ご承知の方も多いと思いますが、インド映画『RRR』がいまだに各地の劇場で公開中です。『RRR』公式ツイッターによると、全国では現在27館で上映中なのだとか。しかも、一度上映が終わってもまた復活と、三度、四度と甦ってきて上映されているのだそうです。「仏の顔も三度まで」と言いますが、「『RRR』は三度でも四度でも」といったところですね。3月12日の米アカデミー賞で歌曲賞を獲得したことも大きな追い風になったと思いますが、①熱心なインド映画ファンが何度もリピートしている、②これまでインド映画を劇場で見たことがない人が、話題性の高さから劇場に足を運んで見ている、という両方の要因が大きいのではと思います。
実は今、「キネマ旬報」4月20日発売号の原稿などを書いていて、『RRR』の目下の興行収入額を入手したのですが....ええええ~! ついこの間、「興収10億円突破!」という記事が出たばかりではありませんか!!(この記事によると2月19日に突破したそうです) それからまだ2ヶ月も経っていないのにそんなにぃ??? 確かどこかに「まもなく15億円突破」という記事の見出しも出ていましたが(定期購読者ではないので中身は読めなかった)、そこからまたさらに....。もう、口あんぐりするしかありません。確かめたい人は、4月20日に「キネマ旬報」が出たら読んでくださいね。
考えてみればすごいことです。北海道の旭川市から沖縄の那覇市まで、27の映画館で「♫ナートゥナートゥ」が響き渡っているのですからね。明日で公開24週目。インドでは公開25週目を「シルバー・ジュビリー」と言い、50週目を「ゴールデン・ジュビリー」と言って盛大に祝うのですが、最近のインドでは公開2ヶ月目にはもう配信に移行してしまうので、「シルバー・ジュビリー」も「ゴールデン・ジュビリー」もとんと聞かれなくなってしまいました。4月14日(金)、日本の劇場で『RRR』のシルバー・ジュビリーが祝われた、となったら、インドのマスコミが記事にしてくれそうですね。サルマーン・カーン主演作『Tere Naam(君の名前)』(2003)と、シャー・ルク・カーン主演作『たとえ明日が来なくても』(2008)の「シルバー・ジュビリー」お祝い用ポスター画像を付けておきます。
さて、問題はこの人気がいつまで続くかですが、『バーフバリ』の時のことを考えると、ソフトが発売されたり配信が始まっても、「応援上映」「マサラ上映」等の形で劇場上映が続き、熱気はS.S.ラージャマウリ監督の次作が出現するまで冷めずに続く、ということになるのではと思います。その次作は、もう皆さんご存じだと思いますが、『SSMB29』という仮のタイトルが付けられた、マヘーシュ・バーブの主演作となる予定です。テルグ語映画界は若手人気スターの層が厚く、皆さんもこれまでに紹介されたプラバース、ラーム・チャラン、NTR Jr.の魅力と実力、人気の高さでよくおわかりになったことと思います。まだ日本でブレイクしていないのがマヘーシュ・バーブとアッル・アルジュンで、それも見越してラージャマウリ監督は次作にマヘーシュ・バーブを起用したのでは、と思ったり。最近の報道によると、『インディー・ジョーンズ』ばりの冒険活劇になると言われている『SSMB29』は、来年、2024年の夏から撮影が始まるそうです。ということは、そろそろ脚本を完成させ、キャスティングはもちろんのこと、セットから衣装、小道具等に至るまでの手配を始めないといけない頃ですね。アカデミー賞まではアメリカでのロビー活動で飛び回っていた(これの経費も相当なものだったらしい)ラージャマウリ監督、ほとんど休暇がなくてお気の毒ですが、日本始め世界中のファンのために、またステキな作品を生み出して下さることを願っています。
来日時のラージャマウリ監督(配給会社ツイン提供)
これまでの記事で関連動画はほとんどご紹介してしまったので、今回は日テレがアップしてくれたニュースでの紹介フッテージを付けておきます。グッズがよく売れているんですねー。私もクリアファイルを自分用とは別に買って、インドの友人たちへのおみやげにしましたが、インドではこういうグッズは珍しいので喜んでもらえました。そうそう、LINEのスタンプも第2弾が出たそうです。『RRR』商戦もまだまだ続きそうですね。
【インド映画「RRR」】日本でも異例のヒット 「つながるチャンス」インド文化に関心も