今年は、張國榮(レスリー・チャン)が2003年4月1日に亡くなってから丸10年に当たります。これに合わせて第37回香港国際映画祭(HKIFF)では、レスリーの作品『ルージュ』 (1988)の上映が予定されています。4月1日(月)午後3時半より、香港文化センターのホールです。
HKIFF事務局がたくさんスチールを提供して下さったので、ちょっと『ルージュ』の思い出話を。この映画は關錦鵬(スタンリー・クワン)監督による一種の幽霊譚で、幽霊となってこの世に出てくるのが梅艶芳(アニタ・ムイ)演じる1930年代の芸妓です。
彼女の前に現れるのが、十二少と呼ばれる水もしたたるイケメンお坊ちゃんのレスリー。この映画は1988年の公開時に香港で見たのですが、「十二少」の「少」が何を意味するのかも全然わからず、ただただその退廃的とも言える耽美的な画面にずっとため息をついていた憶えがあります。
「十二少」の「少」が「少爺(シウイエ/坊ちゃん)」の「少」だとわかったのはだいぶ経ってからで、映画の原題になっている[月因]脂[手ヘンに口]という昔の口紅も、この映画で初めて知りました。アヘンの吸引場面も出てきて、この時代の金持ちを描く時には欠かせない小道具なのだな、と知った次第です。
ストーリーは、心中相手の十二少とあの世ではぐれた如花が現代に現れて、たまたま出会ったカップル(萬梓良/アレックス・マンと朱寶意/エミリー・チュー)に十二少を探してほしい、と頼むというもので、フラッシュバックで如花がなぜ心中をするに到ったかが語られていきます。そして最後に十二少が見つかるのですが、最初に見た時は、「あれもレスリーが演じているの!?」とびっくりしたのでした。皆さん、多分もうご覧になっているのでご存じですよね。
四半世紀を経てよみがえるレスリーとアニタを、香港にこの時期いらっしゃる方はぜひお見逃しなく。チケットはまだ売り切れていないようですので、いらしてから香港文化センターのチケット売り場等でお求めになっても大丈夫かも知れません。
あと、記念コンサートも3月31日(日)と4月1日(月)あるようで、こちらには張學友(ジャッキー・チョン)や梁朝偉(トニー・レオン)らが登場する、という報道もされています。ちょうどイースターのお休みとも重なるので、ファン以外の香港人もしみじみとレスリーを偲ぶひとときとなるのではないでしょうか。
私は一足早く、3月20日(水)に行われた上の香港フィルによるコンサートに行ってきました。香港在住の友人がチケットを買っておいてくれたものです。「光影留音張國榮」と名づけられたこのコンサートでは、『欲望の翼』や『ブエノスアイレス』等で使われた曲がオーケストラ演奏で聞けたほか、『楽園の瑕』組曲と銘打たれた楽曲も演奏され、映像もスクリーンに投影されてレスリーの映画世界をたっぷり楽しむことができました。そしてアンコールは『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の「黎明不要來」。よくコンサートに通っている友人によると、香港フィルがアンコールに応えて演奏するのは珍しいとか。ほぼ満席の場内はレスリー・ファンとおぼしき女性たち以外にも、子供連れのご家族や熟年ご夫婦など幅広い層の観客がいて、いい雰囲気のコンサートでした。
私は残念ながら、4月1日は日本です....。
“香港映画の底力…”読ませていただいているだけで心臓がバクバクするくらい楽しみです!日本で全作公開されるように祈る思いです。(※特に潤發のカッコイイ姿をスクリーンで観たいっ!!)
4月1日は香港で「ルージュ」の上映があるのですね。残念ながらその場には行けないですが、嬉しいことに日本でもシネマートで開催中のレスリー特集上映で「ルージュ」もかかっています。
大好きな作品がスクリーンで観れるなんて夢のよう。
心斎橋からレスリー&アニタへの激愛を叫ぼうと思います!!!
二人がもうこの世にいないんだと思っただけで涙目になってしまいますが、どっぷり映画の世界に浸って思いっきり涙を流すもよしですよね。
レスリー &アニタ Forever!!!
日本での上映作品は下の通り9本ですね。『ルージュ』も入っていたのをうっかりしていました。
http://www.cinemart.co.jp/theater/special/leslie-cheung/lineup_02.html
あと、昨日の新聞に大きな広告が出ていたのですが、香港北角の新光戯院では、4月1日(月)午後7時30分から『さらば、わが愛~覇王別姫』を上映するとか。「興収はすべて児童ガン基金に寄付されます」とありました。
まだほかにも、展覧会等企画がいろいろあるみたいですし、この時期香港にいらっしゃるファンの方はお忙しくなりそうですね。