相談例にも、挙げましたが、最近の『モラルハラスメント』と思われるご相談が増加しています。最近になり、『モラルハラスメント』という言葉が認識され、徐々に認知度を高めています。
モラルハラスメントは、大人のいじめの一種です。いわゆる頑固夫、口うるさい妻、とは根本的に異なります。その言動は一貫性がなく、矛盾に満ちているだけでなく、相手に対する脅し、コントロールという目的がベースにあります。そして被害者を、自分の意のままに利用することを常に考えています。断片的捉えると、その主張は論理的だったり、良心を覗かせたりするため、初対面の人間に対しては、好印象を与える事が多々あります。いわゆる『口が上手い』タイプですが、初めはそれに気づきません。しかし、一定期間が過ぎると、言動の矛盾に、違和感、圧迫感を感じ始め、『何かおかしい』が原因がわからないという状態に陥ります。これは加害者の『いじめ』が巧妙で、傷めすぎる前に、歯の浮くような嘘でおだてたり、急に優しくなる、といった方法をとることによって、あたかも、虐待などなかったと思わせるような防御に出るからです。本人は自分が加害者であるなど、少しも感じず、「飴とムチ」などと都合のよい自分本位の言い訳をしながら、コントロールを繰り返していきます。
被害者は、一様に加害者との生活に息苦しさを感じています。しかしその原因がはっきりしないまま、攻められ、けなされるという状況が続くと、精神的に弱ってきます。その息苦しさがどこから来るのか、冷静に把握することすらできなくなります。その原因を追究するよりも、言葉巧みな加害者を沈めるためにはどうしたらよいか、ということに注力し始めるのです。常に謝り、その場を収めることに全精力を注ぐのです。自分(お子さんがいる場合はお子さん)の心身の安全を考えるとそうしざるを得ない状況になるからです。何故自分が謝らなくてはいけないのか、ということを考え、それを加害者にぶつける以前に、攻撃してくる加害者を制止し、とりあえず穏やかな時間を手に入れようとするのです。
その結果、加害者は更なる優越感を得、被害者をどうにでも操れると悟り、虐待は悪化します。いわゆる悪循環です。
更なる理不尽な要求、そしていじめが生じるのです。加害者は、理不尽に振舞えば振舞うほど、被害者が謝り、オロオロする姿を楽しみ、自分は特別だという間違った意識を強めていきます。しかし、加害者にとって、そのような虐待の対象を失うことは、大きな恐怖でもあるのです。したがって、そうなる直前に、それを阻止することも無意識に考えています。それが言動に矛盾を生むと同時に、被害者に混乱を与えることになるのです。
典型的なサイクルは以下の通りです。
虐待する→被害者が謝り、ご機嫌をとって攻撃を制御しようとする→虐待が度を増す→被害者が弱り果てる→加害者は虐待の対象を失うかもしれないという焦燥感を持つ→言葉、行動で巧みに被害者をコントロールし、虐待などなかったように思わせる(思い違い、コミュニケーション不足、本当は感謝して欲しいだけだった、孤独だった等、色々な理由をつけてきます)→しばらくハネムーン期が続く→もう一度頑張ろう、と被害者が元気を取り戻す→また虐待が始まる
この問題は、ドメスティックバイオレンス(肉体的暴力)のように証拠となる外傷が残らないので、その被害を受けていることを周囲が判断し難いことが特徴です。いっそう、暴力を振るわれた方が良かった、と思っている被害者が多いのも特徴です。暴力であれば、第三者に容易に理解してもらえますが、モラルハラスメントは、なかなか他人からの理解が得られません。加害者は、二重人格の場合が多く、良い夫、良い父親像を周囲に与えることにも長けているからです。
我慢強い方の場合、被害を受けていても気付かない、もしくは気付いても誰にも相談出来ず内に秘めてしまい、重大な精神疾患に陥ってしまう可能性があります。被害者を弱らせ、無力な人間に仕立てるのも、モラルハラスメントの特徴です。
ただ、モラルハラスメントは加害者自身が人格障害(自己愛性パーソナリティ障害等)及び何らかの精神疾患を抱えていることも多く、その改善は非常に難しいと言われています。プライドが高く、自分が特別な人間と信じて疑わない自己愛性人格障害者にとって、この事実をうけいれることは、とても容易なことではありません。それでもあえて、治療を望むのであれば、家族の辛抱強い努力、そして犠牲無しには実現できません。本人の自覚、そして、どうにか治したい、という強い気持ちがある事が前提ですが。。
そもそも、自己愛性人格障害者は、本人もその原因に気づいてはいませんが、かなり、息苦しさを感じています。周囲との関係を築く事ができない人なのですから。
私たちは何年も前からモラルハラスメントに注目し、相談実績を積んできました。そのお陰で、モラルハラスメントにも解決の可能性があることが分かりました。根本的解決が不可能でも、被害者が現実に起こっていることを論理的に分析できれば、加害者の思い通りにコントロールされることから開放されます。
一般的に夫婦関係において何らかの問題が生じた場合、
①離婚(完全別居)
②問題を解消し、良い夫婦関係を築く
の2択による解決方法があります。
モラルハラスメントが問題の主な原因の場合、いずれにしても、夫婦間の話し合いのみでの解決は非常に困難であり、よけい複雑化していく可能性があります。
あなたが今受けている精神的苦痛から一刻も早く解放されるよう、私たちは一緒に問題に向き合い、取り組んでいきたいと思っています。 人格障害をわずらっているわけですから『普通ならこうなる、普通ならこうしないだろう。』という安易に予想を立て、一般人の言動を予測し、それに基づいて行動を起こしても、意味がありません。予測に反した言動が返って来るでしょう。それにより、更なる混乱が生じます。まずは相手を別の人格を持った『宇宙人』と捉え、行動を観察していくことから始めてください。
それを認識して、対処しないと、被害者側が参ってしまいます。
また、被害者であるあなたは、悪くありません。きっと本当は責任感の強い、前向きな方なのだと思います。だからこそ、一度パートナーと決めた相手とどうにか良い関係を構築したいと、努力されてきたのでしょう。しかし、相手をよく観察してください。あなたのその思いが届く人間でしょうか?
加害者も、以前は被害者だった場合が多く見られるのも事実です。子供にとって夫婦関係は、人間関係の雛形です。モラルハラスメントの加害者は、モラルハラスメントの関係が存在する家庭で育っている場合が多くあります。
それが、人間関係のお手本として、小さい頃から無意識に刷り込まれているのです。
だからと言って、加害者に同情している場合ではありません。守られるべきは、被害者です。こういった意味から、被害者も加害者も現状を正しく把握しなければいけません。現実に目を背けず、しっかり認識してください。プライドの高い『裸の大様』タイプの加害者にとって、それを認めることは、非常に辛いことです。しかしながら、そこを経過せずには、前には絶対進めません。ゆがんだ人間関係を正当化して、被害者を増殖し続けるのみです。
それが、回復への小さな一歩と言えます。
もう一つ、忘れてはいけないことは、モラルハラスメント、自己愛性人格障害は、世代を超えて『連鎖』していく可能性が非常に高いということです。加害者の育った家庭を見ると、両親のどちらかが依存症等で、大人としての責任の果たせない人間である事が多々あります。もう片方の親は、虐待に耐えて結婚生活を送っています。子供たちにその理不尽さを共有するという歪んだ共感の基に、親子の関係を築きます。母親と息子がこういった親密な関係を築き、父親を批判することにより、間違った夫婦関係を学ぶだけではなく、母親との親密な関係から、自分を誇大評価していくことになります。結果、『自己愛性人格障害』を伴ってしまう危険も大きいわけです。配偶者に満たされない感情を息子に求めていく母親に間違った自己愛を植え付けられてしまうということです。
こうしてモラルハラスメントは世代を超えて連鎖していくのです。離脱にしろ、共存にしろ、そのメリット、デメリットをしっかり把握して対処する事が大切です。
どうぞ、お一人で悩み、悲しむことは、なさりませんように。。漠然と感じる息苦しさを、しっかり分析し、対処して、あなたの幸せを手に入れてください。
モラルハラスメントは、大人のいじめの一種です。いわゆる頑固夫、口うるさい妻、とは根本的に異なります。その言動は一貫性がなく、矛盾に満ちているだけでなく、相手に対する脅し、コントロールという目的がベースにあります。そして被害者を、自分の意のままに利用することを常に考えています。断片的捉えると、その主張は論理的だったり、良心を覗かせたりするため、初対面の人間に対しては、好印象を与える事が多々あります。いわゆる『口が上手い』タイプですが、初めはそれに気づきません。しかし、一定期間が過ぎると、言動の矛盾に、違和感、圧迫感を感じ始め、『何かおかしい』が原因がわからないという状態に陥ります。これは加害者の『いじめ』が巧妙で、傷めすぎる前に、歯の浮くような嘘でおだてたり、急に優しくなる、といった方法をとることによって、あたかも、虐待などなかったと思わせるような防御に出るからです。本人は自分が加害者であるなど、少しも感じず、「飴とムチ」などと都合のよい自分本位の言い訳をしながら、コントロールを繰り返していきます。
被害者は、一様に加害者との生活に息苦しさを感じています。しかしその原因がはっきりしないまま、攻められ、けなされるという状況が続くと、精神的に弱ってきます。その息苦しさがどこから来るのか、冷静に把握することすらできなくなります。その原因を追究するよりも、言葉巧みな加害者を沈めるためにはどうしたらよいか、ということに注力し始めるのです。常に謝り、その場を収めることに全精力を注ぐのです。自分(お子さんがいる場合はお子さん)の心身の安全を考えるとそうしざるを得ない状況になるからです。何故自分が謝らなくてはいけないのか、ということを考え、それを加害者にぶつける以前に、攻撃してくる加害者を制止し、とりあえず穏やかな時間を手に入れようとするのです。
その結果、加害者は更なる優越感を得、被害者をどうにでも操れると悟り、虐待は悪化します。いわゆる悪循環です。
更なる理不尽な要求、そしていじめが生じるのです。加害者は、理不尽に振舞えば振舞うほど、被害者が謝り、オロオロする姿を楽しみ、自分は特別だという間違った意識を強めていきます。しかし、加害者にとって、そのような虐待の対象を失うことは、大きな恐怖でもあるのです。したがって、そうなる直前に、それを阻止することも無意識に考えています。それが言動に矛盾を生むと同時に、被害者に混乱を与えることになるのです。
典型的なサイクルは以下の通りです。
虐待する→被害者が謝り、ご機嫌をとって攻撃を制御しようとする→虐待が度を増す→被害者が弱り果てる→加害者は虐待の対象を失うかもしれないという焦燥感を持つ→言葉、行動で巧みに被害者をコントロールし、虐待などなかったように思わせる(思い違い、コミュニケーション不足、本当は感謝して欲しいだけだった、孤独だった等、色々な理由をつけてきます)→しばらくハネムーン期が続く→もう一度頑張ろう、と被害者が元気を取り戻す→また虐待が始まる
この問題は、ドメスティックバイオレンス(肉体的暴力)のように証拠となる外傷が残らないので、その被害を受けていることを周囲が判断し難いことが特徴です。いっそう、暴力を振るわれた方が良かった、と思っている被害者が多いのも特徴です。暴力であれば、第三者に容易に理解してもらえますが、モラルハラスメントは、なかなか他人からの理解が得られません。加害者は、二重人格の場合が多く、良い夫、良い父親像を周囲に与えることにも長けているからです。
我慢強い方の場合、被害を受けていても気付かない、もしくは気付いても誰にも相談出来ず内に秘めてしまい、重大な精神疾患に陥ってしまう可能性があります。被害者を弱らせ、無力な人間に仕立てるのも、モラルハラスメントの特徴です。
ただ、モラルハラスメントは加害者自身が人格障害(自己愛性パーソナリティ障害等)及び何らかの精神疾患を抱えていることも多く、その改善は非常に難しいと言われています。プライドが高く、自分が特別な人間と信じて疑わない自己愛性人格障害者にとって、この事実をうけいれることは、とても容易なことではありません。それでもあえて、治療を望むのであれば、家族の辛抱強い努力、そして犠牲無しには実現できません。本人の自覚、そして、どうにか治したい、という強い気持ちがある事が前提ですが。。
そもそも、自己愛性人格障害者は、本人もその原因に気づいてはいませんが、かなり、息苦しさを感じています。周囲との関係を築く事ができない人なのですから。
私たちは何年も前からモラルハラスメントに注目し、相談実績を積んできました。そのお陰で、モラルハラスメントにも解決の可能性があることが分かりました。根本的解決が不可能でも、被害者が現実に起こっていることを論理的に分析できれば、加害者の思い通りにコントロールされることから開放されます。
一般的に夫婦関係において何らかの問題が生じた場合、
①離婚(完全別居)
②問題を解消し、良い夫婦関係を築く
の2択による解決方法があります。
モラルハラスメントが問題の主な原因の場合、いずれにしても、夫婦間の話し合いのみでの解決は非常に困難であり、よけい複雑化していく可能性があります。
あなたが今受けている精神的苦痛から一刻も早く解放されるよう、私たちは一緒に問題に向き合い、取り組んでいきたいと思っています。 人格障害をわずらっているわけですから『普通ならこうなる、普通ならこうしないだろう。』という安易に予想を立て、一般人の言動を予測し、それに基づいて行動を起こしても、意味がありません。予測に反した言動が返って来るでしょう。それにより、更なる混乱が生じます。まずは相手を別の人格を持った『宇宙人』と捉え、行動を観察していくことから始めてください。
それを認識して、対処しないと、被害者側が参ってしまいます。
また、被害者であるあなたは、悪くありません。きっと本当は責任感の強い、前向きな方なのだと思います。だからこそ、一度パートナーと決めた相手とどうにか良い関係を構築したいと、努力されてきたのでしょう。しかし、相手をよく観察してください。あなたのその思いが届く人間でしょうか?
加害者も、以前は被害者だった場合が多く見られるのも事実です。子供にとって夫婦関係は、人間関係の雛形です。モラルハラスメントの加害者は、モラルハラスメントの関係が存在する家庭で育っている場合が多くあります。
それが、人間関係のお手本として、小さい頃から無意識に刷り込まれているのです。
だからと言って、加害者に同情している場合ではありません。守られるべきは、被害者です。こういった意味から、被害者も加害者も現状を正しく把握しなければいけません。現実に目を背けず、しっかり認識してください。プライドの高い『裸の大様』タイプの加害者にとって、それを認めることは、非常に辛いことです。しかしながら、そこを経過せずには、前には絶対進めません。ゆがんだ人間関係を正当化して、被害者を増殖し続けるのみです。
それが、回復への小さな一歩と言えます。
もう一つ、忘れてはいけないことは、モラルハラスメント、自己愛性人格障害は、世代を超えて『連鎖』していく可能性が非常に高いということです。加害者の育った家庭を見ると、両親のどちらかが依存症等で、大人としての責任の果たせない人間である事が多々あります。もう片方の親は、虐待に耐えて結婚生活を送っています。子供たちにその理不尽さを共有するという歪んだ共感の基に、親子の関係を築きます。母親と息子がこういった親密な関係を築き、父親を批判することにより、間違った夫婦関係を学ぶだけではなく、母親との親密な関係から、自分を誇大評価していくことになります。結果、『自己愛性人格障害』を伴ってしまう危険も大きいわけです。配偶者に満たされない感情を息子に求めていく母親に間違った自己愛を植え付けられてしまうということです。
こうしてモラルハラスメントは世代を超えて連鎖していくのです。離脱にしろ、共存にしろ、そのメリット、デメリットをしっかり把握して対処する事が大切です。
どうぞ、お一人で悩み、悲しむことは、なさりませんように。。漠然と感じる息苦しさを、しっかり分析し、対処して、あなたの幸せを手に入れてください。
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