JR東日本は、2020年春を目途に新型特急車両『E261系』を投入して、伊豆方面へ運行することを発表した。製造するのは8両×2編成、伊豆急下田寄りからプレミアムグリーン車1両、グリーン個室2両、ヌードルバー1両、グリーン車4両とし、定員は164名とする。車両製造費用は2編成で70億円となる。
車両デザインは『KEN OKUYAMA DESIGN』が担当、エクステリアデザインは、『伊豆の海と空』をイメージした紺碧色をベースに、『車体前面から屋根上部へは砂浜が太陽の光を受けて金色に輝く様子』をイメージしたホワイトを車体前面から屋根上にあしらい、側面の窓廻りは『溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石』をイメージしたグレーとする。また、車体側面上部に天窓を設け、開放的な車内空間を提供する。
プレミアムグリーン車は、海側に偏らせた1×1列座席でシートピッチ1250㎜、定員は20名となる。収納スペースは座席下に配置することで天窓からの車窓も楽しむことができる。グリーン個室は、1両当たり4名様用と6名様用を2つずつ設置、定員は20名となる。ヌードルバーからの料理をデリバリーすることもできる。ヌードルバーは、伊豆急下田寄りにオープンスタイルキッチンを配置、海側は8席のカウンター、山側にはテーブル席が置かれる。グリーン車のシートピッチは1,160㎜、海側2列、山側1列とし、ガラス製荷棚で天窓からの光を確保する。4両合わせての定員は104名とする。各車両には大型の荷物置場を設置、全席に電源コンセントを設置する。
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E353に続くJR東日本の在来線新型特急車両『E261系』、リリースでは触れてないが車齢30年を迎える251系を置き換えると思われる。GW前半の最終日に251系が故障して、185系が代走したくらいだから、それなりにガタが来ているかもしれない。総定員数は8両で164名、現行の251系の497名の1/3ほどになる。輸送力はだいぶ落ちるから、その分E257『踊り子』に客が回るかもしれない。編成数についても、251系の4編成から2編成と半減する。
車両デザインは、ここ最近のJR東日本の新車を担当している奥山清行の設計事務所が担当、251系と比較すると先頭部が丸くなった。251系がハイデッカーやダブルデッカーを採用しているのに対し、E261の床は普通のホームの高さとなる。バリアフリーの兼ね合いだから仕方ない。側面窓は251系のような大きなものを採用しなかったので、天窓でそのフォローをすることとなった。製造費用は1編成当たり35億のブルゾン価格、1両当たりだと4.5億近くになってしまう。3億以上する新幹線を上回るが、プロジェクト全体で100億した四季島よりは安いかもしれない。
客室は全車グリーン車、164席全席がグリーン席となる。全車グリーン車の特急というのは、JR四国の『四国まんなか千年ものがたり』があるくらいか。JR東日本はE655が全車グリーン車扱いだけどツアーでしか乗ることができないし。プレミアムグリーンはシートピッチ1,250㎜と、現行のグランクラス並みの1,300㎜よりは狭くなる。ただ、1列×1列だから、座席幅は広くなるのではないかと思う。シート自体の詳細はリリースされてないが、グランクラスのような45度まで倒せる電動リクライニング、電動レッグレストになるのではないかと。プレミアム料金は1,000円から2,000円ぐらいというところ、現行の個室料金同様、伊豆急線内だけの料金は設定されないだろう。個室は、251系では3室12名だったのが、8室40名へと大幅に増えることになる。シートについては、電動リクライニングから革張りのソファーに変更、サロンがなくなるからその代替となる。イメージ図だと本棚も置かれるようだ。グリーン席は1,160㎜と、現行より140㎜縮小し、他の特急と同じものになる。なお、5号車についてはリリースでは触れられないが半室売店になるようだ。
様々な麺料理を食べることができるヌードルバーは、リリースによるとインバウンド客をターゲットにしているとのこと。『E261系』デビューの5ヶ月後にはオリンピックがあるからな。でも、こういう供食設備は数年も経てば、他の食べ物を提供するようになりそうだ。伊豆を走るのなら、沿線の魚介で出汁をとったスープを提供してほしいところだ。TOHOKU EMOTIONだと地元のにんにくとか提供しているようだけど。ヌードルバーという形にはなるものの、東海道線においては93年にブルトレから食堂車が撤退して以来、27年ぶりに供食設備が復活ということになる。リリースに掲載されている客室以外の設備はヌードルバーぐらいで、それ以外の設備は言及がない。251系にあるようなプレイルームもなくなるだろう。デジタルサイネージで結構流しているのだけどね。授乳室は女子トイレ近くに確保されればいいのだけど。
ハード面についてはリリースで言及がないものの、E353と同じIGBTインバーターが採用される可能性が高い。観光特急のリリースでなければ、251系の界磁添加励磁制御に比べて何パーセント省エネルギー化とか載せるのだけど。あと、アクティブサスペンションで乗り心地を向上させるのだろうか。来年にでも追ってリリースがあるかもしれない。
運用は、平日は東京発着のみ1往復、土休日はそれに加えて新宿発着1往復と予想。東京発着は土休日のみ大宮発着に、新宿発着は池袋発着になる可能性もあるだろう。比較的利用客の少ない2号と7号及び臨時は、E257系0番台での『踊り子』へ置き換えになるだろう。そうした方が他の『踊り子』と共通運用ができるし。当然ながら、輸送力重視の『おはようライナー新宿』への運用もなく、251系による『おはようライナー新宿』は、E257系0番台での運転になるだろう。
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