韓国、インドに続いて、中国での映画興行成績もアップしておこうと思います。昨年は特記すべきことがあったので、中国映画興収ベスト10ではなくて、全公開作品の興収ベスト10を取り上げます。
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2017年中国国内興行成績トップ10
(アジア映画以外は予告編を省略)
1.『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』 56億7866万元(約983億円)
監督:呉京(ウー・ジン)
主演:呉京(ウー・ジン)、フランク・グリロ、盧靖姍(セリーナ・ジェイド)、呉剛(ウー・ガン)、張翰(チャン・ハン)
日本公開:1月12日(金)より公開中/公式サイト
『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』予告
2.『ワイルド・スピード ICE BREAK』 26億7095万元(約462億円)
監督:F・ゲイリー・グレイ
主演:ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム
日本公開:2017年4月28日公開済み
3.『羞羞的鉄拳(恥知らずの鉄拳)』 22億172万元(約381億円)
監督:宋陽(ソン・ヤン)、張吃魚(チャン・チーユー)
主演:艾倫(アレン・アイ)、馬麗(マー・リー)、沈騰(シェン・タン)、田雨(ティエン・ユィ)
《羞羞的铁拳》|| 做到了 9月30日开心麻花第三部电影
4.『前任3:再見前任(元〇〇3:さよなら元〇〇)』 18億100万元(約312億円)
監督:田羽生(ティエン・ユーシェン)
主演:韓庚(ハン・グン)、鄭愷(ジェン・カイ)、于文文(ケリー・ユー)
《前任3:再见前任》 The Ex-File: The Return of the Exes || 曝“对垒”预告 韩庚郑恺花样放飞打响最强前任PK战
5.『カンフー・ヨガ』 17億5278万元(約303億円)
監督:唐季禮(スタンリー・トン)
主演:ジャッキー・チェン、李治廷(アーリフ・リー)、レイ(EXO)、ソーヌー・スード
日本公開:12月22日(金)より公開中/公式サイト
映画『カンフー・ヨガ』特報
6.『西遊記2~妖怪の逆襲~』 16億5692万元(約290億円)
監督:徐克(ツイ・ハーク)
主演:林更新(ケニー・リン)、呉亦凡(クリス・ウー)、舒淇(スー・チー)、姚晨(ヤオ・チェン)
日本公開:2017年9月8日(金)公開済み/公式サイト
映画「西遊記2~妖怪の逆襲~」 三蔵法師一行がクモ女に遭遇… 日本版予告編公開
7.『トランスフォーマー 最後の騎士王』 15億4562万元(約267億円)
監督:マイケル・ベイ
主演:マーク・ウォールバーグ、イザベラ・モナー、ローラ・ハドック
日本公開:2017年8月4日(金)公開済み/公式サイト
8.『芳華(青春)』 14億700万元(約243億円)
監督:馮小剛(フォン・シャオガン)
主演:黄軒(ホアン・シュアン)、苗苗(ミャオミャオ)、鍾楚曦 (チョン・チューシー)
《芳华》|| 曝首支预告 冯小刚书写绝色青春
9.『Dangal(原題/レスリング)』 12億9657万元(約224億円)
監督:ニテーシュ・ティワーリー
主演:アーミル・カーン、サークシー・タンワル、ファーティマー・サナー
日本公開:4月より公開予定
Dangal | Official Trailer | Aamir Khan | In Cinemas Dec 23, 2016
10.『リメンバー・ミー』 12億900万元(約209億円)
監督:リー・アンクリッチ(アニメーション映画)
日本公開:3月16日(金)より公開予定/公式サイト
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「特記すべきこと」というのはもうおわかりですね。例年なら、中国語圏映画とアメリカ映画が占めるトップ10に、何と、インド映画『Dangal』が入っています(中国語圏でのタイトルは『摔跤吧!爸爸(レスリングして!お父さん)』『打死不離三父女(死んでも離れぬ父と娘2人)』『我和我的冠軍女兒(私と私の金メダル娘)』)。『カンフー・ヨガ』のように、中国と共同製作したインド映画で、しかもジャッキー・チェン主演ともなれば当たり前でしょうが、インド単独の作品としては初めてではないでしょうか。『Dangal』は中国で224億円という興収を上げたために、インド映画の歴代興収では国内外とも第1位となっていた『バーフバリ 王の凱旋』を抜いて、海外も加えた興収ランキングでは第1位に躍り出ました。中国のほか、香港や台湾でもヒットしたのですが、何がこんなにも中国語圏の人の心を引きつけたのでしょうか?
実は今日、配給会社のギャガさんと宣伝会社のスキップさんからご連絡をいただいて、字幕初号試写を見せていただいたのですが、その作りのうまさにあらためてうなってしまいました。笑いも、そして感動も巧みに盛り込まれ、『バーフバリ』に劣らず体中の筋肉が緊張する感じもたっぷりと味わえて、最後には見事に泣かされてしまう...。2018年は、『バーフバリ 王の凱旋』と共に、この『Dangal』が日本で公開された年として、インド映画ファンには長く記憶されることになりそうです。それにしても、終始苦虫をかみつぶしたような顔の「父さん」アーミル・カーン、素晴らしい役者ですね。以前『チェイス!』(2013)で来日した時に宣伝会社が使った「国宝級の俳優」という表現が、今回もピッタリです。また、おいおいご紹介して行きますので、楽しみにお待ち下さい。