□作品オフィシャルサイト 『さまよう刃』
□監督・脚本 益子昌一
□原作 東野圭吾
□キャスト 寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、酒井美紀、山谷初男、長谷川初範、木下ほうか、池内万作、岡田亮輔、佐藤貴広、黒田耕平
■鑑賞日 10月11日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
最愛の人が奪われたとき、あなたはどうしますか?
東野圭吾の原作を読まなければと思いつつ、間に合わなかったが、一人娘を殺された父親の犯人への復讐を描く内容とくれば興味が涌かない筈がないだろう。
特にこういう人間の内面を搾り出すのが得意な寺尾聰が主演となれば一層期待せざるをえない。 以前、『半落ち』で同様に今回とは逆の警官で罪を問われるありながら妻をの景観のの名優、寺尾聰が娘の死に苦悶(くもん)する父親を熱演。竹野内豊や伊東四朗が、主人公を追跡する警官を演じる。監督は『むずかしい恋』の益子昌一。社会的なテーマと登場人物が丁寧に描かれ、見応えがありながらも深く考えさせられる。
日々、まるで日めくりカレンダーのように次々と残虐な事件が起こり、何の因果もなく無差別に人を殺める事件が後をたたない。
ここに描かれる長峰(寺尾聰)の立場にたたされたとき、人は父親にしても母親にしても、自分の置かれた状況を冷静に判断することは出来ないし、むしろ昔の仇討ちではないが、犯人に同じ思いをさせてやろうと思うのはむしろ自然な心境なのかもしれない。
警察なんてあてにしない。 というより全て自分の手でと考える永峰の立場に同調してしまう。
娘を辱められ、殺められて、常軌を逸したとて、他に失うものがなければ同じ道を僕も選択すると思う。
ただ、そこに今回のように援護者や理解者がいなければ、独りでは決して成り立たないことだとも思うのだが。
それにしても、タレ込みで犯人の一人のアパートに踏み込んでビデオに映る娘の姿を見たときの、あの寺尾聰の迫真の演技は、同じ子供を持つその時の想像とはいえ、過酷な、いや究極の状況を見事に演じていたのではないだろうか。
刑事として動いていた織部(竹野内豊)も今までにない彼の新境地ともいえる演技を要求されたのだろうし、伊東四朗も信念を曲げないという意味では当然の演技だったかもしれない。 だけどやや物足りながあったのは残念なところだが。
そしてそれはペンションの酒井美紀、山谷初男父娘にも言えることだろう。
原作を読んでいればもっと深い洞察が可能だったのかもしれないが、如何せん、ここは寺尾聰の演技力に頼るしかなかったのだろうか。 彼の演技とその行動にまるで自分の気持ちまでが溶け込んでしまって、観終わった後も少し思い気持ちも残ったが、それでもあのエンディングは織部との最後の電話で想像できた事だった。
ラストシーンで川崎の銀柳街や、今まさにこの映画を観ているチネチッタ前が登場したりして、なんだかすぐにチッタの入口から飛び出せば、そこに長峰たちが居そうな錯覚すら覚えた。 映画のポスターは007だったというので結構前の撮影だったようだ、実際の現場を観てみたかったなぁ(笑)
「私は何があっても思いを果たします。」
長峰 重樹
名古屋から警察宛の手紙を出したあなたの“思いを果たすとは・・・”
娘の無念を晴らすことだったのですか?
それとも先読みして他力で娘のそばに行くことだったのですか?
映画はまだ観に行っていないのですが、原作は読みました。
原作は、けっこうきつい描写の部分があるので
同じ年ごろの娘を持つ親として、原作は
すごく重苦しく感じました。
自分の子供があんなふうに辱められたら・・と思うだけでゾッとします。
なので映画は今、観ようかどうか迷っています。
人は一体、なぜにこんな残酷なことができるんだろう・・・と、頭を抱えますが、人間だからしちゃうんだ・・・とも、最近思ってきました。
娘を持つ親として、寺尾お父さんの気持ちに、思い詰めた行動に、シンパシーは感じますが、映画の描き方としては、少々物足りなかったですね。
もうちょっと、納得のいく展開を見せて欲しかったです。
東野さんの本には、絶対齟齬は生じないと思うので、これは映画の描き方の問題だなと。
>映画はまだ観に行っていないのですが、原作は読みました。
僕はまだ原作を読んでいないんですよ(汗)
>原作は、けっこうきつい描写の部分があるので同じ年ごろの娘を持つ親として、原作はすごく重苦しく感じました。自分の子供があんなふうに辱められたら・・と思うだけでゾッとします。
確かに現実に自分の周りでおこったらと想像すると映像化されTものは直視できないかもしれません。
観るか観ないかはNAOさんの選択だと思いますが、もしDVDやTVでと思われるのでしたら、劇場で観ていただけたらと思います。
>人は一体、なぜにこんな残酷なことができるんだろう・・・と、頭を抱えますが、人間だからしちゃうんだ・・・とも、最近思ってきました。
確かにそうかもしれませんねぇ・・・。
>娘を持つ親として、寺尾お父さんの気持ちに、思い詰めた行動に、シンパシーは感じますが、映画の描き方としては、少々物足りなかったですね。
僕もそう思います。原作は未読ですが、映像だから表現できるものがあると思うのですが。
>もうちょっと、納得のいく展開を見せて欲しかったです。東野さんの本には、絶対齟齬は生じないと思うので、これは映画の描き方の問題だなと。
やはり寺尾さんに頼りすぎた部分が多すぎるのでは。
本の内容は重い、きつい、
読んでて苦しくなるのに読むのを止められないと言うてました。
勿論宣伝マンですから試写を見てて
映画は、えらくマイルドになってたと言うてました。
エグい部分を取っ払って寺尾、伊東、竹野内の3パターンの苦悩に焦点を絞って
さあみんなで考えよう~…ってなことになってた気がします。
毎日本の減り具合にびっくりしながら自分は読んでなくて(コラ)
詳しくは言えませんが
どうも、はしょっただけじゃなく
微妙に展開が変わっているので
結末を合わせても辻褄の合わないエンドになっているらしいです。
ホントに東野さんが言いたかった事は読むしかなさそうですね…。
>角川の担当さんでさえも本の内容は重い、きつい、読んでて苦しくなるのに読むのを止められないと言うてました。
餅屋がそういうのならかなり原作はハードしうですね^^
>映画は、えらくマイルドになってたと言うてました。
そっか、マイルドねぇ(笑)
>エグい部分を取っ払って寺尾、伊東、竹野内の3パターンの苦悩に焦点を絞ってさあみんなで考えよう~…ってなことになってた気がします。
ま、寺尾、竹野内の苦悩はわかりますが(笑)
>どうも、はしょっただけじゃなく微妙に展開が変わっているので結末を合わせても辻褄の合わないエンドになっているらしいです。ホントに東野さんが言いたかった事は読むしかなさそうですね…。
そうなんですね。
それでは原作を読んでみるしかないですね^^
私は原作を読んでいますが、少し予想よりも違っていました。これは「容疑者Xの献身」にも言える事ですが、東野作品の映像化は難しい気がします。
「秘密」、「手紙」辺りは良かったと思います。ですので、この映画は映画そのものより題材に興味がありまして、親とすれば当然の行動だったと思いますし長峰の気持ちは痛いほどわかります。
「法律を守るのか、人を守るのか」、本当に奥深い言葉だと思います。
悪い事をすれば罰せられる、それは年齢は関係ないと思います。加害者の人権、更正、将来、、、、。現代の法律では、被害者は完全におざなりになっています。
>私は原作を読んでいますが、少し予想よりも違っていました。これは「容疑者Xの献身」にも言える事ですが、東野作品の映像化は難しい気がします。
なるほど、皆さんそう仰いますね。
>「秘密」、「手紙」辺りは良かったと思います。
これは僕も原作も映画も満足しています!
>親とすれば当然の行動だったと思いますし長峰の気持ちは痛いほどわかります。
子を持つ親ならば、きれいごとでなく同じ心境になるでしょうね。
>「法律を守るのか、人を守るのか」、本当に奥深い言葉だと思います。
仰る通りだと僕も思います。
>悪い事をすれば罰せられる、それは年齢は関係ないと思います。加害者の人権、更正、将来、、、、。現代の法律では、被害者は完全におざなりになっています。
最近の事件でもそれは見受けられますね。
いにしえの時代の仇討ち御免がまかり通ればいいのに。
>警察宛の手紙を出したあなたの“思いを果たすとは・・・”娘の無念を晴らすことだったのですか?
それとも先読みして他力で娘のそばに行くことだったのですか?
復讐の後、彼の居場所はないでしょうね。
本当に、何処までの考えをもって行動していたのしょうか。
その後、自分も何らかの形で死を思っていたと思います。
>警察宛の手紙を出したあなたの“思いを果たすとは・・・”娘の無念を晴らすことだったのですか?
それとも先読みして他力で娘のそばに行くことだったのですか?
>復讐の後、彼の居場所はないでしょうね。
本当に、何処までの考えをもって行動していたのしょうか。
難しいですねぇ
>その後、自分も何らかの形で死を思っていたと思います。
そうなんですよね。
でも、もう戻って来ない娘をどんな想いで日々を送るのかと思うと、その選択肢は非常に確立の高いところではないでしょうか。