ハラハラしながら女性を待っていると
夜まで帰らないと言っていた女性が
夕方には帰宅してきた
父が流石に心配になったのかと
この時は
そう思った
とにかく
何処でもいい
病院へ連れていかねば
保険証を出して欲しいというと
父の財布も一緒に持ってきて
妻である自分が病院へは連れて行く
という
そして父の目の前に財布を広げて
中身を見せるようにして
お金はここから出すのだと
笑いながら父に言い
無反応の父に
急にボケたかという
言い方には
ムッとしたが
ワタシと息子が
ずっと父に寄り添っていたことを
何故か労うようなことも言い
戸惑うワタシ達に
病院へは行きますから
自宅で女性からの連絡を待つように
説得され
この時初めて
女性の携帯番号を聞いて
直ぐに
かかりつけの病院でもいいからと
お願いをして
不安ながら
自宅へ戻ることにした
自宅に戻り
兄にそのことを伝えて
父のこの頃の
最近の様子を
色々考えたり
思い出したりしていたら
はっ
と思い出したのは
少し前
父は
ゴルフ場でコースを回っていて
かがんだ時に脱げた帽子を拾い
ひょっと被った
その時に
雷でも頭に落ちたかと思ったら
別のグループで回る人が打った
ゴルフボールが
ガツーンと父の頭を直撃したそうで
一応
脳外科で検査をしても
以上はなく
大事にはいたらなかった
と
その話を
面白可笑しくワタシに話して
ヒヤヒヤしながら
ワタシを笑わせたことがあったことがあったのだった
あ、
そうだ
頭の中で
何か起きたのかもしれない
内科より
脳外科へ行くように
伝えなきゃ
と
ワタシは女性に電話をかけた
つづく