昨年、スケーリーフットワークスが出展した「博物ふぇすてぃばる」
これに参加された方の記事で、こんなのを見つけてビックリした!!
私の「ヒレナガチョウチンアンコウ」のTシャツのことがかいてあったのだっ!!だっ!だっ!だ===!
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「博物ふぇす」で、編集者としてキビシク反省する
近藤隆史[空想科学研究所 所長]
2019/07/26 18:16
出版社で働いていた頃、何度も「作った本が売れない」という経験をした。
その多くは、内容がダメだったというより、読んでほしい人に届かないうちに返本されてしまう……という感じだった。
暗闇に石を投げ込んでいるみたいに、まるで手応えがないのだ。
そんな体験と対照的なのが、科学博物館で開かれる「博物ふぇすてぃばる!」である。今年は7月20日と21日に開催された。
僕が「博物ふぇす」に行ったのは2回目なのだが、そこはモノスゴク楽しい場であると同時に、編集者だった頃の自分がどれほどズレていたかを思い知らされる空間だ。
「博物ふぇす」では、自然科学に関するさまざまな研究の展示とか発表とか物販が行われている。とても乱暴な言い方をすると、コミケの科学版。
一日中混雑している会場には、一筋縄ではいかない人々が集っている。
そこで売っているのは、ヒレナガチョウチンアンコウを描いたTシャツであり、さまざまなコウモリのストラップであり、鳥獣戯画のおくすり手帳であり、カンブリア紀の古生物を描いた花札なのだ。普通のものが一つもない!
そうかと思えば、オニオコゼやムツゴロウの骨が展示してあったり、ウシガエルの釣り方を解説する人がいたり、「金属うんちを持つエビ」を顕微鏡で見せてくれたり、蝶の幼虫やゾウムシを腕に這わせてもらえたり、メンダコのシューティングゲームが体験できたり、ネジの説明をしているおじさんの周囲に人が集まっていたりする(実は「ネジのかんざし」などを売っていたのだが、どう見てもただのネジ!)。
こういうブースが200くらいあって、どのブースにも人がいて熱心に会話している。出展している人も、お客さんも、とても楽しそうだ。
昨年、初めて「博物ふぇす」を訪れたとき、僕は各ブースの題材があまりにマイナーなことと、それらを巡っている人々が幸せそうな顔をしているのにもビックリした。
どうかしてるよ、このヒトたち!
ところが、気がつけば、僕自身もニコニコしている。
自分の「好き」を追求している人がこれほどたくさんいて、その人たちの展示や物販を待ち望んでいる人がこんなにもいる。
その光景を見ていると「どんな分野にも、支持してくれる人はいるんだ」と実感し、モーレツな安心感に包まれて、どうしても頬が緩んでしまうのだ。
気づいて表情を引き締めてみるけど、いつの間にかまた笑っている。驚きの体験だった。
ここでは「届ける人」と「受け取る人」の距離がとても近い。両者が出会い、モノや情報や価値観が的確に受け渡されていく。
それが人をどれほど幸せな気持ちにするのか――を目の当たりにする。
そしてそのたびに僕は、編集者だった自分を振り返る。
「いい本を作る」ことにばかり注力するのではなく、「読んでほしい人に届ける」ということをもっともっと重視するべきだったなあ……と心から思う。
出版社にいた頃、僕が立ち上げた新書レーベルには、沈没船から世界史を読み解く本とか、桶狭間の戦いには天候の影響が大きいと指摘した本とか、カブトムシとクワガタの生態を研究する本など、面白い内容の本がたくさんあった。
だが、いずれも「届ける」という面では充分ではなかった。内容を考えると、もっとたくさんの人に読まれていい本だったのに。
本の著者の熱意は、たぶん「博物ふぇす」に出展している人々に劣らなかったと思う。そのような本や研究の成果を待ち望んでいる人たちも、たくさんいたに違いない。
するとポイントは、出版社が「博物ふぇす」のように、「届ける人」を「受け取る人」につなげられるかどうか、である。
僕は、それができなかった。著者にも、読者になるはずだった人にも、申し訳ないことをしたと思う。
魅力的な価値観や世界観をきちんと届ける。そのすばらしい見本が「博物ふぇす」にある。
「金属うんちを持つエビ」についての熱い解説を聞きながら、それを満面の笑みで聞いている人たちを見ながら、僕はせめて、いまやっている空想科学研究所の仕事では「届ける」を大切にしよう、とあたらめて思った。
ニコニコしてしまいながら。
近藤隆史[空想科学研究所 所長]
空想科学研究所は、マンガやアニメから昔話まで「人間の想像力」を科学的に検証しています。 所長は近藤隆史、主任研究員は柳田理科雄。最近は『ジュニア空想科学読本』などが小学生のあいだで小ブームに…! ここでは、空想科学研究所の現状や、悩みや、希望などを、所長が綴っていきます。
※元記事はこちら
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この研究所を知っている人は結構います。作っている本は、ジェダイも良く知っていて、学校の図書館などでよく
見る本です。
科学や面白い自然現象などに興味がある方は大人でも楽しく読めちゃう!
私のような、「面白好き」にはぴったりの本!
詳しくは⇒こちら!
これに参加された方の記事で、こんなのを見つけてビックリした!!
私の「ヒレナガチョウチンアンコウ」のTシャツのことがかいてあったのだっ!!だっ!だっ!だ===!
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「博物ふぇす」で、編集者としてキビシク反省する
近藤隆史[空想科学研究所 所長]
2019/07/26 18:16
出版社で働いていた頃、何度も「作った本が売れない」という経験をした。
その多くは、内容がダメだったというより、読んでほしい人に届かないうちに返本されてしまう……という感じだった。
暗闇に石を投げ込んでいるみたいに、まるで手応えがないのだ。
そんな体験と対照的なのが、科学博物館で開かれる「博物ふぇすてぃばる!」である。今年は7月20日と21日に開催された。
僕が「博物ふぇす」に行ったのは2回目なのだが、そこはモノスゴク楽しい場であると同時に、編集者だった頃の自分がどれほどズレていたかを思い知らされる空間だ。
「博物ふぇす」では、自然科学に関するさまざまな研究の展示とか発表とか物販が行われている。とても乱暴な言い方をすると、コミケの科学版。
一日中混雑している会場には、一筋縄ではいかない人々が集っている。
そこで売っているのは、ヒレナガチョウチンアンコウを描いたTシャツであり、さまざまなコウモリのストラップであり、鳥獣戯画のおくすり手帳であり、カンブリア紀の古生物を描いた花札なのだ。普通のものが一つもない!
そうかと思えば、オニオコゼやムツゴロウの骨が展示してあったり、ウシガエルの釣り方を解説する人がいたり、「金属うんちを持つエビ」を顕微鏡で見せてくれたり、蝶の幼虫やゾウムシを腕に這わせてもらえたり、メンダコのシューティングゲームが体験できたり、ネジの説明をしているおじさんの周囲に人が集まっていたりする(実は「ネジのかんざし」などを売っていたのだが、どう見てもただのネジ!)。
こういうブースが200くらいあって、どのブースにも人がいて熱心に会話している。出展している人も、お客さんも、とても楽しそうだ。
昨年、初めて「博物ふぇす」を訪れたとき、僕は各ブースの題材があまりにマイナーなことと、それらを巡っている人々が幸せそうな顔をしているのにもビックリした。
どうかしてるよ、このヒトたち!
ところが、気がつけば、僕自身もニコニコしている。
自分の「好き」を追求している人がこれほどたくさんいて、その人たちの展示や物販を待ち望んでいる人がこんなにもいる。
その光景を見ていると「どんな分野にも、支持してくれる人はいるんだ」と実感し、モーレツな安心感に包まれて、どうしても頬が緩んでしまうのだ。
気づいて表情を引き締めてみるけど、いつの間にかまた笑っている。驚きの体験だった。
ここでは「届ける人」と「受け取る人」の距離がとても近い。両者が出会い、モノや情報や価値観が的確に受け渡されていく。
それが人をどれほど幸せな気持ちにするのか――を目の当たりにする。
そしてそのたびに僕は、編集者だった自分を振り返る。
「いい本を作る」ことにばかり注力するのではなく、「読んでほしい人に届ける」ということをもっともっと重視するべきだったなあ……と心から思う。
出版社にいた頃、僕が立ち上げた新書レーベルには、沈没船から世界史を読み解く本とか、桶狭間の戦いには天候の影響が大きいと指摘した本とか、カブトムシとクワガタの生態を研究する本など、面白い内容の本がたくさんあった。
だが、いずれも「届ける」という面では充分ではなかった。内容を考えると、もっとたくさんの人に読まれていい本だったのに。
本の著者の熱意は、たぶん「博物ふぇす」に出展している人々に劣らなかったと思う。そのような本や研究の成果を待ち望んでいる人たちも、たくさんいたに違いない。
するとポイントは、出版社が「博物ふぇす」のように、「届ける人」を「受け取る人」につなげられるかどうか、である。
僕は、それができなかった。著者にも、読者になるはずだった人にも、申し訳ないことをしたと思う。
魅力的な価値観や世界観をきちんと届ける。そのすばらしい見本が「博物ふぇす」にある。
「金属うんちを持つエビ」についての熱い解説を聞きながら、それを満面の笑みで聞いている人たちを見ながら、僕はせめて、いまやっている空想科学研究所の仕事では「届ける」を大切にしよう、とあたらめて思った。
ニコニコしてしまいながら。
近藤隆史[空想科学研究所 所長]
空想科学研究所は、マンガやアニメから昔話まで「人間の想像力」を科学的に検証しています。 所長は近藤隆史、主任研究員は柳田理科雄。最近は『ジュニア空想科学読本』などが小学生のあいだで小ブームに…! ここでは、空想科学研究所の現状や、悩みや、希望などを、所長が綴っていきます。
※元記事はこちら
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この研究所を知っている人は結構います。作っている本は、ジェダイも良く知っていて、学校の図書館などでよく
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今年もこれからも頑張ってください
演歌みたいに🤩すごい才能だと思っています👏👏👏👏👏
あったかくなったら、また皆さんでランチ食べに来てくださいね~!