□作品オフィシャルサイト 「マイウェイ 12,000キロの真実」
□監督 カン・ジェギュ
□キャスト オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン
鑑賞日 1月14日(土)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
男の友情を描かせたら、カン・ジェギュ監督は素晴らしい。
カン・ジェギュ監督といえば、『シュリ』や『ブラザーフッド』を思い出す。
多くの作品を撮っているわけではないけれど、記憶に残っている作品の監督だ。
まるでその2作品をシェイクして、美味しいところを抽出したような作品に仕上がっている。
オダジョーチャン・ドンゴン。 女性ならずとも楽しみな共演だった。
時代は1928年、第二次世界大戦末期。 舞台は日本統治下の朝鮮。
その背景から、二人の出会いは立場こそ大きく違っていたものの、
走ることについては格差を除いて対等の立場に。
日本から朝鮮、ソ連、さらにドイツと様々な悲惨な戦争を体験し、
その都度、対立する辰雄(オダギリジョー)と、ジュンシク(チャン・ドンゴン)。
共通するのはマラソン・ランナーということ。
最後の最後まで競い合う姿は、戦場であるとないとに拘わらず、
互いの人生のように描かれていく。
この映画が実話だとして、その内容がある程度デフォルメされているとしても、
あの言葉すら通じない敵陣の捕虜なりながらも、最終的にドイツ軍の捕虜になり、
奇跡に近いくらい日本に帰ることができたという事実。
そこには、戦地で死と背中合わせで生き延びてきた辰雄とジュンシクの真の友情が芽生えた。
と同時に、二人の“死”より一人の“生”を選択し、
辰雄にその“生”を譲るジュンシクの心優しさに涙は待たずに流れた。
あれだけの戦場で生き延びることって、本当に運がいいのか、
万に一つの本当の奇跡だったのかもしれない。
あまりに砲撃や銃弾から逃げ延びるのを観ていると、
こいつら不死身か~なんて思ったりもしたけど、
事実生きて帰って来たのだから一つの友情と数多くの偶然や運命が左右したのだろう。
チャン・ドンゴンの日本語もやや危なっかしかったけど、
この映画に関してははっきりオダジョーよりもドンゴンの方が勝っていたように感じたし、
カッコ良かったとはっきり言えた。
余談だが、韓国には徴兵制があり「兵役」が義務づけられている。
チャン・ドンゴンも例外ではないと思っていたのだが、彼はデビュー前に気胸手術を受けており、兵役は免除されている。
もし兵役についていれば、更に迫真の演技が観られたのではないか・・・なんて勝手に想像したりして。
あのウォンビンは負傷により転役し、除隊後、『母なる証明』や『アジョシ』で、
それまで彼の作品より以上に迫力ある演技を観せてくれたのだから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます