179「海」

ちょっと大きくなるまで、海では浮き輪で泳いでいました
せっかく海に行っても、海面しか見ていなかったんです。

海面の下の世界が、どんなに面白いか全然気付いていませんでした。


大人になってから、水泳を習いました。泳ぎ出したら面白くなって・・。

それでも、当時泳ぐのはプールの中のみ。

しおで濡れた体はべとべとして気持ち悪いし、湘南の観光ビーチは人とゴミで一杯

それでも・・意を決して海に出かけ、ビーチの近くの駐車場に車を停めて、海の家に行き、荷物を預け、着替えて、パラソルを借りてビーチのベンチに座る頃にはもう軽く１万円は吹っ飛んでいます

・・・・海って、嫌い

そう思っていました。

初めて沖縄の海に行った時・・その頃は青春真っ只中の真っ赤なビキニのお嬢さんでしたから（ｗ）、髪がボサボサになってまで海にもぐるなんてもってのほか

ビーチでごろごろしてました
案の状、帰りの飛行機の中ではビキニだけじゃなく、顔も体もマッカッカ！
鼻の頭もむけてひどいことに・・・

・・・だから海って嫌い

しばらくして沖縄の宮古島に行った時。
初めて海の中に目を向けました

そして、１発でハマッテシマイマシタ

こんなに海の中ってきれいなんだ・・・
こんなにおもしろい生き物がいるんだ・・

それからずっと海がスキです

海の中の生物は、陸上に上がって進化してきた生き物のように重力の影響を受けにくいので、すごく面白い形をしているものもあります。

簡単に行くことができない海の中・・・特に深い海の中は、行かれるようになった（ほんの１部の人ですが）のが、ここ数十年のことですから、まだまだわからないことがいっぱいあります。

海ってこんなに広いんですもの、もしかしたら、まだ誰の目に触れていない生物が、今も、この瞬間も、悠々と海を泳いでいるのかもしれません。

私がよく行くサイパン・テニアンの海は、とてもきれいで「自分ってちっぽけだなぁ」と、人生観まで変わりそうです。
「宇宙に出ると、宗教観が変わる」といいますが、そんな感じです。

人は何の力も借りずに空を飛ぶことは出来ませんが、テニアンの透明度の高い海に浮かんでエメラルド色の海底を見つめると、まるで地上５・６階の高さの空を飛んでいるようなんです

こんな体験が出来る自分が、自分から見てもうらやましい（ｗ）



以前の話です

小さな子が私の前に来て、そこにいたかわいいアメフラシを見ていたんです。
その子は急に顔を上げて私の顔をじっと見つめると・・

「なまえ・・なまえ、なんていうの」と、私に聞いてきました。
「え？なまえ?・・・あの・・ちづちゃんです」

急になまえを聞かれたので、その子の質問にまじめに答えてしまったんですが、良く見たら・・・

その子の指は、目の前のかわいいアメフラシをさしていました（ｗ）