個人的に3Dプリンターのデータを作成するのにDesign Spark Mechanical(以下、DSMと表記)を使っています。
今年の5月まで機能制限無く使えていたDSM5は6にバージョンアップされ、これまで無料だったのがサブスクリプション契約のソフトになってしまいました。
サブスクリプション契約にはなりましたが、これまでと同様に無料で使えるExplorerというプランがあります。
入出力可能なファイル形式が極端に減ったものの、3Dプリンターで使用されているSTL形式のファイルはエクスポート(変換出力)可能なので無料プランのDesign Spark Mechanical 6.0 Explorerを使い続けています。
使い慣れているので勤務先で3Dプリンターで部品を作る時にも使っています。
(DSMは無料プランでも商用利用可能ですので問題ありません。)
すこし複雑な部品を3Dプリンターで造形して形状を確認し、金属加工で製作するための2D-CAD図面を作成して加工屋さんに発注しました。
形状が複雑で、2D-CAD図面ではわかりにくいのでDSM6で角度を変えて表示させたモデルの画面をキャプチャして印刷した物を添付して発注しました。
すると、加工屋さんからSTEP形式の3Dデータを貰えないかという依頼が来てしまいました。
DSM6の無料プランはSTL形式以外の3Dデータはエクスポート(変換出力)出来ません。
何か方法はないかと調べたところ、旧バージョンのDSM5ではDSM5形式のファイルからSAB形式の中間ファイルを取り出し、変換する方法が有ることがわかりました。
同じ事が出来れば良いと思い、DSM6形式のファイルの拡張子を.zipに変えて展開してみると「.x_b」という拡張子のファイルが有りました。
何のファイルなのか調べなければならないと思ったのですが、アイコンがSolid Worksという3D-CADのアイコンになっていたのに気付きました。
勤務先ではSolid Worksを導入しており、私の使っているPCにもインストールしてありました。
(サーバーライセンスという形式でソフトをインストールするPCの台数に制限はないのですが、同時に使える人数が決まっています。)
これはそのまま読み込めるのではないかとSolid Worksでインポート(変換入力)してみると問題無く読み込めました。
読み込めたのでSTEP形式でエクスポート(変換出力)して加工屋さんに渡すことができました。
DSM5よりも簡単にデータ移行が可能だったのは助かりました。
拡張子「.x_b」のファイルはParasolidという3D-CADのファイル形式のようです。
DSM6から他の3D-CADへのデータ移行をまとめると、
1、DSM6形式(拡張子「.rsdocx」)でファイルを保存する。
2、保存したファイルの拡張子「.rsdocx」を「.zip」に変更する。
(元データを壊さないようにコピーしたファイルを使うのが無難)
3、拡張子を.zipにしたファイルをエクスプローラで右クリックしてすべて展開する。
4、展開先フォルダーの「SpaceClaim」-「Geometry」フォルダーの中にある「~.x_b」ファイルをインポート可能な他の3D-CADで読み込む
となります。
残念ながらDSM6無料プランで他の3D-CADデータを利用することは出来ません。
何とかならないかと「.x_b」ファイルを別のデータのファイルに入れ替えてzipファイルにしてDSM6に読み込ませて見ましたが、「.x_b」以外のファイルも変更が必要らしくエラーになりました。
これができると良いのですが難しそうです。
DSM6で他の3D-CADデータをインポート(変換入力)するには有料プランを契約しないと無理です。
有料プランは 7 日間だけ無料試用 できるそうなので一度だけなら無償でインポートすることができます。
また、サブスクリプション契約は1か月単位なので機能が必要な時だけ有料プランを契約すれば良いと公式ホームページで紹介されています。
インポート機能を使いたければ月額1,600円のCREATORプランを契約して翌月になる前に無償のExplorerに戻せば1,600円で済む訳ですが、有償版の機能を使って便利さになれてしまうと無償版には戻れなくなりそうなのが怖いですね。