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鼓曲萬来

帰り道が遠かった

後輩達からよく昔の話をしてくれなんて事から
60年代のジャズ喫茶やGSに関しての記事
あるいは日本のROCK創世記の話等を
思い出しながらこのブログにもUPしておりますが
おそらくJAZZ喫茶に出演した最後の世代として
それも又、大切かなとも思う訳であります

まあ、思い出す度にあれ面白かったなと
そういう楽しかった状況ばかりを思い出して
結果的にジャズ喫茶礼賛
当時のバンド格好よくて最高!風になっておりますが

しかし、そういったJazz喫茶に行った経験が無い方なら
いつも盛り上がって面白そう、そう思われるかもしれませんが
案外5分の1位の確立で
「あいた~!」てな日も無かった訳じゃなかったんですね

テレビでも「熱狂!懐かしのグループサウンド」なんて
よくやっておりましたけれど
画面の印象と実際に当時受けた印象と
大分違っている場合も多かったですな

当時Jazz喫茶には飛込みで行ってたんです
勿論誰が出演してるか等は問題外でして
スケジュール表とか持ってりゃ良かったんでしょうけど
他に行くところもないですし
こっちもサボってるか更けてるかのどっちかでしたので
とりあえず2,3時間居場所確保てなもんですわ

大体タイガースとかテンプターズなら入れないなんて事もありますが
まあ、普通はすんなりという感じで

まあ、これからバンドやろうという少年にとって
そこはいわゆる学び場
プロのレベルに追いつけの気持ちで
先輩方の演奏を食い入るように見つめておりました

ゴールデンカップス、ダイナマイツ、スーナーズ、ビーバーズ
その辺りだったらもうその日は大当たり

有名どころのジャガーズ、カーナビーツ、言うに及ばず
ワイルドワンズ、スパイダース、モップスにフラワーズも

ただ....こういっては何なんですけどね
日に依ってはこういった場合も

チコとビーグルス 「帰り道は遠かった」 1968 

 
とか

いや、名誉の為にも言っておきますが
決して演奏が下手だったとか、歌がまずかったとかいう訳ではないんです
只、醸し出される演歌の香り、或るいは股旅物に通ずる節回しから
ここはどこかのスナック?或るいはパブに来てしまったかな
或るいは、これ間違いなく一昔前の青春歌謡ショー?
と、そういった感じが急激に襲ってまいりまして

いや、今となれば、こういった感じは独特で大好きですし
ネタ的にも自分たちの演奏の一部分を占めてもおりますし
Jazz喫茶の別の一面を醸し出すといった意味で
重要な位置付けの側面もあるんですが
当時はね~

国中のロックミュージシャンが
当時の外国の新しいロックの動向に蝕発され、なんとか追いつこうと
クリームにR&B、ジミ、ブルースにアートロックといった物に興味があった時代でして
日本の歌謡曲フィーリングから抜け出そうとしていた頃

ステージの間中、なんかな~、早く終わんないかな~、
次の対バンに早くならないかな~と
微妙な居心地で過ごしておりました

いったい誰がいつ、どの位から
GSをA級B級C級とランク分けし始めたのか定かではありませんが
言い得て妙でありますな
おそらく人気、実力等を総合的に加味しての
ランク付けなんでしょうけど
そこに新たにJazz喫茶に於ける居心地の良さ、悪さも加えて頂きたいと思う次第です

案外C級なんて言われても居心地は良かったという場合もありますし
反対にA,B級なんて言われていても、妙に「よごれ感」が強く
ちょっとな~、一体この方たち普段どういう生活してるのかな~?
なんて余計な想像が膨らむ場合もあった訳で
まあ、それ当時ジャズ喫茶に入り浸った方しか解らないところでありますが

例えばMCばっかで中々演奏しないバンドとか
客いじりが醜くて、時に恥かしい目にあうとか
道徳の授業のような私的な見解の話ばかりするとか
客層が著しく偏っていて、時に危険な感じの方ばかりで客席が埋まるとか
音楽そっちのけでお喋りばかりのファンクラブとか
そのバンドによって雰囲気がかなり変わっておりました
いや、それでも演奏が良けりゃ全部オッケーだったんですけどね

そういった許容量を外しても嫌だなと思えるような状況も多々ありましたので
人気や実力以外のステージング、雰囲気、態度の面でも
ランク付けを再構築して貰いたいなと思う訳です
シングル以外の他のレパートリーの選曲もバンドによって温度差もありましたし
完全にふてくされて、なげやりな感じのバンドも多々ありましたもの
事務所に薄給で使われてるのか等とw
まあ、当時の高校生の思った感想ですけれどね

という事で
いみじくも上記の演奏を見た帰り道にて
一緒に言った奴の言葉をいまでも覚えておりますわ

曰く
「まだこの国の、戦後は終わってないよな~」w
確かに帰り道がやけに遠かった日もございました。



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