コピーライター思考

コピーライターを目指す人のために、コピーライター思考を身につける方法を公開するブログです。

西友 誰のおかげで CM 逆コピー

2013年03月28日 | 逆コピー
西友のCM「誰のおかげで編」で、逆コピーの練習をしてみましょう。

今回は広告の基本である「何を言うか」「どう表現するか」という2点に焦点を当てて考えます。

牛肉 「誰のおかげで篇」です。


家族でスキヤキを食べていて、家族から食べ方に文句を言われる父親。
耐えかねて激怒する父。



「誰のおかげでこんな肉が食えると思ってるんだ!」


「西友じゃね」


くすっと笑ってしまいまう、おもしろいCMですね。


それでは逆コピーをやってみましょう。


■逆コピー

西友はKY(カカクヤスク)という戦略をとっている。
まずは、それを訴えることのベースだな。

カカクの安さを伝えることがメインだけど、今の時代、西友じゃなくても価格を下げることはどこでもやっている。

ただ、「値段が安いですょ~」じゃダメだ。

それじゃあ、どうしよう。
う~ん、困った。簡単そうで、なかなか難しい問題だ。

こんなときは基本に立ち戻るべし。

消費者ベネフィットを訴えることが基本だ。

「価格が安いと、消費者はどんなメリットがあるのか」


価格が安いことによる消費者ベネフィットは・・・。

とりあえず、思いつく限りあげてみよう。


・家計が助かる。
・家計が助かるから、余暇にお金が使える。
・エンゲル係数が下がる。
・趣味にお金を費やせる。
・洋服を買える。
・へそくりができる。
・貯蓄ができる。
・買い物が楽しくなる。
・買い物するときに、値段を見て躊躇しなくなる。
・我慢していたものを買える。
・ちょっと贅沢な食事ができる。
・安くおいしい食事ができる。
・あちこちのスーパーのチラシをチェックして、1円でも安いスーパーに行くという面倒なことをしなくてもいい。
・養育費に回せる。
etc.

ざっと並べると、こんな感じかな。

消費者ベネフィットとしては、
「ちょっと贅沢な食事ができる」
「安くおいしい食事ができる」
が、いいだろう。

近年は家食(内食)が流行っているし、これがいい。

コンセプトは、
「価格が安いから家で美味しいものを食べられる」
ということだな。

つまり、

『美味しいものが食べられるのは、西友のおかげ』

というわけだ。

よし、コンセプトは決まった。

次は、「どう表現するか?」だ。


一般大衆、庶民向けだから、そういったターゲットに刺さるような方向にしたいな。

普通に生活しているごく普通な家庭。
いわゆる平均的な家庭。

お父さんはサラリーマン。子どもが2人。
1人は学生。もう1人はフリーター。

あくせくと毎日頑張って働いているのに、住宅ローンの支払いや家族を養うためで精一杯。
旅行に行けるのは1年か2年に1度くらい。
お父さんよりもアルバイトをしている子供の方が、断然リッチ。


お母さんはお母さんで、家計を切り詰め、毎日家事をこなしている。
子育て、家事と、1年365日、年中無休。
お父さんより、よっぽど忙しい日々を長年続けている。

だけど、父親は、
「いや、頑張ってるのはオレだけ。我慢しているのはオレだけ」と思っている。
ストレスを抱えながらも、そんなことは口が裂けても父親は口に出せない。


「誰のおかげで・・・!」

なんか、この台詞って、よく聞くな。

「オレがお前を食わせてやっている」
とか、
「家族を養っているのはオレだっ!」
って。

よし、これを使って、家庭のワンシーンを「おもしろおかしく」表現してみよう。


一般庶民が家で食べる贅沢な食事は、スキヤキあたりかな。


そんな感じでできあがったのが、このCMです。
※逆コピーは、あくまでもコピーを考えるプロセスを身につけるためのひとつの練習方法です。
事実とは異なります。



西友 誰のおかげで CM





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大ヒット商品「ガリガリ君」のネーミング ~逆コピー ネーミング編~

2012年08月31日 | 逆コピー
「ガリガリ君」と言えばアイスキャンディーのメガヒット商品ですね。

とてもいいネーミングです。ネーミング制作もコピーライターの仕事です。

では、ガリガリ君で逆コピーを試してみましょう。


そもそもこの商品は、何なのか?
いわゆるアイスキャンディーとどこが違うのだろう。
一般的なアイスキャンディーは、果汁などを凍らせて棒状にしたもの。
だけど、この商品は「かき氷」を棒状にしたものだ。
そこが普通のアイスキャンディーとの大きな違いであり特徴だ。

商品コンセプトは「片手で食べられるかき氷」。
子どもたちが遊びながらでも気軽にかき氷を食べてもらいたいという思いから生まれた商品なので、ネーミングはそれを反映させたものにしたい。

メインターゲットは、もちろん子ども。
暑い夏に子どもたちが外で遊んでいるときに、
「なあ、アイス食べようぜ!」と誰かが言い出したときに選んでもらえる名前にしたい。

シンプルで覚えやすい名前。
まだ言葉をたくさん知らない小さな子どもたちからも、
「暑いときにはコレ」と商品名を口にしてもらえるようなネーミング。

超シンプル、小さな子どもでも覚えられる名前、商品の特長である「かき氷」を表した名前…。

そう言えば、赤ちゃんが親しみやすいのは擬音語・擬態語だったな…。

この商品を食べるときの音は「ガリガリ」だ!

よし、「ガリガリ」でいこう。

でも、待てよ。確かに覚えやすいが、なんだか素っ気ない気もするぞ。
もっと子どもたちに親しみを持ってもらいたなぁ。

「子どもらしさ」や「かわいらしさ」みたいなものが欲しいなぁ。
擬人化してみるというのはどうだろう。
お気に入りのぬいぐるみや人形、おもちゃ、ペットなどの名前を呼ぶように、この商品を呼んでもらえれば、きっと大好きになってもらえるに違いない。

ガリガリちゃん。
ガリガリくん。
……。

いい感じだが、字面がちょっと気になるな。

「ガリガリ君」

よし! これで決定だ。



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※コピーライター思考を身につけるための学習法「逆コピー」であり、フィクションです。

コピーライターの発想を疑似体験する

2012年08月06日 | 逆コピー
「逆コピー」は、コピー大学が考案した学習法で、コピーライター思考を身につけるための学習法のひとつです。

そのコピーがどのような考えで生み出されたのかを想像し、一流のコピーライターや第一線で活躍しているコピーライターの発想法、考え方を身につけます。



あるコピーを取り上げ、そのコピーが誕生したプロセスを自分なりに想像するだけです。
自分の考えが正しいかどうかは無関係です。大切なことは、自分の頭を使って「考える」「想像する」ことです。
コピーライターの仕事は、ひたすら考えることです。


では、今回は資生堂のコーポレートメッセージを例に考えてましょう。

コーポレートメッセージとは企業姿勢や思いを明文化したものですね。


自分がそのコピーの作者だと思って(なりきって)、コピーを生み出すまでのプロセスを想像してみましょう。



企業メッセージだから、会社の姿勢、思いをひと言で表すようなコピーにする必要があるわね。資生堂は、主に女性向けの化粧品を扱ってきた企業よね。

では、何のためにやってきたのか?

それは「女性を美しくさせるため」。
それが資生堂の思い。

だけど、それだは他の化粧品メーカーも同じ。
老舗トップ企業として、どうだろう?

「女性を永遠に美しく」

女性が求める美しさを求めている。それを提供している企業。

では、女性が求めている美しさとは?

「永遠の美しさ」

「いついかなるときでも、美しくありたいという気持ち」

「一生美しくいたい」

資生堂が貫き通していることは、

「女性を一生美しく」

ということなんだ!

でも、これでは何か物足りないし、洗練されていない印象があるわね。

女性は、どんなときに化粧をするのか。
単に外出するときだけじゃないわ。それは、洋服を着る感覚と同じ。
化粧にも普段化粧と勝負化粧があるわよね。

デートのときはもちろん勝負化粧。
合コンのときも、ばっちり決めなくちゃね。
同窓会は「きれいになったね」と言われたい。
たまには、皆から注目されるくらい美しさを振りまいて歩きたいし。

女なのですもの。一生に一度くらいはスポットライトを浴びるくらいに、
誰よりも美しいと思われる瞬間だって味わいたい。

一生美しくいたい。だけど、一瞬一瞬も輝いていたい。
それが女性の望みよ。

そう。
資生堂は、そんな女性たちの気持ちに答えてきたんだわ。

「一瞬も 一生も 美しく」


こんな感じで自由に考えてみることで、コピーをつくるプロセスを疑似体験してみるのです。

みなさんも、ぜひやってみてください!