキアの歴史に大きな変化(国民の意識にも大きな変化)をもたらしたのには間違いありませんが、実際、スロバキアの大統領というのは日本でいうところの天皇陛下、国家の象徴であり、政治に関しての実行力がほとんどありません。ですので今回の議会選挙で政権が変わるか、国民の関心を大きく集めたわけです。

さて、スロバキアの国民議会の議席は150席だそうです(結構少ないのですね)。今回の選挙で与党(スメル/方向党・社会民主主義)が28.3%の票を獲得し、一位となりましたが、過半数を超えないと政権獲得とはなりませんので、(30日以内に)他党と連立する必要があります。しかし、この連立交渉は苦戦する見込みとのこと。ここにまだ希望はありますが、一方の野党の中身もマルツェルの恐れていた極右党が8%だったり…と、連立の可能性のありそうなところをざっと合わせて計算しても過半数に数席足りないのだとか。どうなるのでしょうね。

マルツェルは何事も最悪の事態を想定して行動するタイプなのですが、マルツェルの懸念することが下記のNHKニュースでも触れられていました。フィツォ首相率いるスメルは難民受け入れを拒否しています。今年下半期にスロバキアはEUの議長国になる予定ですがこれで上手くまとめて行くことができるのでしょうか。EU内で2分するのではないかという声もあるのだそうです。そしてもしEU内で2分されるようなことがあったのなら、スロバキアはEU内の東西に分類されることに違いないでしょうね。そうなったらせっかく西欧へ自由に行き来することができるようになったスロバキアですがまた厳しくなるのでは・・・と少し極端ですがこんな心配もあるそうです。

EUはスロバキアのようなヨーロッパの小国にとっては有益な組織だったように思います。地方自治体、学校、一般企業(例えば社員の外国語教育)から古い集合住宅の修繕までEUからの助成金を受け、今日のスロバキアがあるように私には見えますが、国内が不景気になり、そしてEU内で今回のような難題、難民問題などが浮上すると協力することに不満の声が上がる。当然ですが国力に差があり、思想も異なる国々の連合は難しいですね。

どうなるのでしょう、全くの素人の私から見るとスロバキア議会、あっさりフィツォ首相の手には渡らずまだ何でも起こりそうな気がしてしまいますが、大どんでん返しってあるのでしょうか。

詳しい結果はこちら→SME.sk
日本語のニュースはこちら→NHKロイター

そうそう、極右の獲得票数が8%を超えてしまいましたが、たぶん国外には引っ越さないでしょう。外国人の私を思ってのマルツェルの言葉ですが、私はまだスロバキアにいたいですから。


post a comment