□作品オフィシャルサイト 「同窓会」
□監督・脚本 サタケミキオ
□キャスト 宅間孝行 、永作博美、鈴木砂羽、二階堂智、阿南敦子、飯島ぼぼぼ、尾高杏奈、兼子舜、渡辺大、西村清孝、北村一輝、佐藤めぐみ、伊藤高史、戸次重幸、片桐仁、渡辺いっけい、兵藤ゆき、中村獅童、笑福亭鶴瓶、うつみ宮土理
■鑑賞日 8月23日(土)
■劇場 シネマート新宿
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
先週、初日だったこの作品を観に新宿に出かけたが、すでに初回は1席しかなく、2回目は舞台挨拶で一人均一2,000円だとほざかれ観れなかった。 改めてリベンジして来た。
高校生のころからずっとかっつこと南克之(宅間孝行)は雪(永作博美)のことが好きだった。 そして念願かなって結婚したものの現在は映画プロデューサーになり年下の新進女優、大崎めぐみとお気楽な不倫関係を楽しんでいた。
ずっとかっつの心にしこりとしてあったのは高校時代から雪のことを好きだと思っていた男が実は○○だったということだ。 それは雪のために開いた東京での同窓会のこと。 地元の同級生でいまは東京の出版社で働く親友の「ひめ」こと石川えり(鈴木砂羽)に雪の余命が三ヶ月と言われ勝手な思い込みで死ぬ前に一度彼に会わせてやろうとその消息を探し回るが・・・。 そこには意外なオチが(笑)
その雪を『人のセックスを笑うな』で自由奔放な大人の女性を演じた、そして現在「四つの嘘」で摩訶不思議な女性を演じる永作博美が、そのイメージとはまったく別の優しく一途な妻を演じている。
おそらく、そんな奔放な一癖も二癖もある永作の演技を期待するなら、この映画の彼女は直球なので少しはずすかもしれない。 それは、初日は満員だったのに、この日(朝の1回目)の入りは50%程度。 なんとなくそれが1週間経ったこの映画への評価に繋がっているバロメーターなのかも・・・。
ただ映画自体は“同窓会”という言葉のニュアンスにそれぞれの青春の想い出を重ね合わせるには十分な趣きがあることは間違いない。 そこに自分を重ね、自分の高校生時代やその後を反映することは可能だろうし、またその時代の懐かしキャラやグッズも登場する。
主人公たちと絡む利根川一(通称トネイチ)を演じた飯島ぼぼぼや和田政子(通称ワダマサ)を演じた阿南敦子が結構ツボとなる笑いを提供してくれるほか、チョイだが中村獅童もいい味を出し、ストーリーの上で当時話題となっていた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の1コーナーで普段告白できない想いを告白する番組でゆき姉(兵藤ゆき)を登場させたりして(笑)
なかでも雪の同級生で親友石川えりを演じる鈴木砂羽がこの映画ではいい味を出していた。 普段あまりいい位置に居ない彼女にとっては納得のゆく演技だったのではないだろうか。
懐かしグッズでハマったのはチェリオ。 この世代を過ごした人たちには懐かしい想いが去来しただろう。 実は僕も若い頃このチェリオを良く飲んだ。 それは単純で量が多くて安かったからだ(笑)
高校生の頃の想い出が、この映画の主人公たちの想い出とフィードバックされて、より深い想いを感じることが出来た。
ストーリー展開にサタケミキオの特別な面白さと変化は感じなかったけれど、それでも何か懐かしさと淡い想いが心に染みてきた。
今秋、高校の同窓会が5年ぶりに開催される。 本人が覚えていないことを当時の友人たちと話すことによって甦ってくるものがある。 そこが大切なところだし、また小学校から好きだった彼女と会えることになる。 あれから何年も経って、今では不思議にメル友だ。 人生はわからないものだし、中にはもしかしたらこの映画のような○○というオチを絵に描いた男がいても不思議ではない。
前にも書いたことがあるのだが、こういう映画を観ると必ず思い出す映画がある。 それは風吹ジュンと小林薫が共演した『コキーユ』(監督:中原 俊)だ
それは決してハッピーエンドではなかったけれど、この映画はある意味ハッピーで終わったことが救われる。
失くしたと思っていた万年筆は、ある人の悪戯から巡って雪へ。 まさか愛する人がその万年筆で離婚届けにサインをしたとは思ってもみなかったことだろう。 その回想シーンは結構鼻の奥がツーンとした。
そうそう恥ずかしながら、映画後にサタケミキオ監督=主演宅間孝行さんだと知りました(恥)
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