いきなりですが、以下長いです。
長文苦手な方はパスしてね。
2月15日(月)と16日(火)の2日間、
アメリカ ニューヨーク、マディソンガーデンで
「
Westminster Kennel Club Dog Show
(ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー)」が開催されました。
今年で140回目を迎えるそうで、
アメリカでは定期的に開催されるイベントとしては
ケンタッキーダービーに次いで2番目に古い催しです。
個人的には、ショーの基準である「
スタンダード 」
と呼ばれる
容姿重視の審査による犬の祭典が
人間のエゴにしか思えないので 、興味はないです。
そして、その「スタンダード」により近い犬を作り出すために
犬たちに大きな負担がかかっているにも関わらず
なかばそれらを無視し、
外見だけで選択された
「チャンピオン犬」を崇め、最終的にはそこから生じる
利益を追求しようとする姿勢にも大きな疑問を持ちます 。
外見重視のあまり、近親内などの無茶な交配を重ね
遺伝疾患などの多様な健康障害を持って生まれる犬種 が
少なくない事を考えると、純血犬が哀れに思えてなりません。
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ここに一つの動画を載せたいと思います。
タイトルは「
Extreme dog breeding (行き過ぎた犬の品種改良)」
私たちは犬たちに何をしてきたのか…
1900年代初頭を中心にした昔の犬の姿と
現代の犬の姿の比較です。
動画は英語で、全体的に文章が出てきますが
画像だけを見ても伝わるものがあると思います。
内容を大まかに分けると、
最初のパートは犬種ごとに毛の変化、続いて体格や骨格などの変化から、
現在でも以前とあまり変わらない姿を保っている犬種などについてです。
9分と少し長いですが、
スピーカーをオン にして頂けると
「
過剰なブリーディングをされて現代に至る犬種 」と
「
昔と同じような体型を保っている犬種 」のパートの違いが
分かりやすいかと思います。
そして最後に現れる動物が意味することは…
Extreme dog breeding
VIDEO
コッカー・スパニエルはこんなに長毛にされても
狩猟犬だそうで、ショーでは未だにスポーティング部門です。
イングリッシュ・ブルドッグやブルテリアなどは
骨格までもが大きく変えられている ことで有名です。
ブルテリアの頭部から鼻にかけての湾曲は
昔、闘犬時代に鼻先を噛まれないようにするための改良でしたが
現在では
犬としてありえないほど弓なり型 になっていると思います。
↓の写真を見てもわかるように、ブルドッグを始めとする
パグやペキニーズなどの
鼻先の短い犬種は
呼吸困難などの健康障害 が表れることが非常に多いです。
イングリッシュ・ブルドッグの頭部骨格の変化
ジャーマン・シェパード・ドッグの背中から後ろ足にかけて
過度に傾斜がかかった体型も不自然で
関節疾患がみられる犬種でもあります。
その他、この動画には出てきませんが
足が異常に短く改良された犬種なども
膝関節や脊椎疾患の発症が多いとされます。
BBCのニュースより ←クリックで他の犬種の画像も
頭蓋骨よりも脳が大きいために 脊髄空洞症を発症し
神経系の機能障害や頭痛に襲われる
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルも
かわいさのみを追求した結果の被害者ではないでしょうか。
枚挙にいとまがない見た目重視による歪と遺伝疾患の数々。
純血種の犬たちはそれらを背負って生まれ
生涯に渡って苦しめられることも少なくありません。
ショードッグスタイルの犬を良しとし、
それを求める消費者たちが
遺伝疾患を無視した交配を重ね続ける
利益目的の繁殖屋を蔓延らせる原因
になっているとも思います。
何よりも
シェルターや保護施設で
飼い主を待っている犬たちが多くいる現状を考えれば
何が大切なことが見えてくるのではないでしょうか。
犬は犬であり、先祖はオオカミ 。
個人的にはこれに尽きると思うのですが、
人間は犬の本質を見るよりも
外見に重きを置いた上で付加価値を付け
競い合わすことが好きな生き物だなと思います。
そしてこれは数年前ですが、
長年「Westminster Kennel Club Dog Show
(ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー)」のスポンサーだった
「
Pedigree (ペディグリー)」社が
シェルターの保護犬に焦点を当てたCMを作ったと言う理由で、
スポンサー契約を解除されました 。
現在は「ネスレ・ピュリナ」がスポンサーになっています。
シェルターの犬たちや保護犬に対峙する姿勢のドッグショー…
本当になんの魅力も感じないし、呆れてものが言えません。
イギリスのクラフツ・ドッグショー のように
「
不健康犬種は参加禁止 」になって
テレビ中継なども無くなる日を望みます。
以上、めちゃめちゃ長くなってしまいましたが
最後まで読んでくださった方(いるのか?)
おられましたら感謝です。
お・わ・し