フリマアプリで買った3DプリンターTRONXY XY2 PROの音がうるさいので静音化に取り組みました。
まず、何がうるさいのか調べたところ一番うるさいのがスイッチング電源に内蔵されている冷却ファンということがわかりました。
他の方々はメインボードの冷却ファンがうるさいといって交換しているのと状況が違うようです。
中古で保証など無いので分解してみました。
60mm角、厚さ15mm、DC14Vのブラシレスファンです。
日本では中途半端な電圧(中国では普通なのか?)で交換出来るファンが見つかりません。
DC-DCコンバータという直流の電圧を変換する回路を使って12Vにしても良いのですがスイッチング電源の中に組み込むことは難しいのでファンそのものを何とか出来ないかと考えました。
DCブラシレスファンは回っている羽根の方に永久磁石が埋め込んであり、回らない側にコイルが配置されていてコイルで発生させる磁界を回転させることで羽根が回ります。
ということで羽根と固定されている部分の間には軸受けがあるだけです。
軸受けには球状の金属を使っているボールベアリングと金属同士の隙間にオイルを入れて滑らせるスリーブベアリングがあります。
ボールベアリングは点で接触するため抵抗が少なく耐久性もあり良いのですが構造が複雑な分高価になります。
スリーブベアリングは構造が簡単で安価に作れるため安いファンはほとんどスリーブベアリングです。
スリーブベアリングは金属同士が接触することになるので潤滑油が不足すると摩擦抵抗が大きくなり回転が不安定になります。
摩擦によって異音も出ると考えられます。
そこでファンを分解してみました。
羽根の反対側のシールをはがしてみましたが何もありませんでした。
そうなると羽根の方から押し込んだとしか思えないので引っ張ってみたら抜けました。
下が羽根で茶色いリングが永久磁石です。
上の固定側に4つコイルがあるので永久磁石には内側にN極S極N極S極となるように着磁(磁石にする作業)されています。
軸の部分にグリススプレーを吹き付けて組み直すと静かに回転するようになりました。
使ったのはホームセンターのプライベートブランドのものです。
潤滑というと呉工業の5-56が有名ですが粘度が低く流れてしまうので持続性がありません。
グリスは流れにくいので持続性があります。
グリススプレーは自転車のチェーンに塗布するのも簡単で1本持っていると便利です。
これで気を良くしてメインボードの冷却ファンも分解してみました。
こちらはシールを外すと軸が抜けないようにプラスチックのリングがはめ込まれていました。
良く見ると一カ所切れていました。
ピンセットで取り外すと羽根が抜けました。
こちらも構造は同じなので軸にグリススプレーを吹き付けて組み直すと少し静かになりました。
ただ、回転が速いので風切り音が聞こえます。
こちらのファンは24Vだったので別の静音ファンを探して交換することを考えています。
PCのCPUクーラーも古くなると爆音を発するものが出てきます。
これまでは寿命と考えて新しい物に交換していましたが今後は分解してグリスを塗布して改善するか確かめようと思います。