早いものでもう3月に入りましたね。
時代に置いて行かれている私の所にも、等しく季節は廻って来て…などと、しょうも無い事を思いつつ、そろそろ春探しに野歩きでも始めようかな?と思うこの頃ですが。
さて、いつものポップスの話ですが、1959年の今日3月2日は、イギリスのクリス・バーバー・バンドが演奏した「可愛い花」が、ビルボードの5位まで上がる大ヒット※となった日だそうです。※ウェイン・ジャクソン著/かまち潤:訳「ただ一曲のスーパーヒット」音楽之友社より
この曲は、Cl/S-Sax奏者のシドニー・ベシェが1952年に吹き込んでいて、私もベシェは好きなのですが、この曲は残念ながら手元には無くてネットで楽しんでいますが、良いですね。彼のこの細かな縮緬ビブラート(?)が好きなんです。
それに対し、クリス・バーバー・バンドの方は、少しテンポを上げ滑らかに歌うクラリネットで、後に「白い渚のブルース」のヒットを飛ばしたアッカー・ビルクとよく似ている感じがします。彼もイギリス人なので、これがイギリスの音?なのでしょうか、たまたまでしょうけれど。
この曲はザ・ピーナッツによってカバーされ、彼女達のデビュー曲として大ヒットしましたが、デビューのきっかけは、名古屋のレストランで歌っている所をスカウトされたそうで、そのレストランは私が名古屋で働いていた時の同僚の叔父にあたる方が経営されていたそうで、ザ・ピーナッツと言うと私はすぐに名古屋を思い出すのですが。
それはさておき、あのカバー・ポップスの時代、私は小・中学生の頃ですから、もっぱらラジオから流れるそれらの曲を、詩も未消化のままノリだけで楽しく聞いていました。
ですが、CDの時代になってそれら復刻版を懐かしんでいるうちに、歌詞にも耳が行くようになり、曲の頭の♪ペティフゥル~が気になって、可愛い花ならpretty flowerだろ?発音悪いんじゃないの?なんて思っていたのですが、これはフランス語のpetit fleur(小さな花)だったのですね。失礼しました。
そう言えば作曲者のシドニー・ベシェはクレオールで、晩年はフランスに住み、その頃作った曲だからフランス語のタイトルだったのですね。
あの頃のカバー・ポップス、歌手の発音が悪いのか、私のラジオが悪いのか?意味が通じにくい言葉とかありましたから、そこで誤解していた所もあるのですが。
たとえば、ジミー・ジョーンズの「素敵なタイミング」をカバーした坂本九の歌う「ア テカテカ…」が、頭のテカテカではなく(?) A Take Takeだったり、飯田久彦が「ルイジアナママ」で歌っていた「ホニオリン…」が、From New Orleansだったり、聞き間違い?は結構ありましたからね。
あの頃の私、英語の教科書にはカタカナでルビを振っていて、ポップスの歌詞も同様です。確か当時の雑誌のヒット曲紹介でもルビを振った歌詞が載っていたはず。もしかして歌手の皆さんもカタカナでルビを振って歌詞を覚えた? まさかでしょうけれど、そんな想像をしてみると楽しいですが。
また、そもそものポップスにも、意味の分からない囃子言葉(?)入っていましたしね。
クレイグ・ダグラスの「レッツゴー物語」(A Change of Heart)に入る「ダミダ ダミダミ…」などは、一瞬にして私をあの時代に連れ戻してくれる魔法の呪文ですし、大好きな曲でした。また、ディオンの「浮気なスー」で入る「トンデヘレヘレ」なんて言葉も、飛んでヘレヘレ?に聞こえてなごみました。
そもそもが、いい意味で能天気で明るいポップスなのですから、変に深掘りしないで、あの頃同様、耳に入ってきた音をそのまま楽しむのが一番いいみたいですね。
■ 以上、聞きたい365日 第341話でした。