ちょうど1週間前(スミマセン、9日前の3月20日でした-4/2記)が、香港国際映画祭の開幕でした。あの時香港から送れなかった写真をアップします。
開幕セレモニーは午後6時半過ぎから、灣仔(ワンチャイ)の香港會議展覧中心(香港コンベンション・センター)で開催されました。その前、6時からオープンした会場では、ウェルカム・ドリンクが配られ、参加者が談笑する中、セレモニーに登場するスターや監督達が次々に控え室に入っていきます。すぐ目の前を、映画祭大使の楊千〔女華〕(ミリアム・ヨン)が横切っていきました。う、うつくしい~。
さらに目の前では、尹子維(テレンス・イン)が談笑しています。いつもながら、アンニュイな雰囲気が漂う美形です。ありゃ、ちょっと影が薄く写ってしまいましたね。ファンの皆さん、ゴメンナサイ。
セレモニーが始まると、まずミリアム・ヨンが舞台に呼び上げられました。
そして、今日のオープニング・フィルム2本、『單身男女』と『香港四重奏Ⅱ』の監督と出演者が順番に登場していきます。
まず、『單身男女』組。この作品は、監督が杜〔王其〕峯(ジョニー・トー)と韋家輝(ワイ・カーファイ)、主演が呉彦租(ダニエル・ウー)、古天樂(ルイス・クー)、高圓圓(カオ・ユエンユエン)。若手実業家のルイス・クーが、隣のビルの女性社員であるカオ・ユエンユエンにビルの窓硝子を通して一目惚れ。ボーイフレンド(テレンス・イン)が実は妻帯者とわかって別れたばかりのカオ・ユエンユエンは、修羅場で知り合った建築デザイナー、ダニエル・ウーとつきあいつつ、ルイスのアプローチにも心が揺れ動いていきますが...という男女3人の関係を描いたもの。カオ・ユエンユエンとダニエル・ウーをつなぐのが蝦蟇ガエル(?)とか、面白い小道具をいろいろ登場させて、数年間にわたる恋の変遷を飽きさせずに見せてくれます。
この日はジョニー・トー監督は登場せず、ワイ・カーファイ監督がスピーチ。左のマイクを握っているのが監督です。右へ、カオ・ユエンユエン、ダニエル・ウー、ルイス・クー。右のお姉さんはお名前がわかりません(すんません~)。ダニエルもルイスも背が高くて、とーってもカッコよかったです。
でも、ルイス、そのジャケットは何て言うか....、黒社會味と言うか(;;;)。この映画の中ではスーツにネクタイという若手実業家姿なのに、イメージもろ崩れです。今撮っている作品が、その手のものなんでしょうか?
続いて、『香港四重奏Ⅱ』組が登場。この映画は、4本の短編が集まったオムニバスになっています。
「紫」 監督:ブリリャンテ・メンドーサ(フィリピン)/主演:ルネ・ドゥリアン、レイムンド・ヌラン(表記、間違ってたらゴメンナサイ)
「天機洩」 監督:ホー・ユーハン(マレーシア)/主演:恵英紅(ベティ・ウェイ/クララ・ウェイ)、詩雅(ミシェル・ウェイ)、徐天佑(チョイ・ティンヤウ)
「M酒店」 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)/主演:チャイシリ・ジワランサン(タイ人俳優さんのお名前の表記が不明なので、お一人だけ)
「上河圖」 關錦鵬(スタンリー・クワン)(香港)/主演:林家棟(ラム・カートン)、テレンス・イン、葉山豪(はやま ひろ)
今回はタイ組は欠席で、他の3組が登壇しました。まず、「紫」のフィリピン組です。「紫」は、香港に暮らす2人のフィリピン人男性を登場させます。1人は、最愛の妻を亡くした老人、もう1人は、片思いの恋をコクろうかどうしようか悩む高校生。2人はそれぞれ、花市場を巡って、愛する人へのプレゼントの花を探します。
ブリリャンテ・メンドーサ監督は、昨年の私的香港国際映画祭ベストワン『ばあさん』(2010)の監督でもあります。どんな方かなー、と思っていたら、結構マッチョな感じの方でした。
続いて、マレーシア組、とは言っても、香港人俳優がいっぱい混じっています。監督のホー・ユーハンは、2009年の東京国際映画祭でも上映された『心の魔』 (2009)の監督で、その時起用した女優ベティ・ウェイ(クララ・ウェイとも)と男優チョイ・ティンヤウをこの作品でも出演させています。また、ベティ・ウェイの娘さん、ミシェル・ウェイがこの作品でデビューし、母子共演しているのも話題です。左から、ミシェル・ウェイ、ベティ・ウェイ、ホー・ユーハン監督、そしてチョイ・ティンヤウ。
物語は、ベティ・ウェイ母子が経営する安ホテルに、あやしげなマレーシア人の男が大きなスーツケースを引きずって泊まりにくるところから始まります。スーツケースの中身に大いに不審を抱く母子。一方香港警察の刑事たちは、マレーシアからやってきた刑事たちと協力して、密輸犯を捕らえようと張り込みを続けますが...。
ホー・ユーハン監督は緊張感溢れるシリアスな作品を撮るくせに、CFや短編となるととたんにおちゃらけて、そのユーモア精神を全開にさせてしまいます。開幕セレモニーにこの格好ということからも、その天衣無縫な愛すべきキャラがおわかりかと思いますが、この「天機洩(秘密が洩れる、という意味らしい)」という作品も実に人を喰ったオチになっていました。その後上映時の舞台挨拶でベティ・ウェイは、「こんな小朋友(お子ちゃま)みたいな監督だから...」と言ったりしていましたが、自分の意外な一面を引き出してくれたことに感謝しているそうで、『心の魔』で数々の主演女優賞を獲得した彼女としては、監督には大きな信頼を寄せていることが見て取れました。お嬢さんのミシェル・ウェイも、なかなか演技がお上手でした。
最後は、「天河圖」の香港組です。監督のスタンリー・クワンと共に、プロデューサーの陳自強(ウィリー・チェン)が登場。ウィリー・チェンはジャッキー・チェンのマネージャーだった人としても有名ですね。
お話は、空港から市内に行くバスに乗り合わせた人々のカリカチュアです。愛妻家らしい中年男(ラム・カートン)、高名な音楽演奏家(テレンス・イン)と彼を迎える日本人青年(葉山豪)、初老のおばさん2人、そして中国本土から旅行にやってきた男女3人組。さりげない会話の中に、今の香港が顔をのぞかせます。
写真右端がラム・カートンですが、カッコいいのでちょっとアップにしてみましょう。その左のお兄さんは、本土からやってきた中国青年役を演じた人。またお名前がわかりません(アカンがな~、取材力不足やでー)。
最後は、登壇者全員と政府のお偉いさん、映画祭の関係者などがひな壇に並んで、シャンパンで乾杯することに。私は、ひな壇に向かって右端の方で見ていたのですが、何と、こっちへルイスやダニエルがやってきます。
ダニエルが一番下の右端の位置に立ったので、彼の散髪したばかりらしいうなじも眺め放題。眼福、眼福。
なんだか、ますます美少年になっていってるダニエルでした。36歳なんて、信じられな~い。
というわけで、乾杯も正面から撮れませんでしたが、大いに目の保養をした開幕セレモニーでした。
この夜も含めて丸4日間、たっぷり香港国際映画祭を味わってきました。印象に残った作品などは、またおいおいアップしていきますね。