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代替フロンはCO2より温暖化ガスとして環境に影響大

2016-10-16 15:52:48 | 環境問題
代替フロン規制 締約国会議が採択 先進国生産85%減 19年に発効

2016/10/16付
日本経済新聞 朝刊


温暖化の要因 代替フロン規制 各社、影響小さい製品競う

2016/10/16 2:00
日本経済新聞 電子版

 代替フロンの生産規制を盛り込んだモントリオール改定議定書が採択された。エアコンメーカーなどはすでに、温暖化への影響が小さい冷媒を使った製品の開発や国内外での販売拡大に動き出している。

 ダイキン工業は、温暖化効果が先進国で現在主流となっている代替フロンの3分の1と比較的小さい冷媒「R32」を使ったエアコンの普及に力を入れる。同社が持つ製造特許を一部無償で開放。日本と中国の大手エアコンメーカーが軒並み採用した。「エアコン用冷媒で当面の世界標準を狙う」(ダイキン工業)ことで、同社製エアコンの世界販売に弾みをつける。

 将来はさらに温暖化への影響が小さい冷媒への置き換えが進む見通しだ。カーエアコンや業務用冷凍機では、米ハネウェル・インターナショナルや、米デュポンから分社した米ケマーズなど米国勢が、温暖化効果がCO2と同等の冷媒を開発済み。カーエアコンでは米社の冷媒が世界標準になるとの見方が自動車業界では広がっている。

 日本勢はCO2を直接冷媒に使う製品で対抗する。パナソニックはCO2冷媒の業務用冷蔵冷凍機を販売。業務用冷凍機大手の前川製作所や日本熱源システムなどはアンモニアやCO2を冷媒に用いる製品を開発した。





 ルワンダで開催されたモントリオール議定書の締約国会議は15日、エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われる代替フロンの生産量の段階的な規制を盛り込んだ改定案を採択し、閉幕した。日本などの先進国は2036年までに、地球温暖化への影響が大きい代替フロンの生産量を85%削減する。参加した197カ国・地域のうち20カ国以上の批准により、19年に発効する。

(関連記事総合・経済面に)

 モントリオール議定書はオゾン層を破壊する特定フロンを規制している。オゾン層の回復をもたらしたが、これに代わる代替フロンのハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用量が急増した。

 HFCは地球温暖化への影響が最大で二酸化炭素(CO2)の1万倍と大きい。

 交渉では米国が、HFCの生産を規制すれば今世紀末までの気温上昇を最大0.5度抑えられると主張。削減の開始時期を巡って先進国側と途上国側が対立したが、最終的に温暖化対策で世界を主導したい中国が米国の呼びかけに応じ、合意に至った。

 日本には、今回規制の対象となったHFCの生産を明確に規制する法律はない。温暖化対策などのためにHFCなどの製造抑制を事業者に求める「フロン排出抑制法」は強制力がなく、強制力がある「オゾン層保護法」はHFCは対象外。いずれかの改正か新法律の制定が必要で、政府は早急に検討を始める。



代替フロン、環境に影響大

2016/9/9付
日本経済新聞 朝刊


 かつてエアコンや冷蔵庫の冷媒として使われたフロンは、オゾン層破壊の原因になるとして、国際協定「モントリオール議定書」により全廃された。代わってオゾン層を破壊しない代替フロンが急速に広まったが、温暖化への影響が二酸化炭素(CO2)をはるかに上回るため、改めて規制すべきだとの論議が出ている。
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 先進国で普及している代替フロンは、「R410A」という種類だ。コストや安全性に優れているが、温暖化への影響はCO2の2000倍以上。今年10月、モントリオール議定書に参加する国々がルワンダで会合を開き、新たな生産規制について検討する。

 新興国の多くは、先進国では全廃された代替フロン「R22」を使っている。オゾン層を破壊するため、もともと2030年までに全廃することになっている。

 ダイキン工業が開発した冷媒「R32」は温暖化への影響が410Aの約3分の1と比較的低く、規制対象にはならないとみられる。プロパンを用いた自然冷媒「R290」も、温暖化効果は3倍程度と低い。ただ燃えやすいのが難点だ。

 米国は新冷媒「R1234yf」を開発した。コストや安全性でやや劣るが、温暖化への影響は小さい。



代替フロン、環境に影響大

2016/9/9付
日本経済新聞 朝刊


 かつてエアコンや冷蔵庫の冷媒として使われたフロンは、オゾン層破壊の原因になるとして、国際協定「モントリオール議定書」により全廃された。代わってオゾン層を破壊しない代替フロンが急速に広まったが、温暖化への影響が二酸化炭素(CO2)をはるかに上回るため、改めて規制すべきだとの論議が出ている。
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 先進国で普及している代替フロンは、「R410A」という種類だ。コストや安全性に優れているが、温暖化への影響はCO2の2000倍以上。今年10月、モントリオール議定書に参加する国々がルワンダで会合を開き、新たな生産規制について検討する。

 新興国の多くは、先進国では全廃された代替フロン「R22」を使っている。オゾン層を破壊するため、もともと2030年までに全廃することになっている。

 ダイキン工業が開発した冷媒「R32」は温暖化への影響が410Aの約3分の1と比較的低く、規制対象にはならないとみられる。プロパンを用いた自然冷媒「R290」も、温暖化効果は3倍程度と低い。ただ燃えやすいのが難点だ。

 米国は新冷媒「R1234yf」を開発した。コストや安全性でやや劣るが、温暖化への影響は小さい。




代替フロンの生産規制、G7環境相会合で合意へ

2016/5/13 2:00
日本経済新聞 電子版



 主要7カ国(G7)は15~16日に富山市で開く環境相会合で、エアコンの冷媒などに使う代替フロンの生産を規制することで合意する。オゾン層を破壊しないものの、地球温暖化への影響が二酸化炭素(CO2)の千倍以上あるため、段階的に生産量を減らすよう対策を促す。日本企業でも代替技術の導入や開発の動きが出てきそうだ。

 規制対象となるのはハイドロフルオロカーボン(HFC)。オゾン層を破壊する特定フロン類を規制するモントリオール議定書が1989年に発効したのを受け、代替品として開発された。エアコンのほか、冷凍冷蔵庫の冷媒、発泡断熱材などに使われている。G7は2030年代半ばまでに世界全体で大気中に排出される量を現在の8割以上の削減を目指す。

 モントリオール議定書で、30年までにフロンの全廃が決まっているが、代替フロンは規制されていない。G7は7月と10月に開かれる同議定書の締約国会議で、途上国も含むすべての国で規制対象となるよう求め、協定として合意を目指す。

 日本政府はその後、署名したうえで、フロン排出抑制法やオゾン層保護法など関連法の整備を手がけ、批准などの手続きを進める。国内で規制が始まるまでに最低でも2~3年かかる見通しだ。代替フロンにはいくつか種類があり、温暖化への影響が大きいものから生産が規制されるとみられる。

 モントリオール議定書によって代替フロンに切り替わった。今後、より温暖化の影響が小さいCO2やアンモニアといった自然冷媒の導入や新しい冷媒開発が進みそうだ。すでに、イオンやローソンは新規店舗で自然冷媒の冷凍冷蔵機器の導入を進めている。パナソニックはCO2冷媒を使った業務用の冷凍冷蔵機器を戦略商品と位置づけ、普及に力を入れる。

 海外では米デュポンなどが新しい冷媒を開発した。高温多湿の日本では技術的なハードルが高いとされるが、新冷媒の開発に向けた調査や研究が始まっている。
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