アジア映画巡礼

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Netflixの話題あれこれ

2021-02-01 | インド映画

今日、インドの配信事業について意見交換する機会があり、それで久々にネトフリで作品を見てみました。昼間の意見交換の時教えてもらったのは、『マイティー・リトル・ビーム』というアニメで、世界中で人気があるのだとか。

Mighty Little Bheem poster.jpg

チェックしてみると、2008年から始まり、今も作られている人気アニメ『チョーター・ビーム(リトル・ビーム)』が元になっているそうで、平面アニメから3D化され、主人公のビームは小学校高学年ぐらいの年齢からうんと幼くなって、おむつをしている?幼児になっています。日本のネトフリでは、『マイティー・リトル・ビームのぼうけん』『~のおまつり』『~のたこあげまつり』等セット化されていて、1本5分ほどのエピソードが5、6本ずつにまとめられています。絵柄もすごくかわいいのですが、うまいなあ、と思ったのはセリフがないことで、従って字幕も吹き替えも必要なし。これなら、どこの国の子供でも、そのままで楽しめますね。YouTubeにも何本かアップされているので、1本見てみて下さいね。

Chasing Snacks! 🍡 | Mighty Little Bheem | Netflix Jr

 

こんなかわいいアニメがあるかと思えば、かなり残酷なアンソロジーも発見。アンソロジー(短い作品を4、5本集めて1本の映画にしたもの)では、インド映画100年記念のアンソロジー映画『ボンベイ・トーキーズ』(2013)を作った、アヌラーグ・カシャプ、カラン・ジョーハル、ゾーヤー・アクタル、ディバーカル・バネルジーが再結集し、Netflixのために『慕情のアンソロジー[Lust Stories]』(2018)を作って、好評を得ました。その後、同じ4人の監督で『恐怖のアンソロジー[Ghost Stories]』(2020)も作りましたが、このスタイルが配信というシステムに合ったようで、最近はヒンディー語以外の作品でもいろんなアンソロジーが作られています。私が見たのはタミル語の『不徳のアンソロジー[Paava Kadhaigal]』(2020)で、4人の監督が参加しています。

Paava Kadhaigal.jpg

4人は、『ファイナル・ラウンド』のスダー・コーングラー監督、ヴィジャイ・セードゥパティとナヤンターラが主演した『Naanum Rowdy Dhan[俺も乱暴者]』(2015)の監督ヴィグネーシュ・シヴァン、自ら出演もしているゴゥタム・ヴァースデーウ・メーナン監督、以前こちらの記事で安宅直子さんによって紹介されたタミル語映画『尋問』(2015)の監督ヴェトリマーランです。異カースト間結婚、異教徒間結婚が親や親族からの憎しみの対象になり、尊属殺人が発生する、もしくは発生しようとする、というのが各話に共通したプロットで、実際に起こった事件に基づくものもあります。いずれも短編ながら力作で、特にヴィグネーシュ・シヴァン監督のユーモアもある作品には舌を巻きました。このパートではカルキ・ケクランが昔取った杵柄?でタミル語を流ちょうに話しており、それがストーリーの鍵にもなっていて、後味がよかったです。

Paava Kadhaigal | Official Trailer | Gautham Menon, Vetri Maaran, Sudha Kongara & Vignesh Shivan

 

そしておまけにもう1本、『ザ・ホワイトタイガー』も見応えがありました。ラージクマール・ラーオとプリヤンカー・チョープラーが脇役として出ている、というので興味がわいて見てみたのですが、確かに主演は下のポスターで中央にいるアーダルシュ・ゴゥラヴ。『マイ・ネーム・イズ・ハーン』(2010)の子役でデビューし、あらためて大人役で出演してからすでに数年になるのですが、無名同然だったところをイラン系アメリカ人のラーミーン・バフラーニー監督に大抜擢されました。

The White Tiger film poster.jpg

この映画の原作は、アラヴィンド・アディガというチェンナイ生まれの作家のデビュー作小説で、2008年の国際ブッカー賞を受賞しています。貧しい農村に生まれ、ろくに教育も受けていない青年が、地主の息子の運転手に雇われてのし上がっていく、という話で、彼自身によるモノローグがちょっとうるさいですが、見入ってしまいました。

The White Tiger | Official Trailer | Netflix

 

ネトフリ映画はいつも見終わって「あーあ(失望のため息)」だったのですが、上記の2本は映画館で見たような満足感がありました。お時間のある方、お試し下さい。


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