これはあるいきものの化石です。何の生き物だかわかりますか?
生物の教科書で見たことがありますね。三葉虫です。
三葉虫とは「体の背中の部分が3つに分かれた葉っぱ(房)みたいな生き物だね」というところから命名されたとのこと。
たしかに頭の下の背中部分が縦に3列に分かれています。
ひとくちに三葉虫といっても数多くの種類があり、その形のバリエーションの豊富さは想像以上で、1mmくらいの大きさのものから70cmの大きさのものまで、1万種にのぼると言われています。
その姿もきわめて多様で、中には多数の棘におおわれたものや・・・
ビヨーンと角の伸びた姿のものもいます。
まるで生きているような躍動感(w)
(上の写真はモロッコで産出され、専門の工房で細かく綺麗に石から削りだされ、クリーニングされた化石です・・おお、芸術的!)
三葉虫類は、古生物学ではとても有名な時代、カンブリア紀(約5億4200万年前)くらいに現れた有名な生き物です。
このカンブリア紀・・・・「カンブリアの生物大爆発」といって、それまでの生き物が、まるで大爆発したように多種多様な生き物がドッカーンと種類を増やし、形を変化させていった面白い時代なのです。何故、この時代に、急激に生き物の種類が増え、この様な変化がこったのか?
原因ははっきりわかってはませんが、その一つではないかと考えられているものに、これがあります。
「目」です。(写真は三葉虫の目です)複眼になっていますね。今のトンボみたいです。小さなツブツブはレンズ機能を持っていると言われています。
それまでの生き物は目を持っていても、明るさがわかるとか、ぼんやりとした画像を捉えているだけで、物の動きを映像で認識できるような目ではなかったといわれています。
それがこの時代の生物はとうとう「目」を手に入れたのです。
生まれたときから「目」を持っていて、「目」を日常的に使っている私たち人間は、当たり前のように思っていますが、この「目」を持ったことでものすごいことがこの時代に起こったのです。
三葉虫はこの早い時代に「目」を手に入れた生き物だといわれています。
敵や餌の動きを「目」で捉え、スピーディーに対応することで、生存確率を上げて、またたくさんの餌をとることでどんどん体格をよくしていくのです。体に栄養が付けば、卵もたくさん産めます。
そして反対に、餌になる生き物も生きていく為に早く逃げる脚やヒレを持つようになり、また硬い甲殻をまとい、捕食者と同じく、より「生きる力」を強く進化させていったのです。
生き残る為に、生物は新しい道をどんどん探して、少しの隙間を見つけて新しい状況に適応するように進化していくのです。
私・・・ダメ!!
なんでこんな形してるんだろ??
もっと愛される形になりたかったはず…
生き物は、生きていくために進化していかれるのなら、どうして人間は、花粉に耐えられる体に進化していかないんだろう・・・
なんて、思っちゃいました。