つい引き込まれて最後まで見てしまった。

早い目に夕食を済ませてテレビの前で座っていると8時になった。
夫はまだビールを飲んでいる。
途中でテレビ消すかもしれないけれどとにかくみようと思ってソフアに座った。
途中、台所に立って洗い物を片付けていくがついつい歌に引き込まれていった。

若いときは他の歌手が好きだった。
美空ひばりの歌のうまさもそんなに分からなくてただ青春歌謡のファンだった。
ときおり娘が見ている歌番組に美空ひばりがでてくると父親はいつも「この人はうまいな。途中で声が変わる。これは他の歌手はできひん」と言っていた。
その意味が私は分からなくて黙って聞いていた。

そして年を重ねてくると美空ひばりの歌唱力にまだ他の歌手では右に出るものがいないことがわかってきた。その上手さは天才なのだろう。
「お前に惚れた」この歌も懐かしいなあ。
もう私は年も重ねて今はこの歌のようなこともなく静かな平凡な毎日を過ごしているが若いときは格好いい人にも憧れた。
けれど勇気がなくていつも片思いで終わっていた。
胸がキュントするようなこともあっても何もできなかった。

「湊町十三番地」の歌は私が小学生の時に流行った歌だった。
「柔」は私の高校3年のときに出た歌だった。昔の歌が懐かしい。
「花笠道中」も中学2年のときに流行り登下校のとき同級生に教えてもらって覚えた。

途中テレビを消すと思ったのに最後まで見てしまった。つい美空ひばりの歌に引き込まれた。
紅白歌合戦の映像もあった。司会をしておられるところも放映された。
NHKともいろんなことがあった。
当時はまだ美空ひばりの魅力より他に目移りしたのだろうか。
それでもめげないで歌い続けてこられた。
美空ひばりさんが亡くなってNHKも素晴らしい歌手だと気がつかれたのだろう。
しかし美空ひばりがNHKに出演をしていない空白が長かった。そのときの映像は民間テレビに頼るしかない。
ぜひNHKは空白を埋める恩返しとして一般の人たちのビデオテープを借りて収録してもらいたい。民間の映像はそれなりに筋を通して放映してもらいたい。民間テレビは3時間も4時間も美空ひばりのための番組を作らないだろう。
だからNHKがぜひしてもらいたい。空白の時代を埋めるために。
つい最後まで見てしまった。
「乱れ髪」も「悲しい酒」も上手いな。
「愛燦燦」もいい。そして「人生一路」の歌も大好き。
そんなわけで8時から11時まで3時間、どっぷり見てしまった。
こんなに3時間もどっぷりテレビを見たのは久しぶりである。